それは事故が起こる日のこと。僕は同窓会に行っていた。高校の時の同じクラスでまた会おうということになったのだ。その日の朝に着信音が鳴った。幼馴染の浅見花恋からだ。
「今日一緒に行かない?」
同窓会に一緒に行こうというお誘いだった。恋人と勘違いされるから僕は1人で行きたかったのに……。でもしつこいので仕方なく一緒に行くことにした。僕は流されやすい性格だった。
「ピンポーン」
「颯ちゃん!来たよー」
久しぶりに会ったということもあって花恋はテンションが高かった。僕はこういう所が昔から苦手だった。そして腕を組まれて言い合いをしながら同窓会に行った。
着いた時にはもうほぼみんなが来ていた。やっぱり友達にすぐひやかされた。
「お前らそういう仲やったんかよー」
「そんなんじゃねぇよ」
同窓会のあいだもずっと花恋は僕の隣にいた。花恋が僕のことを好きなのは知っている。高校生の時に1度告白されたことがあったのだ。断ったが諦めていない様子だった。花恋はまだ独身だった。みんなの話を聞いていると、友達が話しかけてきた。
「颯太は彼女できたか?」
「いないよ」
でもなぜか瞳さんの顔が浮かんだ。とても会いたくなった。
もう外が暗くなってきた。何人か酔っ払って、つぶれてる人もいる。僕はお酒は強くないから控えていた。そろそろやめた方がいいということでお開きになった。花恋も酔っ払っている。僕は心配だったので支えながら一緒に帰ることにした。
家まで送ろうと思い、場所を思い出している時だった。
「ドンッ!!」
大きく鈍い音がしたので振り返った。すると衝撃的な光景が広がっていた。瞳さんが血を流して倒れていたのだ。僕は駆け寄った。
「瞳さん!」
「きゃあっ!颯ちゃん知ってるの!?」
花恋の声も聞かず、僕は必死に声をかけた。それから急いで救急車を呼んだ。あれからは瞳さんが気になって何も覚えていない。
あれから約1週間後。僕は今、瞳さんとドラマの話をしている。そのドラマは暇だろうと思い、僕があげたやつだった。元気になってきて良かったと心の底から思う。話し終わった後に、瞳さんがひかれた時に一緒にいた女の人について聞いてきた。僕は誤解されたくないと思い、すぐに幼馴染で恋人ではないということを話した。すると瞳さんはなぜか安心したような顔をした。
その時、相部屋のカーテンが開いた。
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