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ようやくミーシャと合流したプリンだが、ほんの少し会話したあとお互いの実力の見せ合いという名の潰し合いが始まる。
「先に話しておくけど私はあの短い期間で劇的に強くなる方法を考えた結果アルナさんを頼った方が早いということで武器を貰ってきた。」
「早速ズルしてんじゃねぇか!?」
「ただ譲ってもらった武器達はみーんなピーキーな性能をしてるので使いこなすにはかーなり時間を必要したよ。」
「そんな外的要因で強くなるのはずるだろ!」
「でも剣士が手っ取り早く強くなる方法と言えば武器を新調するでしょ?」
「うぐっ…。」
「それにミーシャだってどうせここに来るまででもまだ見せてない技を幾つも隠してるんでしょ?」
「まぁ…それはね?」
「じゃあおあいこじゃん。魔法使いなんて高火力なものいっぱいあるし!」
「詠唱時間というものがあるから簡単には使えないのよ。ただそれを上手く使うために私はこの世界での身体の使い方を学んだわけよ。」
「となるともしかしなくても近接もいける感じ?」
「ゴリゴリな近接職には勝てないけどそれでも最低限動けるようにはなったわよ?」
「じゃあそれ見せてもらおう!」
「あんたのそのピーキーな武器っていうのも見せてよね!」
「それじゃあ早速まだ見せたことないピーキーな武器を見せてあげる!」
ウィンドウを開きアイテム欄から試作型焔の剣と爆発細剣以外の第三の剣加速刀を選択しそれを装備する。
「これは今まで使ってた二種の武器と比べれば全体的に比較的マシな武器なんだけど、とはいえ火力はシャレにならないから覚悟してね?」
「ファンタジーのはずなんだけどその刀だいぶメカメカしい鞘に入ってるな?しかもなんか銃のトリガーみたいなのも付いてるしなんそれ?」
「これがピーキーと言われる最大の特徴!その身をもって受けるといい!」
左手に鞘を持ち居合の構えをとるプリンに直感的に悪寒を感じたミーシャは土の壁を何層も作りその上で地面に潜れる穴も用意し攻撃に備える。
「これが加速刀の特徴よ!」
鞘に付いているトリガーに指をかけ引くと勢いよく納刀された刀飛び出しその勢いを殺さず素早く振り抜くと三層に重ねた土の壁があっさりと横に真っ二つ切れる。
「どぉよこの威力!これ吹っ飛ぶ刀を如何に上手く捕まえてそのうえで勢いを殺さずに振り抜けるかのコツを掴むまでが大変だったんだからね!」
咄嗟の判断で穴を作ったのが幸をそうし、その穴を隠れたおかげで攻撃を回避出来たのだ。その穴からひょこっと顔を出しプリンに対して物申す。
「何その殺意に全振りしたとんでもない刀は!?私危うく何もせずにやられるとこだったじゃない!?」
「現時点で私は四種の武器を持ってるけど多分単純な火力だったらこの刀が一番強いんだよね。」
「そんな恐ろしいものアルナさんよく作ろうと思ったな?」
「アイデアを思いついたからすぐに形にした結果売り物にならないことに気が付いて封印してたみたい。」
「よくそんなじゃじゃ馬使おうと思ったなお前さん。」
「これがイベントに間に合わせるための近道だったからね!代わりに貰った四種の武器になれるのに一週間は使ったからそれ以外は特に進化してないんだけど。」
「じゃあ次は私の番!私は経験で覚える魔法をとにかく覚えたのと最低限動けるように身体の使い方を学んだってくらいだけど、私にはアレがあるのを忘れちゃダメよ?」
「【魔法複合】だよね?初期魔法ですら結構なものだったのにそれに新たな魔法が加わるとか恐ろし過ぎるんですが?」
「まずはその片鱗を見せてあげる!」
穴から出たあと瞬時に【スピアプ】を使い距離を詰めていく。
「その刀の弱点は 居合をするということ!つまり一度鞘にしっかりしまわないとまたあの攻撃は来ない!なので今プリンが持ってるのはただの強い刀なだけで特殊効果は何も無いから恐れることはほぼ無い!」
刀の有効範囲に入るも【スピアプ】のおかげで翻弄ができ軽い打撃を何度も何度も繰り返して少しずつ体力を削る。
「体術使うならアンタも魔法使いじゃなくて武闘家とかにすれば良かったじゃん!?」
「この打撃はこれからやる技の布石なのよ!そろそろ本番を見せてあげる!【魔法複合】『土の壁』『風の檻』【土風 獄の陣】」
背後に周り蹴りを入れながら距離を置きその魔法を唱えるとプリンの四方を土の壁が覆い更にその周りをドーム型の風で覆う。
「これでまずあんたを閉じ込める!そしてこの時間で私はさらに馬鹿でかい魔法で消し飛ばしてあげる!」
(土の壁を壊してもその破片が風にあたり逆に加速しこちらに飛んでくる。これを突破するにはやはりコイツを使うしかないか。だが、外に出た時ミーシャが何してくるかわかんないのが怖いんだよなぁ。とはいえ、こんなとこでジッとしてやられるくらいなら大技食らってあげた方がいいもんね。なら!)
「武器チェンジ!爆発細剣土の壁も風の檻もぶち壊して外に出る!」
魔力を流し込みレイピアを起動し真上に向かって力で突破する。
「よぉぉし!風によるダメージは負ったけどこの程度ならまだ私も戦える!」
「出てくるのが随分と早かったけど私的にはジャストなタイミングよ!そのまま空中で花火になりなさい!【魔法複合】『ファイア』『ボール』『ウィンドウォール』『アイススピア』【氷火 サンフラワー】」
火球にアイススピアを燃料とし火力を上げ更にその火力を上げ、交わる二つの属性をコーティングしつつ放つ際に速度を出すため風魔法のウィンドウォールを採用し、ただの風の壁ではコーティング出来ないのでそれを『ボール』という魔法で無理やり球体として抑え込む。
こうして出来上がったのが【氷火 サンフラワー】であり、この魔法が対象にぶつかると熱した油に水を掛けたかのような現象が発生し膨大なエネルギーが風の膜を破り破裂する。その際僅かながら氷の破片が四方八方に飛び散ることから『花火』という意味と『ひまわり』のように満開に花を咲かせるという意味を込めた【サンフラワー】が誕生するのだ。
「私らの激薄防具じゃこれは致命傷レベルだから受けたら最後だぞ!」
「空中なら身動きが取れなくて的になる。なんて思ってるでしょミーシャ?私を舐めないでよね!」
再びウィンドウを開いて第四の武器を選択しその武器を装備、そのまま向かい来る【氷火 サンフラワー】に対して真っ向から切り捨てる。すると、ミーシャの創った魔法は綺麗さっぱり【吸収】されトドメ刺すに至らなかった。
「はぁ!?魔法をかき消したのかよ!」
「これがアルナさんから譲り受けた第四の武器吸血鎌!ある程度の魔法を吸収しそれに応じた火力を得ることが出来るという品物。欠点は重いのと扱いにくいのと吸収できると言えどキャパが少ないから多用できないって言う点だね。」
「あの魔法も結構なやつなんだけどなぁ?」
「まぁ分かる。この鎌で吸収したけど既に限界地点ギリギリだもん。なのでもうこの鎌はこの試合じゃ使えないかな。」
「時間経過でまた使えるようになるわけか。」
「そうなんだけどキャパ確保するためにしばらくほっとくけどその時間はまぁ長く、今の魔法を吸収したら次の日までは吸収使えないんだよね。」
「火力アップする代わりに唯一の特徴である吸収が使えなくなるとか、一発ネタの武器ってわけね。」
「だからここぞって時にしかこの武器は使えないんだよねぇ。」
「刀に鎌、そして細剣と色々使ってお前さん剣士としてのあれはないんじゃないか?」
「失敬な!私はこれでも剣士だぞ!?」
「剣士は鎌も刀も使わないんだよ。」
「まぁとにかく!これでミーシャの大技を吸収したのでまた私のターンって事でいい?」
「それはどうかなぁ?」