テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
それからご飯を食べて
お風呂に入って
ゆっくり2人で映画を見て
眠りに落ちるまでずっと。
朝が来て
目が覚めて
思い出したくなかった
親の顔がよぎった。
親は今頃激怒しているだろう。
どうでいい。今は。
ずっとこの暖かい空間ですごしたい。
でもこの人に迷惑がかかってしまうから…
離れたくない。
そう思えた。
「…また来ます」
帰り道の足取りは重かった。
腕に巻いた包帯を見る。
思い出と、触れた手の温もりが蘇る。
多少でも心の支えがあることに感謝した。
傷は痛んで俺を苦しめた。
でもその分の痛みは俺を癒してくれた。
意を決して玄関を開けた。
親はリビングにいるのだろうか。
廊下の電気は付いていない。
階段を上がる。
一歩ずつ、踏みしめて向かう。
黄色いライトが見えた。
息が微かに震えている。
(ガチャ
「…」
(ガッ!(胸倉掴
「ッ、」
《おい!》
《2日間もどこほっつき歩いてやがった!》
「友、だちの家、で勉強会、!を」
声が震える。
《何故連絡を入れなかった!》
「ス、マホ忘れ、ちゃ、て」
《いい加減にしろ!!》
「ごめ、なさい」
《ハァ…大体、お前が低レベルに合わせてどうする。》
「!!」
《お前の成績は伸びず、ライバルを作るだけだ。》
《次のテストも1位でなければ我が青井家の名はお前に相応しくないからな》
正直雨風凌げればこの家なんてどうでも良かった。
なんなら早くこんな家を抜け出したかった。
でも
たった一度だけでいいから
俺の親というならば
本当に一度だけ。
一瞬でもいいから、
頭を撫でて、
『頑張ったね。』
って、
褒めて欲しかった。
コメント
1件
うわ、めっちゃ胸にくる回だった……。前話の友だちの家での温かさと、実家の冷たい空気のギャップがエグい。最後の「褒めて欲しかった」で完全にやられたわ。親の理不尽なプレッシャーに耐えてるのが切なすぎる。頑張ってるのは伝わってるからな、主人公🔥
9,527
壊レタ時計
10,343
みどりいろ
3,149