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キーンコーンカーンコーン
「起立、気をつけ、礼」
「おはようございます」
「おはようございます」
今日も一日が始まる。はぁ、嫌だな…
今日体育あるじゃん。またバカにされる。
体育なんて…大嫌いだ。
「今日の体育は跳び箱だ」
担任の小林先生が伝える。
「紫音、今日も長袖か?」
昇太がきいてくる。
「うるさい!紫音を馬鹿にするな!」
ひとみがかばってくれる。
学校中はあまり馬鹿にされない。
ひとみがいるからだ。私一人の時を狙っていじめてくる。
しかも、必ず一回は来いと言って無理にでもいじめてくる。
「気にしないでいいからね」
ひとみは優しく声をかけてくれた。
(ちっ…まだ邪魔してきたな。)
昇太の視線がひとみの方へ向いていた。
1時間目国語
「この漢字読めるもの」
小林先生が黒板に「特徴」と書く。
「はいっ」
勢いよくひとみは手を挙げる
「じゃあひとみ」
先生は、ひとみを当てる。
「とくちょうです」
「正解」
やっぱりあたまいいな…。一緒に勉強しても私何も覚えられないのに…。
「これは?」
先生が黒板に「議会」とかく
「次は、紫音読めるか? 」
「えっ、えーっと…」
なんだっけ?なんけ読むっけ?
昨日一緒にやったのに。
「もしかして、わからないのか?」
昇太がはやし立てる。
「わかりません」
「これぐらいわかるだろ?」
先生が少し怒った様子で言ってくる。
「もういい、次、昇太」
「ぎかいです」
ぎかいか…やっぱだめだな私…。
昇太は私を馬鹿にするようにこっちを見てくる。なんで、覚えられないんだろう。
昇太もかなり頭が良い。親がどちらも有名大学出身らしく、勉強は厳しいらしい。
…そのストレスの捌け口なんだろうな。きっと。悔しさと情けなさで泣きそうになりながら、1時間目が終わった。
「お姉ちゃんごめんね。私全然覚えてなくて…」
私は、ひとみに謝った。
「全然いいよ。ゆっくりやっていけば大丈夫」
優しいな、私にも分けて欲しいぐらい。
「焦らなくていいよ。あんなやつ無視しときな」
「ありがとう」
「次体育じゃん早くしないと」
そうだった体育じゃん…。跳び箱だったよね。
「トイレ行けるかな?」
「急いでいってきな」
危ない。バレるとこだった。
「先行っといて」
「わかった、遅れるって伝えとくね」
「ありがとう 」
…怪しいかな?
私は、かなり運動音痴だ。それでコケやすく
長袖長ズボンでやってきた。
「これが仇になったな…」
私服でいい学校でいつも長袖を着ている。
体育の時も着てあるものだから、普通だと思われる。
早く着替えて私は、体育館に向かった。
2時間目 体育
なんとか間に合った。
「準備体操するぞ 」
小林先生が号令をかける。
「1.2.3.4」
「5.6.7.8」
「2.2.3.4 」
「5.6.7.8」
準備体操が終わり、跳び箱をする。
私は、生まれつき体が弱い。ここまで動けるのが奇跡だと言われるくらい。弱かったらしい。
そのため、運動はあまりできない。激しく動くものは、極力避けないといけない。
「各自好きな段を飛べ」
先生が言った。このクラスは跳び箱が得意な人が多い。中には10段跳べる人もいる。
(私もできたらいいな…)
なんて思ったこともあるけど、夢のまた夢の話なんだろな…。
「紫音はどこ飛ぶの?」
ひとみが聞いてきた。
1から10段まであり、私は、
「2段ぐらいやっとく」
と答えた。
「2段しか飛ばねーの?」
昇太がわり込んでくる。
「入ってこないでよ!」
ひとみは昇太に言い放つ。
「お前も災難だな、10段飛べるやつな妹が、2段しか飛ばないなんて」
「災難なんかじゃないから。紫音を馬鹿にするならどっかいってよ」
「もう行こ」
「う、うん」
「なんなんだよ。あいつ」
昇太は不満げに呟いた。
また、守られたなぁ。私。
一回でいいから、誰かを守りたい。
しっかり助けてあげたい。
そう思いながら跳び箱を飛んていた。
「飛べるようになったね」
「そうでしょ、何回かやってたらうまくなったの」
久しぶりの自身のある私の 姿にひとみはうれしそうだった。
ーしばらくして昼休み
「ったく、うまく行かねえな」
「あいつがいるのにやるからでしょ」
「そうだが…」
やっぱあいつがいるなら難しいか?
俺が考えたいじめの方法も全部止められる。
一気にやるなんてできないし…
「ひとみがめんどくさいわね」
真里亜は不満そうに言う。
「あの二人を離したいんだよな」
「あの仲は、そう簡単に切れなくない?
あの件以来うちらに警戒心強いし」
「だから考えてんだろ?」
「バレないようにやるのは?」
「そんなことできるのか?」
「下敷きとか、教科書とか取ったり」
「前もやったろ?効果なかったじゃないか。」
…何考えているんだよ。
「今日も呼ぶ?」
「いい、今日はなんかだめな気がする。」
「そう、わかった」
真里亜は、そういったあと
「あれから一ヶ月たったでしよ?
また、下敷きやっちゃう?」
「勝手にしろ」
下敷きバレるんじゃないか?
いや、いけるかもしれない。
「真里亜、放課後空き地に来い」
「はいよ」
何をするか理解したようだ。
待ってろよ紫音。俺たちを馬鹿にいた罰だ。