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…またか。なくなった下敷きの模様と同じものか割れた状態でゴミ箱に入っている。
(絶対にあいつらの仕業だ )
誰にも言えない。クラスからは避けられる。 どうしたらいいのだろう?
あれ?ひとみどうしたんだろう。
「今日さ、遊びに行っていい?」
「別にいいよ」
…なにかようすが変だ。あいつらに何か言われた?
「どうかしたの?」
思い切って聞いてみる。でも、
「あんたに関係ないから大丈夫」
って返された。
絶対なんかあったよね。分かりやすい。
私のことなんか言ったのかな?
自分のことならああはならないから…
学校が終わり、私は下敷きを買いに行く。
「よう、どうしたんだ?」
聞き覚えのある声だ…
「下敷き買いに行くの?」
昇太と真里亜だ。
「買いに行くよ」
私は、できるだけ無視したかった。
「お前って、ひとみどう思ってる?」
…は?何急に。そんなの決まってるじゃん。
「一番大切な人だよ。あなたたちから守ってくれるから」
「へえ、そうか」
ほんと何?なにか企んでる?
「ひとみは思ってるってよ」
「そんなことない!」
ひとみはそんな人じゃない!いつでも守ってくれるのに!
「まぁそんな怒るなって」
「そりゃ怒るよ。私のことならいいけど、お姉ちゃんの悪口はやめて!」
約束が違うよね。
「…やっぱ一緒だな」
ん?今なんか言った?
「でも言ってたぞ、お前はめんどくさいって」
やっぱりなんか隠してたな…。
「実際あんたも嫉妬してんでしょ」
「そんなことない!」
だって自慢の姉なんだから。
「同じ時に同じお腹から生まれたのに
頭の出来や、運動能力に差があるんだから」
「そ、それは」
…確かに、ひとみがうらやましい。運動ができて、成績もいい。それにかなり気が強く、小さいことならくよくよしない。
私もそうだったら…
…私の気持ちってわかっているのかな。
あれ?なんでこんな事考えてるんだろ。
私のこと大切に思ってくれてる。しっかり庇ってくれる。
なんだろう、なんかもやもやする…
「確かにうらやましいけど…」
でも、あれはひとみの努力なんだし、
家でいつも頑張っているのだって私は知ってる。でも、一緒にやってるのに私全然覚えてないんだよな。理解力がいいのかな?
やっぱりわたしがだめなのかな…
「なんでこんなに違うのかな…」
思わず口にしてしまう。
「やっぱり嫉妬してんじゃん」
「ち、ちが」
「してんでしょ!」
口が滑ったをいいことに私を責め立てる。
「表は仲良くしてるけど、裏ではそう思ってるのよ!」
違う!そういいたかった…
だけど、絶対違うなんて言えない。
ほんとに、私は守られているのかな…
裏では避けられているのかな…
ひとみはそんな人じゃない!
「あんたの気持ちなんてわからない」
真里亜は続けて、
「あんたなんかいらないと思っている」
そんなわけない。よね。
「もういいわ、それじゃ 」
「待って!」
呼び止めたけど、2人は止まらなかった。
違う!違う!
でも、
「私って、いるのかな?」
なんでそう思ったかわからない。
そうだ!ひとみに直接聞こう。
それならわかる。たぶん、
しばらくたって、
「ただいま…」
「おかえり」
やっぱり元気無い。
「しーちゃん、何かされてないの?正直に言ってよ」
もうバレてるよね
言うしかないのかな…
(あんたなんかいらないと思っている)
いやいや、そんなわけ…
(あんたのきもちなんてわかるはずない)
なんで頭から離れないの?そんなこと思っているはずがない。
「私の気持ちなんてわからない…」
私今なんて…
「えっ…」
ひとみが反応する
「これは違うの!」
慌てて取り消そうとする。
「…そっか、ほんとうなんだね…」
どうしよう
「違うってば!」
「じゃあなんだって言うの!」
もう終わった。なんでこんなにも口が軽いのだろう。大切にしないといけない人を…
「私がうっとうしいんでしょ!」
「だから、その」
「あんたの気持ちなんかわかんないよ!
だって…あんたが言わないから…」
ひとみは私を睨む…
当たり前だよね…守ってるのにこんなこと言ったんだから…
「あんたなんかもう知らない!
大っきらい!」
ひとみは、自分の部屋に戻っていってしまった。
…あ、おわったな…私やってしまったんだ。
許してくれるはずないよね。
だって、感謝してないんだもん。
してるよ、私してる…ひとみがいなかったら私今頃死んでるよ…
でも、周りには誰もいなくなった。
「ごめん、ごめん、ごめん」
いないのに、そこにいないのに謝ってしまう。
涙が止まらない、悪いのわたしなのに…
「うわーん」
どうしても、その涙を抑えることができなかった。
「うまくいったみたいだな」
「今、大喧嘩してたわね」
「ここからがチャンスよ」
守ってくれる人がいないなんて可哀想。
でも、まだまだ私たちは手を止めないからね。
ひとみには悪いけど、あんたの妹が死ぬまでやってやるから。