そんな感じでなべとは一進一退…いや、ちゃんと白状します。
まっっったく進展がないまま、時間だけが過ぎて行った。
このままだとライバルたちに先を越されてしまうかもしれない…。
俺がそんな危機感を抱き始めたある日。
俺は見てしまったのだった。
ダンスの全体練習が終わって、メンバーが帰り、俺は戸締りを頼まれて使用していたレッスン室へ戻った。
ドアが半開きになっていて、入ろうとしたら
中から声が聞こえてきた。
俺は嫌な予感がして、そうっと中を覗いた。
中には、目黒となべが残っていた。
🖤しょっぴー、もう俺の気持ちに気づいてるんでしょ?
💙何のことだよ
🖤とぼけないでよ。俺、しょっぴーのこと、好きなんだ
💙いやいやいや、ありえないって
🖤なんで?
💙だって、めめはかっこいいし、人気もあるし、どんな女の子だって選びたい放題じゃん
🖤なにそれ?関係ない話すんなよ
目黒の口調がいつもより乱暴だ。
俺はこんなに感情的になっている目黒を初めて見た。
正直、怖いくらいだった。
でも同時にそれだけ切実なのだろうなとも思った。
二人のやりとりから目が離せない。
俺はそのままその場に釘付けになってしまい、盗み見だと分かっていながらも見るのを止めることができなかった。
🖤ちゃんと俺のことを見てよ
💙そんなこと言われても…
🖤俺、しょっぴーのせいでおかしくなっちゃった
💙めめ……
🖤頼むから、俺の気持ちに応えて?
最後、目黒はなべの両手を取って、その場に跪いた。
やっていることは格好悪いのにやたらと格好良く見えた。
それは目黒が真剣だからだろうと思った。
映画のワンシーンみたいに、二人の美しい男たちが向き合っていた。
俺は、そんな二人を見て、知らぬ間に涙を流していた。
よく佐久間が言ってる「尊い」というのはこういう感情を言うのだろうか?
完敗だと思った。
俺は目黒に敵わない。
想いの強さも、悔しいけど、カッコ良さも。
俺は戸締りを忘れて、そのまま家に帰った。
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