テラーノベル
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目)んっ…
目)もう朝なの…?
久しぶりの休みだから、ゆっくり寝ようとも思ったけどルーティンを崩したら仕事に影響がでてしまうと思い、いつも通りの時間に起きた。
休みの日だから浮かれてるわけでは決してない。
目)やっっっと休みだ……
目)駄菓子屋に行くんだし実家にも帰ろっかな
正直疲れが溜まりすぎて家から出たくもない。
でも駄菓子屋に行ける今日を待ちわびたというのも事実。
目)…行こう
疲れきった重い身体をなんとか起こした。
目)阿部ちゃんいるかな
少し期待しながら歯を磨く。
世の中も休日である今日は阿部ちゃんも休みの可能性は大いにある。楽しみだ
彼が高校生になってからは会う機会もめっきり減って、俺のことを覚えてくれているかも分からない。
でも、俺にとっては初恋の人にかわりない。
そして不覚にも、まだその気持ちは淡く残っている。あの人といるとなんだか落ち着くんだ。
目)…ッし、準備して行こ
普段の朝ごはんにしている菓子パンを頬張りながら外に出る準備をする。
学生時代、遅刻しそうな日にこうして時短してたっけな。
目)行ってきます
電車に揺られること30分。
懐かしの景色が目に映る。帰ってきたことを実感する
目)スウー…ハアー……
目)ただいま! 微笑
かつて世話になったこの景色に挨拶をする。
これは俺の中のルールでもある。
「ただいま」の一言で、帰ってきたと実感することができるし、少しの間は仕事を忘れられる。
目)実家に帰る時とおなじ道で行けばいいから…
目)ここを曲がって、信号を渡って左…
懐かしい景色は少し変わっていた。ありがたいことだけど、ここ数年多忙を極めていて実家に帰ることもなかった。
おじいちゃんと一緒に行ったラーメン屋が取り壊されていると分かった時は悲しかった。
思い出の場所は1つ、また1つと減ってしまっている。
仕方ないことだと分かっている。これも街の発展のためなんだから。
場所がなくなっただけで、俺の頭の中にはあるんだ。…風化しない限りは、、ね
目)!着いた✨
木造特有のほのかに香る木の香りで、駄菓子屋に来れたことを実感する。
子供時代、友達との待ち合わせ場所として使わせてもらっていたこと。
たまに おばあちゃんがおまけをくれたこと。
そしてなにより、阿部ちゃんと駄菓子を交換こしたあの日のこと。
あぁ…懐かしくてたまらない。
まるでここにタイムカプセルを埋めたかのようだ。
目)あの…
?)おーえらいべっぴんさんが来てくれはったなー!
目)ここの店主のおばあちゃんって…
?)あー…実は数年前に…亡くなってしもうてな…
目)ぇ…
薄々思ってはいた。
俺が子供時代の時、つまり20年以上前から一人でこの店を切り盛りしていたんだ。
何十年の疲れを癒すために眠っている可能性はあると。
目)そう…だったんですね、
?)もしかして、おばあちゃんが言ってたのは君のことやったんかな
目)?
?)いや、実はな 俺あのおばあちゃんの孫でな
?)向井康二いいます!
目)向井さん…
向)肩苦しいの嫌いやし康二とでも呼んでや!
向)あ、ついでも敬語もなしな
目)わ、分かった…
なんか すごいフラットな人と知り合いになった。
おばあちゃんの孫ということらしい。
目)それで、おばあちゃんが何か言ってたの?
向)せやねんせやねん!
向)「いつも遊びに来てくれて嬉しかった、話してるとこっちも笑顔になる」ってな
向)おばあちゃんはえらい気に入ってたんやな!
向)えー…と、
目)目黒蓮
向)そうそう!目黒蓮くんのことを!
向)…目黒蓮……めぐろ…れん、!?
向)え、あの目黒蓮なん!?
向)めめなん??
目)うん
向)はぇー…おばあちゃんに言ったらびっくるするやろうなぁ…
目)たしかにびっくりしそう 笑
向)よなよな!
目)……おばあちゃんいないのか…そっか、
向)おばあちゃんになにかあって来たん?
目)うーん…それもあるし、、
目)ここに来たかったのが1番の理由かな、頬
向)ほぇー…そんなにこの店大事に思ってくれとるんやな
向)今は俺が受け継いでるからいつでも来てな!
目)うん、ありがとう
たしかにこの駄菓子屋の名前 菓子向井だ。
そして康二の上の名前も向井…
うん、切り盛りしてるのも納得。
目)あの、ここに阿部っていう人って来たりしない?
向)阿部……あ!阿部ちゃんなら来とるよ?
目)ほんと!?✨
向)おぉぉ なんやえらい反応するやん
目)いつ来るかってわかる?
向)いつ来るか?うーん…
向)土曜日か日曜日に…たまに来てる、、はずやで、?
目)今日は土曜日…
目)会えるかもしれない、!(小声)
向)阿部ちゃんに用があるん?
目)用っていうか会えたら嬉しいなって感じ
向)ほーん…同級生かなにかなん?
目)ううん、同級生とかじゃないよ
目)ただ、俺の大切な人
そう言い、康二に阿部ちゃんとの関係性を説明した。出会いと、ここで培った思い出を。
全てはこの駄菓子屋のおかげということを。
向)すごい甘酸っぱいなぁ
目)そう?笑
向)俺もそんな経験してみたかったわ…w
向)この駄菓子屋を大事に思ってくれてありがとさん!
目)こっちこそありがとう
目)俺の学生時代を彩ってくれて
向)こりゃ帰ったらおばあちゃんに報告やな!
目)はは笑 おばあちゃんに知られるのはなんか恥ずかしいな、
向)おばあちゃんきっと喜ぶで!
目)うん、そうだね 微笑
やっぱり楽しい。ここの駄菓子屋にいると全部心から笑える。おばあちゃんのお孫さんっていうのもあるんだろうけど、康二との会話はすごく話しやすい。
関西人の包容力かなにかなのかな?
目)駄菓子買ってこかな
向)おぉ!買ってって買ってって!
目)うわ!これ懐かしー…
最初に目に入ったのはコーンポタージュ味のスナック菓子。
遊びに行った時必ず買ってておばあちゃんに笑われたっけな。
目)あ!これ!
次に目に入ったのは指輪の形をした飴。
阿部ちゃんと交換した時に俺が選んだやつだ!
阿部ちゃんがよく買ってたから選んだんだっけ。
いや…なにか別の意味で買った気もする…
向)えらい楽しみながら選ぶな?
目)うん、懐かしいのが多くて
向)そら嬉しいわ 昔を受け継いだかいがあったで!
目)康二が駄菓子選んでるの?
向)おん せやで!子供たちのリクエストに応じて選んどるんよ
向)でも、おばあちゃんに残してって言われたのは全部残しとるで
目)はぇー…
たしかに、駄菓子というか今風のお菓子もある。
リクエストに柔軟に応じるのも康二の人間性のよさが表れ。
おばあちゃんのいうことも守っているところから、きっと康二は懐っこい性格なんだろう。
なんか、犬みたい…笑
目)じゃあ、これで会計しようかな
向)あいよー!
向)お買上げありがとな!
目)ここで食べていい?
向)ええよ!
目)ありがとう
さっき買ったコーンポタージュ味のスナック菓子の袋を開ける。
開けた時にするこの匂いが大好きなんだ。
…なんかすごい視線を感じる
向)ジー…
目)…食べる?
向)ええの!?✨
目)2人で食べた方が美味しいじゃん?
向)めめは優しいな…嘘泣
目)めちゃくちゃ嘘泣きじゃん 笑
向)あ、バレた?(テヘッ)
目)バレバレだよ 笑
目)とりあえず…いただきます
向)いただきまーす!
目)サクッ……ぅまあ、、
噛んだ瞬間になるサクッて音と、コーンポタージュの味がしっかりするこの駄菓子が美味しくてたまらない。
阿部ちゃんと買った駄菓子を隣同士で食べてたあの頃が懐かしい。
向)めめ…これえらい美味いなぁ
目)でしょ?俺の好きな駄菓子の1つ
向)ええセンスしとるなぁ
そんなこんなで康二との雑談に花を咲かせていた。
帰ってくるってこんなにいいことなんだな
新しい出会いもあったし、いい休日になった。
でも、1つ心残りは…
?)こーじー?
向)んぉ?あぁ“阿部ちゃん”か!
阿)久しぶり〜
目)…へっ?
心残り…なくなったじゃん
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