テラーノベル
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遊園地なんて、3人で来る場所じゃないと思っていた。
でも実際来てみれば、
想像以上にうるさくて、楽しかった。
「待って無理!!高っ!!」
絶叫マシンを見上げながら、涼ちゃんが本気で後ずさる。
若井が大笑いする。
「え、今さら!?」
「だって思ったより高い!」
「涼ちゃん絶対叫ぶじゃん」
元貴まで笑いながらスマホを向ける。
「やめてほんとにっ」
必死な涼ちゃんに、2人は余計笑ってしまう。
結局。
乗った。
そして案の定——
「わぁぁぁぁっっ!!」
誰よりも叫んでいた。
降りたあと、涼ちゃんはベンチでぐったりしている。
「……死ぬかと思った」
「ははは!!顔やばかったって!」
若井が腹抱えて笑う。
元貴も動画を見返しながら笑ってる。
「絶対あとで送る」
「やめてよ……」
そう言いながら、
涼ちゃんも少し笑っていた。
その笑顔が、本当に楽しそうで。
2人はそれだけで嬉しかった。
⸻
夜の観覧車。
ゆっくり上がっていく景色に、若井が窓の外を見ながら声を上げる。
「うわ、やば。めっちゃ綺麗」
元貴も反対側を覗き込む。
「東京こんな光ってんだな」
「写真撮ろ」
「いやガラス反射するって」
2人がわちゃわちゃしている横で、
涼ちゃんは静かにその様子を見ていた。
窓の外じゃなくて、
楽しそうに笑う2人を。
その光景が、
なんだか愛おしくて。
「……」
その視線に気づいた元貴が振り向く。
「なに、涼ちゃん」
「ん?」
「さっきからずっと見てくる!」
若井はその横顔を見ていた。
最近、
こういう顔をすることが増えた気がする。
どこか“今”を大事に見ているみたいな顔。
涼ちゃんは笑って、
「なんでもない」
って言った。
でもその声は、少しだけ寂しそうだった。
⸻
後日。
3人は温泉にも行った。
旅館の畳の部屋。
浴衣姿の元貴がゴロゴロしていて、若井は窓を開けて夜風を入れている。
涼ちゃんはその光景を見ながら、
「……なんか、おじいちゃんみたい」
「誰が」
「2人とも」
「失礼だな」
笑い声が部屋に広がる。
そのあと、
夜中まで3人でくだらない話をした。
音楽の話。
昔の失敗談。
好きなご飯。
本当にどうでもいいことばっかり。
でも涼ちゃんは、その全部を覚えておきたくて仕方なかった。
布団に入ったあとも、
2人の笑い声を聞きながら静かに目を閉じる。
「……幸せ」
小さく呟く。
誰にも聞こえないくらいの声で。
でもその瞬間だけは、
病気のことも、
余命のことも忘れられるくらい、
ちゃんと幸せだった。
皆さん早いですね。手が追いつけないですよ。
次回2000
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