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だからわたしは、たくさん息を吸い込んで、思い切り天を見上げて、
「おてんとさまあー!」
と、叫んだ。
汚れの目立つ幌のせいで、お日さまは見えなかったけれど、きっと大丈夫。
受け入れてくれるはずだもの。
お母さまはぴくりとして、最初は目を白黒させながら周りの人に謝っていたけど、わたしは大人たちに、
「ちがうの、ガマンできなくなったらみんなもお天道様に聞いてもらおうよ。お父さまも言っていたもの」
すると、トラックがゆっくりと止まって、運転席から班長さんが慌てた様子で荷台のカバーを捲り上げながら言った。
「どうしたんだい!なにごとかね?」
この時はじめて、外の世界を見れた。
大草原と長く延びる砂利道、そして真っ青な空とお日さま。
うん。問題ない。