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【アズール視点】
僕と同じ部屋になった同級生のカオル・ミヤビさんの最初の印象は、背が高く、とても地味で顔も髪でほとんど覆われているし口元でしか表情が分かりませんが他人との距離をとるのが上手な方だなとしか思っていました。
同じクラスでしたので一緒に実験などやりましが本当にどれも平凡で特にいい所もないのが少し違和感がありましたが、それよりもジャミル・バイパーさんが気になっていたのでそれほど気にしてませんでした。
特に何事もなく3ヶ月経ったある日、僕はミヤビさんの印象が180度変わるとは思ってもいませんでした。
その日は期末テストも近く、双子のウツボ達とモストロラウンジ計画の話を含めてウツボ達の部屋で1日過ごすつもりでした。
ウツボ達と話し合いをしながらテスト勉強をしていると、勉強に飽きたフロイドが面白い話をし始めた。
「飽きたァ」
「おやおや」
「はぁ」
「そーいえばさぁ、オクタヴィネル寮生に絡んで逆に返り討ちにあってるサバナクロー寮生達がいるらしいって噂になってたぁ」
「おや、私達の寮にそんな人がいるんですか?」
「そうっぽいよー」
「ですが、その方をこれから作るモストロラウンジに引き入れれば効率よくなると思いませんか」
「「だねぇ(ですね)」」
「暇があったらその方の情報収集などお願いしますね」
「わかりました」
「あいよー」
「では、続きをしますよ」
カバンを漁ると自分の持ってきた資料が無く、自室に置いてきてしまった。
取りに行くのがめんどくさいが今日中に終わらせたいので取りに行くしかない。
はぁ、と溜息を履いた後、双子に伝える。
「資料を部屋に置いてきてしまったみたいなので取りに行ってきますね」
「いってらー」
自分の部屋に戻りながら先程話題になっていた人物のことを考えていた。
サバナクロー寮生は基本イグニハイド寮やオクタヴィネル寮の弱そうな生徒からカツアゲをするのは予め知っていましたけど物理的な力が強いサバナクロー寮生を返り討ちにするなんてどういう魔法を使っているのか気になりますね。
すると、いつの間に自分の部屋の前に到着していた。
多分ミヤビさんが居るだろうから早めに出ていこう。
ガチャり扉を開けると、そこには見たことも無いほど普通じゃない人が部屋にいた。
「えっ、誰ですか!?」
「えっ?アズールくん!!」
「その声はミ、ミヤビさん!?えっ?その背中は?」
「えーと」
うっ嘘でしょう!?あの地味で平凡な彼が身体中に傷痕まみれで銃痕まであるし、昔の東洋の本で見た事ある入れ墨まで入ってる。
それに、容姿なんてあの双子と劣らない位良いじゃないですか!!これは是非モストロラウンジに欲しい人材だ!!(ここまで5秒)
「えーと、アズールくん」
「へっ、はい」ビクッ
急に低い声で声を掛けられたから、つい思考が読まれたと凄い焦った。
「これは僕の趣味で入れてるものだから気にしないでもらえると嬉しいんだけど」
少し焦り気味に言い訳みたいなことを言ってますが、確実にミヤビさんはフロイドが言ってたヤバい奴ですよねぇ。探さなくて済みましたがフラグって怖いですね。てか普通は気になるでしょ!!
まぁ、言ったら殴られそうで怖いので了承しますが。
「わ、わかりました」
出した声が若干震えてましたがミヤビさんは気づいてないようだった。
「ありがとう!約束だよ、アズールくん」
「ひっ」
ミヤビさんはニコリと普通に笑ってますが目が確実に笑ってないし声もずっしりと鉛のように重い。まるで直に頭に拳銃を突き付けられていると錯覚する。
もし、約束を破ったら殺されるとじわじわと実感して腰を抜かしてしまい半泣きしながら部屋から出ていった。
「あんな人が同室なんて嫌だァ!!」
周りに噂をされるのも気にせずに泣きながら廊下を全速力で走って叫んだ。
忘れ物を取りに来たのに結局は手ぶらで双子の所に戻って2人に抱き着きながら泣いたのは、また別の話。
続く