依存という名の狂気―.
「っ、俺、涼ちゃんのこと、好き…っ、」
ある日の夜。顔を赤らめながら元貴が俺の袖を掴みながら言った。沈黙が流れた。
……え?
…今、なんて言った……??
「え、も、元貴…?好きって、…何、…?」
戸惑いの表情を見せながら元貴を見つめた。
…元貴の目には涙が潤んでいた。
…何で泣いて、…
「元貴、?泣かないでよ、……」
「涼ちゃんが、好きなの、……」
好き。俺の心が痛んだ。少し萌え袖の腕で俺の袖を掴んで離さない。
この人は本当に、好きなんだ。
俺のことが。
「…うん、…わかったよ、」
俺はうなづいて、元貴に笑顔を向けた。
「付き合おっか」
振っちゃったら、元貴の思いを踏み躙る。
そんなの、俺は嫌だから。
元貴の手を握って涙を拭う。
「ほら、泣かないの」
「ぅう、…涼ちゃん、…”大好き……」
「うん、俺もだよ」
俺らは交際し始めた。
涙を大量に流す元貴に俺は思わずハンカチを差し出す。嬉しいんだな。
……これから楽しみだ。
何か、おかしかった。
そう気づいたのは交際してから結構経った時だった。
ある日のこと。
俺らは若井を呼び出した。交際したんだって遅めだけど伝えないといけなかった。
あたりを見渡す若井に俺は口を開く。
「…若井、俺ら付き合ってるんだ」
若井の眉が少し動いたが、すぐに戻って笑っていた。
「そうなんだね、2人ともお幸せにね」
そのまま若井は姿を消した。
…受け入れてくれたみたいでよかった。
思わずほっとして元貴の手を握る。
「っ、急に手握んな、…」
「うわ、ご、ごめん、!!」
あの時俺は気づかなかったんだ。
若井の顔は本当は笑っていなかったんだって。
そんなの俺は気づいていない。
だから、おかしいなんて、気づかない。
元貴の性格も、変わっていった。
最初は思春期の男の子かと思わせるほどに手を繋ぐだけで顔を真っ赤にしたりしていた。
そんな元貴が愛おしかった。
なのに、
変わってしまった。
ある夜、俺らは泊まり込みだった。
ベッドが一つしかなく、身を寄せ合って毛布を分け合って寝ようとした。
ただ、カップルとはそんなもんだ。
誰しもが性欲を持っている。
だから、俺は気づいたら元貴に押し倒されていた。
「…っ、元貴、…?」
「……シよ、…??」
口にゴムを咥えた元貴を俺はただ呆然と眺めていた。 今から、俺童貞捨てるんだ。
そこからは、記憶が飛んでいてよく覚えていない。
ただ、痛くて。
息が苦しかった。
「も、と、”っ、き、やめ、”っ、…」
「涼ちゃん大好き””っ、♡♡愛してる”っ、♡もう俺のものなんだね…っ♡♡」
痛い。
元貴の好きなように俺はやらされていて。
苦しくて。
あの時の元貴はどこに行ったのかと錯覚を覚えたまであるんだ。
その日からだ。
元貴が俺に、
異常なほどまでに依存するようになったのは。
あなたは依存されたいと思いますか??
愛されてると確信できますよね?
そんなの束縛だとか言って見捨てますか?
他の男に抱かれるんですか??
束縛した側だって貴方への愛が重すぎるだけなんだよ。ちゃんと愛してる。
なのに、その好意を、
踏み躙るんですか?????
そんなの、おかしくないですか?
愛してるだけなのに拒絶されるなんて。
「涼ちゃんが、悪いんだよ……っ??」
「ねぇ、元貴、やめて、””っ!!!」
これは人間の欲望にまみれたお話。
さぁ、貴方はこの愛を受け入れられますか?
next→500🙏
コメント
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愛重いの好こ