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2XXX年、少子高齢化が悪化し、
日本の人工は一万を切った。
そこで政府は 超改革を実施した、通称『運命の人制度』
国が話し合って決めた相手と相手を
結婚させ、子供を五人以上生ませることを 強制する制度だ。
最初の頃は色々な団体が反対していたが、 日本の減り続ける人口に決断を迫られ、
ついにその制度に賛成を示した。
子供の産めない人には子供を五人以上産んだ家庭から養子にして家族にした。
日本中全ての家族が最低五人育てるように、まるで凸凹だった砂漠を慣らすように国の 子供事情は平均になった。
私の家庭は7人家族だ。
いや最初はもっといたと思う。
私の知っていた姉や兄はほかの家庭の養子になり、赤の他人になった。
私もあと数年で養子になる。
私の趣味は本を読むことだ。
遠い昔”恋”と いう感情で一喜一憂していたらしい。
そんな今はあり得ない世界を本を通して知ることが私が本を読む理由だ。
本を読むことは表だって出来ない。
あり得ない世界を見続けると異常者になってしまうから。
でも禁止されていても読む方法はある。
インターネットの深いダークウェブという闇で閲覧することができる。普通に犯罪だ。
でもつまらない世界を生きるのに娯楽は必要であろう。
「莉緒菜ー起きなさーい」遠くから母の声がする。現実の始まるの音だ。
「はーい」まだ寝ぼけた声で返事をする。
昨日、本を読みすぎたか。
最近は『シンデレラ』という話にハマっている。外国の身分差の恋で、美しいシンデレラという女性が王子に見初められて王族になる、いわゆる成り上がりストーリーである。現実にも語り合える人がいればいいのにな。本のレビューサイトを通じて沢山の 語り仲間と出合ったが、現実にも語り仲間が欲しい。
まぁ犯罪行為だから、現実にはいないよね。「莉緒菜、起きてる?ご飯できてるのよ」少し不機嫌気味の母の声が聞こえてきた。「今行くー」
イライラしながらも私は食卓に向かった。
「おはよー莉緒ねぇちゃん」「おはよ」元気に話しかけてきたのは次男の十郎だった。
母と父が子供に番号をつけるために名前に数字を入れているのだ。ほんと、安直な名前。私と三女まではまだ工夫した名前であったが もうめんどくさかなったのだろう。
「そういえばお母さん、妊娠したから」突如母からそんな声が聞こえた。
「だから翔壱、そろそろ準備しときなさいよ」「はい…」翔一お兄ちゃんは私のひとつ上のお兄ちゃんである。
だからもし生まれてくる子供が双子や三つ子であったら私も養子行かなければならない。「お母さん。今妊娠何ヵ月なの?」怖かったし、あとどれぐらいでお兄ちゃんと別れるか知りたくてそんな質問をした「妊娠ね、十ヶ月なの」母ら嬉しそうな顔をして言った。
お兄ちゃんは顔を暗くしていた。「双子とかそういう可能性はあるの?」怖かった。
もしかしたら知らないところに行くかもしれなかったから。「今のところは分からないわ、明後日詳しい検査をしてくるの。だから楽しみに待っててね」 楽しみ…?ふざけるなよ。母にとっては子供なぞ沢山産める存在なのだ。
「ご馳走、俺今日部活の朝練だから」確か今日は部活ない日の気がする。
「お母さん、私もご馳走。」この場に居たくなくて私も食卓を離れることにした。
「あらそう?」あっさりした返事だった。
あと少ししたら別れる家族にそんな返事をした母に苛立った。
「お兄ちゃん!!」学校へ行こうとする兄を急いで呼び止めた。
「私も一緒に行っていい?」「わかった。俺も話したいことがあるから」
二人とも考えてくるのことは同じなのだ。
夏の暑さが過ぎ、冷たい風が吹いてきた。「お兄ちゃん、そろそろ別れなんだね」
「あぁそうだな」「私にはお兄ちゃんぐらいしか上の記憶がないの。だからとても悲しい」「そうか。莉緒菜、お前は今幸せか?」