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ベッドに押し倒された状態のまま、少しの間見詰め合う。
数秒前まで『やだー!』なんて子供みたいに言っていたくせに、黙っているとただのイケメンに変貌する琉成はズルイと思う。こそばゆい気持ちになり、さっきの巫山戯た空気の方がマシだったなと改めて感じた。
(……す、『好き』ってマジなのか?『喰べたい』って、やっぱ性的にだよな。——ってぇぇ俺絶対にケツを狙われてるよな、コレって!)
目の前の現実から全力で目を逸らしたいのに、しっかり視線が合ったままなのでどっちからも外せない。色素の薄い瞳は綺麗でいつまでだって見ていたくなるし、体のサイズは大型犬なのに口元は子犬みたいで可愛い。ふわっとした髪はいつ見ても柔らかそうで触れてみたくなるし、口を開けばアホな事しか言わないユルさも楽しくってしょうがない。
俺だって琉成の事が好きっちゃー好きだが、だからって抱かれてもいいとは、なら…… ならな…… んー…… なってるよ、な。
しかも、毎日毎日毎日毎日!
自主的では無いにしろ、琉成の前にイチモツ晒して、しつこく舐めまわされ、楽しそうにしごかれ、精液を飲まれていて、それでも『別に琉成の事は好きじゃねぇし』なんて言ったら、俺はただの淫乱男って事になるじゃねぇか!
クワッと瞳を開き、琉成の両肩を掴む。このまま淫乱男の称号を自分に貼るのだけは避けたい。ならもうする事は俺の中で一つとなった。
……この結論が果たして最善かは、また別の話だが——
「(多分っ)好きだ!付き合うぞ!」
「俺も好きぃぃぃっ」と言うが早いか、琉成が俺の唇に噛み付くみたいに飛びついてきた。互いの唇が重なり、強引に口内へ舌が入り込んでくる。久方ぶりの口付けなせいか、体から一気に力が抜けた。長い舌が俺の舌に絡み、求め合うみたいに動いていく。たまに舌を甘噛みされ、そのせいで滲み出る唾液は美味しそうに全て飲み干そうとされた。もっともっとと動く舌が歯茎や上顎を舐めつつ、下では互いの陰茎を擦りつけてくる。
「好き、好き…… ねぇ、今日は全部喰べてもいいよね?ね?」
否定の類なんか一切聞く気が無いだろうくせに、そう言って腰に巻いていたタオルを脱がせていく。上半身を起こし、琉成も自分の腰のタオルを取ると、俺の体を見下ろしながらペロッと自分の唇を舐めた。
「……エロッ」
興奮する瞳は捕食者のモノで、ご馳走を前にして我慢出来そうにないといった顔だ。
「そ?ありがと。でも圭吾の方がすっごくエロいよ。白い肌は真っ赤だし、乳首なんか触って欲しそうに立っちゃって、チンコだってヨダレ零しながら早く弄ってってヒクヒクいってるもん」
「うっせぇ!」
「事実でしょ?あーもう、何処から喰べるか迷っちゃうなぁ。首筋の汗も最高に美味しいんだけど胸の平らなラインも素敵だし、この薄い腹も……あぁぁぁっ」
脚の上に跨ったまま、琉成がもじもじと腰を動かす。迷い過ぎて決められず、でも琉成は早く気持ち良くなりたいみたいのか、自分で自分の陰茎を掴んで擦り始めた。
ギョッとしながらも、目の前で自慰を始めた琉成から目が逸らせない。他人のこんな行為なんか興味の欠片も無いってのに、相手が琉成だってだけでコレなんだから不思議なもんだ。
「あ、は、ん、やば……圭吾に見られてるって思うだけで……はぁはぁ…… イキそ」
腰が浮き、手の動きが早くなっていく。瞳は恍惚としていて、だらしなく開いた口の端からはヨダレが流れ落ち、頰は高揚から真っ赤になっている。絶頂を求める顔を見ているだけで、こっちまでどうにかなってしまいそうだ。
「そのまま、目を逸さないでね?」
口元に笑みを浮かべ、荒い息遣いのまま琉成が手を動かす。耐えきれず、俺が奴の陰茎の切っ先部分をそっと撫でると、「え?ウソ!あ、ダメ——あぁぁっ」と焦った声をあげ、琉成のモノが弾けて大量の精液が噴き出してきた。痙攣し、ドクンドクンッと飛び出してくる液体のせいで、俺の顔や胸が白濁まみれになっていく。独特のいやらしい匂いが鼻腔に響き、なんとも言えない気分になってきた。
「あはは、顔射しちゃった♡」
テヘッと笑いながら言われても、流石に可愛くない。
目に入らなくて良かったなと思いながら上半身の起こし、近くにあったボックスティッシュに手を伸ばす。無言のまま体の精液を拭き取って、一人勝手にこれで解放されるんだなといった気分でいると、琉成の方が俺の脚から降りないまま俺の陰茎にコンドームを被せ始めた。
「……何してんだ?」
「何って、続きだけど」
「今ので終わりだろ?」
「んなワケないじゃん。何も貰ってないのに」
「顔射したじゃん」
「あぁ、初顔射ご馳走様でした」と言い、ご丁寧に頭を下げられる。 ついノリで「いえいえ」なんてこちらも頭を下げながら返したが、「——って、巫山戯んなこの野郎!」と言いながら琉成の胸を軽く叩いた。
「じゃあ、そういうワケなんで」
そう琉成が言ったと思ったら、奴は楽しそうにニヤッと笑い、浮かしていた腰を一気に下へと落とした。ソレと同時に陰茎を今まで一度も感じた事のない刺激が包み込み、目の前で花火が散った。起こしていた上半身を支えきれず、体が後ろへぱすんっと倒れる。
「え、あ……んんっ?」
訳が分からず頭の中が混乱する。
「キッツ……。で、でも……何とか……な、なったな……あはは」
俺の腹の上に両手を置き、琉成が全身を震わせている。体からは汗が滝のように流れ出ていて、呼吸をするのも辛そうだ。
「……な、何してんだ?お前……」
困惑した顔を向けると、ちょっと困り顔をしながら、琉成が「圭吾の童貞、貰っちゃったね」と弱々しい声で言った。
「……は?」
驚いて、どうツッコミを入れるべきか思い浮かばない。
(どうてい……ドウテイ……あぁ!『童貞』な!)
「——はぁぁぁ⁉︎」
やっと状況を理解し、慌てて頭を起こす。己の下腹部を見るとバッチリお互いが結合された状態が目の前にあり、絶句し、また頭が後ろに倒れた。
「……うん。動ける気がする」
そうこぼし、琉成が少しだけ腰を持ち上げ、そしてまた落としてきた。狭隘な蕾の中へズッポリと自分のモノが挿れられていく感覚が気持ち良過ぎて全身がビクビクと跳ねてしまう。快楽のみが全てを包み、もう何もかもを差し出してでも続けて欲しいだなんて考えてしまった。
「ねぇ圭吾……気持ちいい?」
(騎乗位ってやつだっけか、コレ)
享楽で上手く頭の中が働かないが、何とか俺は「あぁ」と返事をした。すると琉成はクスッと微笑み、俺の頬を軽く撫で、緩やかにまた腰を動かし始める。
「んあ、く、ふっ……んんっ、やぁぁ」
俺が攻めのはずなのに襲われているみたいな声しか出ない。マグロ状態で何もしてやれず、ただ体を蹂躙されていく。
「俺も……気持ちいいや……ふふっ」
余裕気味な声に聞こえたが、顔は蕩けていて本心だとわかる。でも無理だ、こちらは保ちそうに無い。それそこ挿入った瞬間いかなかった事を褒めて欲しいくらいだ。
「きも……ち……も、む、……イクッ!」
琉成の腰を掴み、奥へ奥へ挿れるみたいに腰を浮かせた。
「深っ!や、ソコ擦っちゃだぁ——んんっ!」
琉成が背中を仰け反らせ、再度勃起していた陰茎を弾けさせた。ほぼ同時に俺のモノも奴の中で弾け、「んんんー!」と声を殺しながら吐精する。 下から上に腰を打ちつけ、欲望の全てを琉成の中に注ぎ込んだ。
——くぽんっと音を鳴らしながら、琉成の中から俺のモノが抜けていく。達成感で満ち満ちた顔をし、肩で息をしながら琉成は、俺とベッドの隙間にバタンッと倒れたのだった。