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#溺愛
訓練を終えたばかりのギルバートが汗を拭っていると、背後にどす黒い絶望のオーラを纏ったカイル殿下が立っていた。
「……ギルバート。貴様に問う」
「うわっ、びっくりした……。なんすか殿下、改まって」
「……俺は、におうか?」
「は? そりゃ演習後っすから、汗臭いっすよ」
「そうではない……!『ある人』に、俺が……その……『おっさん』と同じだと言われてしまったのだ」
「…………は?」
「その『ある人』によれば、『風呂で洗い流したい程度のもの』らしい。……ギルバート、正直に言え。俺はそんなににおうのか!?」
カイルは、必死にギルバートに詰め寄り、襟元を開いて匂いを嗅がせようとする
「ちょっ、近い! 近いっすよ殿下!! ……別に普通っすよ。」
(その『ある人』って、ソフィア様しかいねえだろ。殿下にそんな無礼なこと言えるの、世界中であの人だけっすよ。……っていうか殿下……どんだけソフィア様のことが好きなんすか)
ギルバートは死んだ魚のような目で、恋に狂った主君を見捨てて部屋を出ていく。
「待て、ギルバート! 相談はまだ終わっていない! 薔薇の香油なら解決すると思うか!?」
(はあ。魔物討伐で勇猛果敢、冷徹なカイル殿下が、女の一言をそこまで気にするなんて。 呆れて物も言えねえ)