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「ここ…」
連れてきたのは海だった
あそこの水族館は海と近く少し歩けば
着くくらいの場所だった。
「綺麗だね」
夕日が沈む時間で確かに綺麗だった
「今まで、こういう所来たこと無かったから、今日は本当にありがとう」
天使のような笑顔でこちらを見てくる
「もし良ければまた連れてくるよ」
そんな笑顔を向けられたからかとっさにそんな言葉が出ていた。
その後にさすがに無神経過ぎたかと
心配になり連を見ると…泣いていた
「えっ!?ご…ごめん」
それを聞いて連はすぐに首を振った
「ちが…違うの嬉しくて
今まで、皆から腫れ物を触られているような感じでそれがいやだったの、でも、
葵君はこんな俺でも友達みたいに接してくれて、初めはただ無理してるのかなって思ってて、でも、さっきの言葉聞いて嬉しくて」
初めてだった連がこんなにたくさん話して、そして人前で泣くのは
前まではなんとなく1人で泣いていたのは分かっていた、でも、決して人前で弱音をみせなかったから
それな連を見てもちろん俺は慌てる
本当にダサいな
そんな俺でも出来ることは
「大丈夫だから、俺は連を1人にしないからずっとそばに居るよ」
なんだろうこの恋人が言いそうな事は…
なんて言った後に思った。
それは連もそうだったのか
「なにそれw」
笑っていた
目にはまだ涙があるけど、それでも
笑っていた
「葵君、今日は本当にありがとう
楽しかった。
また、さそってね」
「うん」
「はぁ~、疲れた」
あの後結局なにもなかった
連を病院まで送って帰ってきた
そんな、後悔と楽しさで心が忙しいときにスマホがなった
見ると茜からだった
「はい」
「よぉ、葵く~ん」
茶化すような口調で言ってくる
「なに?」
「い~や、今日どうだったかなって」
「別に」
「え、なにもなかったの…?」
「そうだよ」
「あちゃ~、それはどんまい、明日なんか奢ってやるから」
「頼んでねぇ」
「いやいや、親友の為に言ってやってんだ感謝して受けとれ」
「なら、ステーキ弁当買って」
「えっ…あの1800円の?、さすがに高くない?」
「なんでも良いんだろ」
さすがに冗談だ冗談のつもりで言ってみたのだが
「仕方ないな~この心優しき茜様に感謝しろよな」
「えっ…マジで良いの?」
「おう」
あいつああいうところは優しいんだよな
なんて思ってたら
「葵~飯~」
下から兄の声がした
「悪い、飯だから」
「ハ~イ、じゃまた明日」
そう言って電話を切った
そしてのろのろと下に行く