無形のモノ

そいつは、いつから居たのかも分からない

ただ一つ言えることは、あいつは強力であり、留まることを知らないし、止まることは出来ない。

あいつは、常に心の中に潜み、己を蝕み、苦痛を与え、死を与える。

あいつは、無形であり特定の姿形はない。

しかし、そこに無形は存在している。

やつに対処する方法は一つ、心を強く持つこと

あなたは勝てた？

僕は、負けた

毎日を過ごすのが辛く、苦しく、いつも脳裏に”自殺”が浮かび上がる。

それは、いつしか己となり、周りと接触する時には、1つの皮を被る

どんな時だってそう。

真面目にする時には、そのための皮を着け、楽しい時にはそのための皮を着け、何かを作る時にはそのための皮を着けるそうして、生きている。

無理に過去に消えた自分自身を見失い、新たな自分を作りあげてどんなに辛くても苦しくても泣きたくなるようなことが続いても、涙を流すことも愚痴を零すことも出来ないただただ自らを苦しめる。

そんな生き方しか知らないから、誰かに頼ることが苦手だから、誰かに愚痴を零すことが苦手だから周りに信頼を置けず、常に信じれるのは自分自身だけだった。

だから、人に対して関わり、話をし、相談をすることが出来ない。

【裏切り】という言葉の呪縛がある限り。

やつは、止まることを知らない、止まることが出来ない。

そして、己を見失い、また新たな絶望を目にする。

再び、歩みを進める

唯一救われると信じる【自殺】へと。