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屋 鳥 之 愛

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屋 鳥 之 愛

1 - 🐦‍⬛ 私 が ナ く な っ た 日

♥

5,021

2024年12月09日

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嗚 呼 、 又 か 。



桜 の 花 弁 と 共 に 流 れ て き た の は

そ れ は そ れ は  美 し い 人ウツクシイキミ





「  いい加減にしてもらえませんか、  」

「  ねぇ、お嬢様?  」


「  ふふ、よく言うわ  」

「  自殺愛好者ジサツマニアの癖に  」


「  僕は良いんですよ  」

「  唯の首領ボス専門医の付き添いですから  」


「  でも貴方がタヒんだら  」

「  森医師センセイは困るンじゃない?   」


「  、何故ですか?  」


「  だって貴方は  」




「   “__________”   」





嗚 呼 、 そ う で す ね

貴 方 は そ う 仰 る だ ろ う と

存 じ て お り ま し た


寶 、 僕 は __





「  ホント、  」

「  貴方なんか  」


「  嫌い、でしょ?  」( 笑




彼 女 は 嬉 し そ う に 微 笑 ん だ


濡 れ た 黒 い カーテン

彩 や か な 薄 桃 色 が 付 い て い る


僕 は 唯 、 其 れ が ど う し よ う も な く

不 快 で 堪 ら な か っ た































太宰 治

異能力  人間失格


十四歳

森医師の付き添い 兼 護衛役

自殺愛好者ジサツマニア


「  僕は君が大嫌いだ  」




倉田 茉里

異能力  幸福


十四歳

首領の孫娘

自殺嗜癖ジサツマニア


「  何時になったら私を殺してくれるの?  」




『  屋鳥之愛  』

start



































第一章

存 在 価 値


第一話

私 が ナ く な っ た 日






















遡る事、数時間前_





ある町の闇医者は

一人の少女の手当をしていた




「  こんにちは森医師センセ  」


「  こんにちはお嬢様  」

「  本日キョウの御気分は如何ですか?  」


「  とても良いわ  」

「  絶好の自殺日和なんですもの  」

「  桜も満開よ  」


「  左様でしたか  」

「  ですが、自殺は辞めてもらいたいですねぇ  」


「  、はーい  」





闇医者は困っていた

ある少女は何時も何時も「 タヒにたい 」と口にする

自分の拾った『 あの子 』と同じように





「  森医師センセ  」


「  はい  」


「  貴方は お祖父様をどう思う ?  」





少女はその冷たいまなこ

闇医者を見つめた





「  首領ボスの座に相応しい方だと思いますよ  」


「  、そう  」

「  そうね  」


貴方は其れしか言えないものね


「  私、お祖父様のこと嫌いなの  」





今日の日付を応えるように

淡々と口を動かした





「  でも、それなりに愛しているわ 」

「  変だと思う?  」





眉を下げ、首を傾げる少女に

唯の町医者 は応えた





「  そんなことはないと思いますよ  」





手首の包帯を巻き終わった時

そう言って町医者は困ったように笑った

すると少女はこう云った





「  少しからかいすぎたわね  」

「  許してね、医師センセ   」





この子は何処までいっても不思議な子だと

町医者は思った





「  じゃあ、そろそろ行くわね  」


「  お散歩ですか?  」


「  えぇ桜が見たいわ  」





少女はドアの前でくるりと振り返った





「  あと、久しぶりに入水してくる  」


「  お嬢様????  」





そう云い桜の花弁のようにふわりと消え去った少女

「  入水をしてくる  」など

全く困ったお嬢様である


町医者は通話機を取り出すと、ある子に電話を掛けた





『  、なに  』


「  嗚呼、よかった   」

「  繋がらなかったらどうしようかと思ったよ  」

『  、切っていい?  』


「  待って待って  」


『  じゃあ早くして、要件は?  』





無気力で無感心な聲に

少々溜息が出そうになる

若しかしたら自分は子供の相手には向いていないのかもしれない





「  今さっき、お嬢様が散歩に行か 『  はぁ?  』うん、ごめんね  」





‘ 又なの ’ なんて呆れた口調で電話の向こうのあの子は云う





「  云って置くけど君も人のこと云えないからね?  」


『  お嬢様よりはまし  』


「  とにかく、宜しくね  」





“ 面倒くさ “

なんて言葉を後に

通話は切られた





「  全く困った子達だねぇ  」





そう立ち上がり硝子棚から新しい包帯を取り出し救急箱に入れた

入水ということは包帯は巻き直さなければならないだろう







この後

死んだ魚のような目をした少年と

生き生きと笑っている少女が

ずぶ濡れでポートマフィアの医務室を訪れることになるのは

今から凡そ二時間後の事である



闇医者は無意識に胃を抑えた






































「  広津さんいる?  」


「  はい、お嬢様  」


「  お祖父様の御見舞いに行きたいのだけれど  」


「  左様ですか  」

「  ですが、今は控えた方が宜しいかと  」


「  …又、なの?  」


「  申し訳御座いません  」


「  いいえ、広津さんが悪い訳じゃないもの  」





そう云い、一人で使うには大きすぎるテーブルの前の椅子に座った





「  さっき散歩に行った時に桜餅を買ってきたの  」

「  よかったら一緒に如何どう?  」


「  では、有難く頂戴します  」

「  お茶を入れましょう  」

「  玉露で宜しいですか  」


「  えぇ、お願い  」


「  畏まりました  」





彼は本当に良く働いてくれている

少女が 此処へ来た日から約10年

ずっと少女の “お世話係” として

或いは、姫様を守る騎士ナイトとして

このふるく腐ってしまったポートマフィア

一生を賭けて尽くしている





「  ねぇ、広津さん  」


「  はい、お嬢様  」

「  どうかしましたか  」


「  何時もありがとう  」





その言葉に彼は目を見開いて

子を見守る父親の様に優しく笑った





「  此方こそ  」





“ 彼の言葉に偽り はないと

私は信じてもいいのかな “
























































嗚 呼


ど う か 、 ど う か


ど う か … 、






























少女は静かにドアを開けた






























「  あぁ、見られてしまったかい  」

「  御機嫌よう、お嬢様  」



「  もり、 せ んせ、ッ  」


































嗚 呼


ど う し て



































「  だ 、ざい  」

















包帯で隠れた右目が

何時もより冷たい色をしている様な気がした






























「  、酷いなぁ  」








































嗚 呼 、 神 様


ど う か















































だ っ て 貴 方 は

”     何 時 か 私 を 弒 す で し ょ う ?     “
















𝐍𝐞𝐱𝐭


第二話

闇 が 咲 い た 夜




♡5000

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コメント

12

ユーザー

はぁぁぁぁ好きすぎる!みるの遅くなったのは本当に謝罪案件だよね💦 今度ぬぬも書くからハードル上がりすぎてえぐいです 本当に口調とかルビの振り方好きすぎる らぶらぶらぶ ♡5000はもう制限来たので明日塾の合間にちょこちょこ押します

ユーザー

太宰さんは飽くまでも自.殺 "愛好者" それに対してお嬢様は "嗜癖"なんです 愛好 と 癖 この違いがわかった方は私の意図がよく見えてる😸

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