テラーノベル
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「一緒に弾かない?」
その言葉に、彼は戸惑った。
相手はかつての仲間だった。
あの頃と同じように笑っている。
「俺、ちゃんと弾けないぞ」
「いいよ、それで」
軽い調子。
だがその目は、真剣だった。
連弾。
二人で一つの鍵盤を分け合う。
タイミングがずれ、音がぶつかる。
「ごめん」
「だからいいって」
音が重なる。
ずれながらも、少しずつ噛み合っていく。
一人では見えなかった旋律の形が、
別の角度から浮かび上がる。
「……こういうのも、ありか」
彼は小さく笑った。
星は一つじゃない。
いくつも集まって、形を作る。
そのことを、彼はようやく理解し始めていた。
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