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朝7時30分に先生の家を出て、約1時間。
学校付近を通って、江ノ島を通って、着いたのは体育館のある大きな公園。
「去年と場所が違いますね」
「去年の場所は車の立ち入りが厳しくなったそうなので、新しい場所です。此処の川も大きいですし、植生そのものはほぼ同じですよ」
「こんな所ですか」
「ここの駐車場をお借りして、河川敷に入るんです」
先生の後をついて、堤防を上り下りして河川敷に入る。
整備されたお花畑を上流の方に歩いて、そして5分程。
「ここからは整備していないので、良く周りを見て歩いて下さいね。色々なものが生えていますから」
言われたとおり、周りを見ながら歩く。
真っ先に立ち止まったのは、やはり川俣先輩だった。
「ストップ。これが小豆だ」
小さいエンドウ豆のさやの形をした、雑草にしか見えないものを、先輩が指さす。
「これに袋を被せて、こうやって種を採る」
先輩は、袋から採った種を見せてくれた。
確かに形とデザインは小豆だ。
サイズは米粒くらいだし、色も黒いけれど。
「小さいけれど、これ、普通の小豆より美味いんだぞ。先輩権限で後輩に命令! この付近に生えているのを、根こそぎくらいの勢いで集めろ!」
先輩権限なんて始めて聞いたけれど、異論は特にない。
先輩がやったように、袋を被せて、そして鞘に手をかける。
そして事前に袋を被せた理由を理解した。
この鞘、ちょっとの衝撃で、中の豆を弾き飛ばしてしまう。
「なるほど、だから袋を被せて採ったんですね」
「そういうこと」
何せ小さいから、なかなか量が貯まらない。
ただ、この付近に大量に生えてはいるので、人数任せで採りまくって。
僕の袋に、握りこぶしくらいの種と鞘が貯まったくらいになったところで。
「そろそろ、次に行きましょうか。他にも採取する人がいるでしょうから」
先生の言葉で移動。
皆が、次の袋を出して身構えながら歩いている。
そして、次は未亜さんだ。
「この左、入ったところに、ジュズダマが群生しているのですよ」
「当然、採取だよな」
再び採取活動。
なかなか前に進まない。
そして、ジュズダマをある程度採ったところで、再スタート。
20メートルも行かないうちに、今度は先生が止まる。
「その木を、よーく見て下さい。それがオニグルミの木ですね」
えっ。
割と冴えない感じの、そんなに太くない木だ。
でも、よく見てみると。
確かに所々に実が10個以上、塊でついている。
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