テラーノベル
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舘さんが連れてってくれたイタリアンレストランは、さすが舘さんチョイスだけあって美味しかった。番組内で知り合ったシェフのお店らしくて、デザートをサービスしてもらったり。
帰り際にやっぱり奢ってもらうのは悪いと思ってお金を差し出しても、舘さんは受け取ってくれなかった。
「車で送ってもらったし、付き合ってもらったんだから。俺が出すのが筋だろ?」と言って微笑む舘さんが、余裕あり過ぎてずるいと思う。
そんな笑顔ですら、ドキドキして仕方ないのに。
料理の感想とか今日の出来事とか、他愛もない話をしながら帰路に着く。
助手席に舘さんがいる事実に緊張するけど、穏やかな空気にほっとするのも本当。気持ちの上でずっと舘さんに翻弄されてるなぁって何だかおかしくなる。
やがて舘さんの家が近付いてくると、改めてお礼を言われた。
「付き合ってくれてありがとう、阿部。送らせて悪いな」
「ううん、ご馳走してもらったし。最初からそういう約束だしさ」
ちょうど赤信号で停まったタイミングだったから、ちらっと舘さんの方を見てみる。
同じく俺の方を見ていた舘さんの目線が何処か艶っぽくて、一瞬心臓が跳ねた。
多分、今の俺、顔が真っ赤だと思う。
頬が熱いの、自分で分かる。
青信号になって車を発進させながら、隣の舘さんが気になって仕方なかった。
前言撤回。舘さんを乗せてると、時と場合によって視線でドキドキして落ち着かない。
「そういえばさ、佐久間と目黒が付き合い始めるきっかけに阿部が絡んでるんだって?」
「え? うーん、絡んでるっていうか…佐久間から話を聞いてただけなんだけど」
「照も深澤も、翔太とラウールに根掘り葉掘り聞かれて面倒くさそうだったな」
そう言って舘さんが苦笑する。
確かに俺もあの2人も、佐久間がめめに突撃した時に居合わせてた。俺も翔太に色々しつこく聞かれたなぁ。
2人のディープキスを目撃したなんて言ったら、更に事細かに追求されそうだ。
「ちょっと驚かされる事はあったけど、上手くいって良かったよ。佐久間もずっと悩んでたし」
「……良かったんだ」
「え? …良くなかった…?」
舘さんがぽつりと呟いた言葉にびっくりして、変な返しをしてしまう。めめと佐久間が付き合うの、舘さんの中では何か駄目だったかな。
ちらっと舘さんの方を伺うと、驚いた表情でこっちを見てた。
え、待って。何でびっくりしてるの。
「えっと、な、何か駄目だった? 舘さん、佐久間とめめが付き合うの反対??」
「いや、そこは反対しないけど…阿部は? いいの?」
「う、うん…佐久間がめめの事好きだったの知ってるし、話聞いてずっと応援してたから」
「そうか…じゃあ、俺の勘違いだったのか…」
バツが悪そうにぼそぼそと呟いて、舘さんが前に向き直す。
勘違いって何の事だろう?
疑問に思ってる間に舘さんの住まいが見えてきて、大丈夫な路肩に一旦停車する。
舘さんも家が目の前だって気付いてるはずなのに、何か考え込んでて動かない。
コメント
1件
うわあ、この空気感、たまらないですね……。舘さんの「良かったんだ」の一言に込められたニュアンスが気になって仕方ないです。阿部くんが「え?」って驚くのも当然で、ここからどう展開するんだろう。デートの余韻と、急に立ち込めた微妙な空気のバランスが絶妙でした。続きが気になります!
おその★
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#あべさく
もずくぷりん
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