テラーノベル
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「……死にたい…」
なんて恥を晒したのだろうか。
お風呂場に着いた後も、あれよあれよと身体中余すとこなく触られて。
あんな明るいところで、しかも鏡を見せられながら。
「〜〜〜!!」
自分の恥ずかしげもない溶けきった顔やクロノアさんの余裕のない悪い顔にお互いに理性を外してしまい、もうあとはお察しの通りで。
「トラゾー大丈夫?」
「大丈夫じゃないです…」
心身共にダメージをくらっていた。
ベッドから全く動くことができない俺に苦笑いするクロノアさんは水を差し出してくる。
「腰が痛くて、起きれません…」
使わない場所の筋肉や関節を動かしたからだ。
「そうだよね」
体に負担がないようにゆっくり起こされて水を渡される。
「ん…」
痛む喉に冷たい水が染み渡っていく。
「ぷは、っ」
「垂れてるよ」
さり気なしに指で拭われて、顔がまた赤くなる。
「…クロノアさんのそういうとこ」
「そっくりそのまま返すよ」
細められる翡翠は、さっきと打って変わって優しい。
さっきのはホントに全てを食べられてしまうような、いや食べられたのだけれど。
猫というより黒豹みたいだった。
「、!、っっ」
思い起こされて頭の中を駆け巡っていく。
目の前で微笑む人の、獣のような表情と低い声と、触り方を。
「………思い出しちゃった?」
ふとクロノアさんを見れば、その片鱗を見せるようにして笑っていた。
また食べられると思った時には天井と彼の悪い顔が視界いっぱいに広がっていた。
………─────────────、
力の抜けたトラゾーをタイルに座らせてぬるま湯をかける。
「ッッ、♡」
その刺激だけで小さく反応する身体に見えないように口角を上げていた。
「トラゾー、腰上げて」
「⁇、こう、れすか…♡⁇」
交尾中の雌猫のように腰を上げるトラゾーに、従順すぎて逆に心配になる。
「ん、いい子だね」
ナカに出したモノを掻き出すためとはいえ、目に悪い。
太腿を伝う、俺の出した白濁が余計にそれを助長していた。
「(もつかな、俺の理性…)」
ソコに指を挿れてナカのモノを掻き出していく。
「んっ、ふ、ァッ♡」
「…、…」
「ゃ、う…そこ、だめ…っ♡」
どうしても彼の弱いトコに指が当たるようで、その度にびくびくと腰が跳ねていた。
「…トラゾー、」
「は、ぃ…ッッ♡⁇」
なんの宣言もなく最奥まで自身をソコに挿れた。
「あ゛ぅ゛っっ♡♡!!?」
「ホントに綺麗にするだけじゃなくなっちゃったね♡?」
「ん゛、ぁッ♡!!」
お風呂場のせいで声が響く。
「トラゾーのやらしい声、響いてるよ?どうする?お隣さんに聞こえてたら?」
「ッッ〜〜〜♡♡⁈」
「さっきの声も聞かれたかもね?」
実際そんなわけはない。
実況者としてもちゃんと防音完備された部屋を選んでいるから。
隣に音が聞こえるわけがない。
物音ひとつ聞かれるはずがない。
なのに、トラゾーは目を見開き嫌々と抵抗した。
「や、やら゛っ♡だめ、だめですッ♡♡!」
「隣の人、トラゾーのやらしい姿想像してるかもよ?」
きゅっとナカが締まる。
「あれ?トラゾー想像した?ナカ締まったよ」
「ちがっ、♡」
「うーん、でも知らない人間にトラゾーのこんな姿想像されるの嫌だなぁ」
身体を起こして俺の上に座らせる。
ちょうど真ん前に鏡がくるようにして。
「ほら、こんなやらしい顔してるんだよ」
顎を掴んで鏡にトラゾーの顔を映す。
「ゃッッ、♡♡!」
溶けてぐずぐずになる緑が溢れんばかりに見開かれる。
その後ろで、多分トラゾーにしか見せてない顔をする俺も写っていた。
「(トラゾーの言う悪い顔ってこれか)」
確かに、人様には見せられない顔をしていた。
「こんな溶けたカオ、俺にしか見せちゃダメだよ?」
「み、へれる、わけにゃぃ…ッ♡♡!」
濡れて鬱陶しく張り付く自分の前髪を掻き上げる。
その瞬間、またきゅっとナカが締まった。
「!、…」
ハッとしたトラゾーがおそるおそる泣きそうな顔で眉を下げる。
加虐心を唆るその表情。
「ちが、くて…ぃ、いま、のはッ、くろのぁさんの、みなれない、すがたに、おどろいた、だけで…ッッ」
「…で?キュンとしちゃった?」
後ろから下腹部を押さえる。
「ひゃぁ゛あ〜〜っ♡⁈」
「ほら、また声」
「〜〜〜♡♡♡!!」
両手で口を押さえて我慢しようとする姿はどう見ても苛めてくださいと言わんばかりなものだ。
それでも指の隙間から漏れる嬌声はお風呂場で響いている。
「くぉのあ、さッ♡も、ぉれの、くち、ふさいれっ♡♡くらはぃい〜〜ッッ♡♡!!こぇ、きかれた、くにゃあ…♡っ!!」
その可愛い必死なおねだりに笑顔(のつもりのもの)を返す。
「俺が聞きたいからダーメ♡♡」
口を塞ぐ手を退かした。
「はぅゔッッ♡♡!ぃじわるだ、ぁアッ♡!!」
「意地悪でいいよ。俺、好きな人のいろんなカオも見たいし声も聞きたいからね」
今日だけで性感帯になったトラゾーの胸も触る。
「んぅう〜〜っっ♡♡!!」
「柔らかいね、さっきは緊張して硬かったのに」
「ゃ゛ッ、や♡、つまむの、ら゛め゛ぇッ♡♡!!」
「引っ掻く方がいい?それとも押さえる?舐められた方がいい?吸う?噛む?トラゾーが選びなよ」
「さ、さわん、なァ…っ♡!へんたぃ…ッ♡♡!!」
鏡越しに睨む顔にぞくりと背筋が震え、口角が更に上がった。
「…そ、全部ね♡?」
挿れたまま、身体を俺の方に向ける。
顔を少し下げれば、小さく立つソレ。
「やら、やら゛ぁ♡♡!」
俺を離そうと抵抗する力のない両腕を掴んでボディータオルで縛る。
「ぇ、ッ♡♡⁇」
「悪い子にはお仕置き」
「ぴゃッッ♡♡⁈」
片方を口に含んで、もう片方は手で弄る。
「ゃ、ゃぁあ゛♡♡!!?」
爪を立てたり、甘噛みをすると縛っていた両腕を俺の首に回してぎゅっと抱き寄せた。
人を煽る天才か。
「自分から押し付けて、トラゾーの淫乱♡」
「!!、そ、ぅいッ、つもりじゃ、ッッン〜〜♡♡!」
顔を仰け反らせて何も出さずにイッた。
「ははっ♡」
ちゅっと吸い付いて痕を残す。
「りゃめ、ッ、なんも、れなぃッッ♡♡」
「コッチのこと?それともコッチ?」
「ど、っちも、ぉ…ッッ♡♡」
首を振る度にトラゾーの黒髪から雫が落ちる。
前髪を掻き上げて額にキスをする。
「ちゃんと意識がある時にしなきゃね」
「♡♡⁇、ひゃぅ゛う───〜〜っ♡!!」
最奥を乱暴に突くとボロボロとトラゾーから涙が落ちた。
「そうだ。トラゾー」
「ッッ♡、っ♡⁇⁇」
「いい知らせと悪い知らせがあるけど、どっちから聞きたい?」
話題転換に頭の上に疑問符を浮かべたような顔をするトラゾー。
俺にとっては悪い寄りのいい知らせとすごくいい知らせ。
取りようによっては悪い知らせとすごく悪い知らせかもしれない。
勿論、トラゾーにとっては。
「ゎ、わるぃッ、しらへ…♡⁇」
「分かった」
「♡、ぁッ♡♡⁇」
「トラゾーは今度とある人と配信がありますね?」
ぐっと顔を近付けると理解したトラゾーが待ったをかけてきた。
「!!、ま、ッ♡」
「で、その人は誰ですか?」
自身のスケジュールを思い出したのだろう。
トラゾーは固まっている。
「ら、…らっだぁさ、…っ?」
にっこり笑うとトラゾーが小刻みに震え出した。
「終わったあと、トラゾーはお仕置きね?」
「ッッ⁈なんれ゛ぇッ♡⁈」
「いや、寧ろ俺が何で?だよ」
俺の汚い醜いただの嫉妬だ。
自分の恋人を奪おうとした人物と2人っきりにさせるなんて有り得ない。
配信は前から決まってたことだけど、今回の件でトラゾーには身を以て知ってもらわないといけない。
「俺の大事なトラゾーに手ぇ出そうとして、ましてや宣戦布告までしてきた人と2人にさせるんだよ?楽しみにしてるリスナーがいるから邪魔はしないけど、終わったらトラゾーにはお仕置きです」
「りふじん、っ!」
「因みにいい知らせっていうのは、明日明後日はトラゾーはお休みにしてもらったっていう話ね?」
ここまで言って何かを察したトラゾーは可哀想なくらい顔を青褪めさせた。
「言った通り俺が我慢してた分をトラゾーには受け止めてもらうね。何てったって、俺の好きにしていいんだから」
「お、おれにとって、わるぃッ、しらせばっかじゃ、ないですかぁあ…ッ」
どこを触ってもびくつく身体を抱えなおす。
「ぁう、ンッッ♡♡」
「らっだぁさんとの配信の時、ココになんか仕込んどこうか?俺、配信見ててあげるから」
俺を咥え込むソコをなぞる。
「んやぁあ゛ッッ♡♡!!」
「でも、あの人のリスナーにもあの人自身にもトラゾーのこんな可愛いやらしい声聞かせたくないな」
「ゃ゛ッッぁ、んン〜〜っ♡!!」
「一緒の部屋でするんだろ?繋げはいいのに、わざわざ会って」
どっちが言ったか知らないけど、直接と聞いた時は持っていたスマホを叩きつけるところだった。
「約束できる?指一本触らせないって。隠しても無駄だからね?俺見てるから」
「しま、ひゅっ♡します、からぁあ゛ッッ♡♡」
「あ、でもしても触らせるのがトラゾーだからやっぱ約束なしね。守れない約束は簡単にするもんじゃないよ。ト、ラ、ゾー♡」
思い出された苛立ちをぶつけるようにして最奥に出す。
「んン゛〜〜──────ッッ♡♡!!」
くたりと力の抜けたトラゾーから自身を抜いた。
「寝てる間に挿れても気付かなさそうだな…」
興味は全くなかったけど、なにか買ってみようかとトラゾーのソコから溢れる白濁を再び掻き出し始めた。
………──────────────、
「も、もう、シない、ですよ…⁇」
見上げるクロノアさんはきょとりと首を傾げる。
「あれ?何でもするんだったよね?」
「っ!!、ぁれ、はッ…!」
「……ふっ、冗談だよ」
そう言って俺の上から退けたクロノアさんに安堵と残念に思う溜息が出た。
「残念そうな顔してるけど」
「っ!」
顔に出やすいと言われてたのを忘れていた。
「これ以上するとトラゾーに嫌われちゃうからやめとくよ。…今日は」
クロノアさんは俺の隣に寝転んで妖しく笑った。
「明日と明後日、楽しみだね?」
「〜〜〜!!」
布団を被ると喉を鳴らしてクロノアさんは俺を布団ごと抱きしめてきた。
「トラゾー」
「?、はい」
「離さないよ、もう」
「…、……俺も離れませんから」
顔を布団から覗かせて言う。
「俺のこと、ずっと、…離さないでください…」
「……誘ってももうシないよ?」
「あんた、やっぱりノンデリカシーだ…っ」
顔を合わせて同じタイミングで吹き出した。
笑うと痛む腰も喉も抑えていた感情も、全て幸せに思えた。
この先、いろんなことを取捨選択して、切り捨てたり求めたりして俺たちは未来のことを繰り広げていくのだろうなと、けどふたりでいるならきっと大丈夫なんだろうと、思うのだった。
コメント
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ポン酢さんの(最高な作品ばっか出す)せいでもう褒め言葉見つからないんですよどうしてくれるんですか!(?)、お風呂場のここといい最後といい美味しすぎやしませんか!?もう尊いんですよ!! trさんは可愛いやkrさんはさすがだわrdさんと会う日を考えたらで…ポン酢さんは天才です 今後の作品も楽しみにしてますよ このやろー!(※褒めてます)