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桜と抹茶のホイップパフェ
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ああ、もう、この二重すれ違い展開が胸にくる……! 佐久間さんの「いつものノリを装って本心を伝える」緊張感と、阿部ちゃんの「悲しそうだけど了承する」反応のギャップ、最高に切ないです。お試し期間って言葉に込められた両者の誤解がすでに痛いほど見えてて、続きが気になって仕方ない。この「絶対に本物にしてやる」という佐久間さんの決意がどう転ぶのか、すごく楽しみです!
テレビ局の楽屋。
収録の合間の慌ただしい時間、部屋の隅にあるソファだけは、妙に甘い空気が流れていた。
桃「あべちゃぁぁん!見て見て、この動画超ウケる!」
緑「ん? なにそれ……って、佐久間、距離近いってば」
そう言って少し困ったように笑う阿部ちゃんの肩に、俺はこれでもかとぴったり体を寄せに行く。
服越しに伝わってくる阿部ちゃんの体温が愛おしくて、離れたくなくて、必死に「いつもの騒がしい佐久間さん」の仮面を被っていた。
(あー! もう! 阿部ちゃんが可愛すぎてしんどい!!)
俺は最初から、阿部ちゃんのことが一人の男として、死ぬほど大好きだった。
だけど、阿部ちゃんは頭が良くて真面目で、俺たちのことを「大切なメンバー」だと思っている。
だから、普通に「好きだ」なんて伝えたら、この関係が壊れて二度と近くにいられなくなるんじゃないかって、怖くてたまらなかった。
だから、みんなにするみたいに大裟なスキンシップを装って、こうしてドサクサに紛れてくっつくことしかできなかったんだ。そんな俺の必死な空回りを見かねたんだろう。
パイプ椅子に座っていた翔太が、めんどくさそうにこっちに歩いてきた。
青「お前らさ、いっつもいっつもベタベバして、見ててじれったいんだよ。早く付き合えよ」
翔太、ナイスパス!!!!
俺は心の中で盛大にガッツポーズをした。
さすが俺の幼馴染(?)、俺が阿部ちゃんを大本命として見てるのを分かってて、最高のシチュエーションをトスしてくれた。
チャンスは今しかない。
俺はいつものニヤニヤしたノリを崩さないように、だけど本心をこれでもかと詰め込んで、阿部ちゃんの顔を覗き込んだ。
桃「ね、阿部ちゃん。試しに付き合ってみる?」
冗談っぽく言ったけど、手のひらには嫌な汗がじっとりと滲んでいた。
もしここで「何言ってんの、気持ち悪い」って笑われたら、俺の恋は完全に終わる。心臓がバクバクと暴れる中、阿部ちゃんは一瞬、すごく悲しそうな、今にも泣き出しそうな目で俺を見た。
正式に、無理に作ったような小さな笑顔で、こう言ったんだ。
緑「……うん、いいよ。付き合ってみよっか」
桃「え……っ!?」
その瞬間、俺は本気で心臓が止まるかと思った。
まさかOKしてもらえるなんて思っていなかったから、頭が真っ白になって、呼吸の仕方を忘れそうになる。
だけど次の瞬間、阿部ちゃんの気が変わったら困る!という焦りが襲ってきた。
俺は慌てていつもの爆発的な笑顔を作ると、
桃「やったー!阿部ちゃんゲットー!」と叫んで、その細い体に抱きついた。
(やった……! お試しでも、冗談でも、なんでもいい! 恋人になれた……!!)
腕の中にすっぽり収まる阿部ちゃんの体は、少し強張っていて、すごく愛おしかった。
俺はあの日から誓ったんだ。
この「お試し期間」の間に、阿部ちゃんを俺なしじゃいられないくらいベタベタに甘やかして、絶対に本物の恋人にしてやる、って。
阿部ちゃんが「お試しだから」と一人で切ない誤解をして傷ついているなんて、この時の俺は、これっぽっちも気づいていなかったんだ。