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 嫌な予感はしていたんだよね。昨晩美月さんはフィーレと熱心にお話をしていた。と言うか、フィーレの質問に答えていたんだけど、あれは間違いなく政治家の顔だったね。翌朝、政務に戻るために美月さんは旅館を出たんだけど私達も同行することになったんだ。 そして案内された場所はお台場、そこに鎮座する実物大の国民的ロボットアニメの主人公機。前世では別の機体だったけど、どうやら変わったみたいだ。

 さて、こんなものを見たらフィーレがどうなるか。ただでさえ地球のロボットアニメに興味津々だったフィーレは目をキラキラさせて早速スキャンを開始していた。

 私が生きていた時代は実物大のロボットを動かそうなんてプロジェクトがあったみたいだけど、今は特に無い。地球だと人型兵器の有用性はあんまり高くないって議論を聞いたことがある。

 まあ普通に考えたらあんなに大きな物体は良い的だろうなぁ。私も戦闘機乗りとして何度もセンチネルとやりあったけど、主力はスターファイターで小型だ。大型艦の火力は脅威だけど狙いやすいし懐へ潜り込んだら後は楽だしね。




 ティナは勘違いしているが、そもそも猛烈な砲火を掻い潜ってスターシップに挑むのは極めて困難なことである。それをやってのける彼女の技量が桁違いなのだ。閑話休題。




「それなら狙われないくらいの高い機動性と装甲、誘導兵器を無効化する機構を取り付ければ良いじゃん」




「地球の技術だと難しいと思うよ?」




「だから私が介入すれば良いじゃん」




 フィーレは早速スキャナーで実物大のロボットをスキャンしている。インスピレーションが湧き上がっているんだろうなぁ。




「前に見たパンジャンもそうだし、対センチネル用の陸戦兵器開発は急務だからね」




「まあ、それはそうだけどさ」




 ラーナ星系の戦いみたいに、これからも私達が宇宙で活動する限りセンチネルと遭遇する可能性は高いままだ。

 それに、この広大な銀河にはアードへ帰還できずに取り残されたアード人はまだまだ大勢居る。私達が救出作戦に駆り出される可能性もある。と言うより、今宇宙で活動しているのは私達だけだからね。

 ザッカル局長には救難信号を受信したら、直ぐに知らせて欲しいと伝えている。間に合わない可能性もあるけど、少しでも助けられる命があるなら助けたい。お人好しだと笑われるかもしれないけどね。




「取り敢えず、このサテラ◯トキャノンってやつを実用化してっと」




「待って」




「なに?ティナ姉ぇ」




「え?地球を滅ぼすつもり?」




 いきなりとんでもないのを作ろうとしていた!?



「じゃあ、このアル◯ィメットって奴で。環境に優しいらしいし」




「人類には優しくないよ!?」




「じゃあこの月◯蝶で。私達みたいに羽根が生えて綺麗だから」




「だから、地球を滅ぼすつもり!?」




「もう、ティナ姉ぇ文句ばっかり言うじゃん!」




「作るんなら先ずは安全な奴からにしなさい!ジ◯とか!」




「それ敵じゃん!しかも手がいっぱいあるし!」




「じゃあせめて◯ムにしなさい」




「何かダサいからやだ」




「なにぉう!?」




 おっといけない、つい前世のオタク魂が叫んでしまった。アニメと宇宙くらいしか趣味が無かったからなぁ。




 尚、この様子はリアルタイムで放送されておりネットを大いに賑わせた。




『おい、ロリ妖精と天使がガン◯ム談義してるぞ』

『これが奇跡か……』

『神の御業なら喜んで入信するな』

『見てみろよ、二人を見つめるフェルちゃんの顔』

『聖母様かな?』

『母性が溢れてやがる』

『まっ、ママァ!』

『嗚呼、また一人やられたぞ』

『仕方ない』

『◯ム、ホバーを挙げるとはティナちゃん渋いな』

『躊躇無くサテライトやらアルティメットを挙げるフィーレちゃんが凶悪すぎるwww』

『実現したら夢があるな』

『どう見てもオーバーキルなんだよなぁ』

『お前ら呑気か?こんな兵器を実現させたら侵略に使われるだけだろ』

『こんなの無くても侵略出来るんだよなぁ』

『彼には軌道上の軍艦が見えていないらしい』

『あれで重巡クラスなんだろ?戦艦クラスだと更にデカいのか』

『ただし名前は銀河一美少女ティリスちゃん号である』

『www』

『じわじわ来るから止めろww』

『しかも痛車ならぬ痛艦仕様である』

『初見で吹いた奴は挙手しなさい。先生怒らないから』

『止めとけ、ほぼ全員だから』

『あれは笑うわww』

『ティナちゃんがシスコン認定された瞬間だよなぁ。しかも愛が深い』

『そりゃ国会で泣かせたバカに対する報復がエグいわけだ』

『あれ、結局アードの仕業なのか?』

『まあ、ほぼ間違いなくな』

『あの政党の黒い部分が全部ばらまかれたからなぁ』

『明らかに極秘情報までな。案の定中華と繋がっていたけど』

『セキュリティガバガバだったのかな?』

『いや、アードからすれば地球のセキュリティなんて有って無いようなもんだろ』

『お前ら危機感無いのか?奴等は何でも出来る危険な奴等なんだぞ』

『俺の秘蔵フォルダーの中身を見られたら憤死する』

『自業自得だし、別にな。ティナちゃん見てたら悪いことしないだろうし』

『あの政党信者以外誰も困ってないし。むしろ報復で国を滅ぼされても仕方ないことやらかしたしな』

『寛大な処置なんだよなぁ』

『結論、アードとは仲良くしていこう。地球にはメリットが多すぎるし』

『こりゃあ本格的な宇宙進出も夢じゃないな』

『生きてる間にリアルSFを体験できそうだ』




 少なくとも日本のネットでは概ね好意的に受け止められた。




「まあまあ、二人とも喧嘩しないでください。取り敢えず良くわかりませんが、このアクエ◯オンかエヴァン◯リオン辺りで妥協しましょう」




「それだぁあああっ!!!」




「止めろぉおおーっ!!!」




 フェルの提示した妥協案(?)に絶叫するフィーレとティナの姿は世界中に配信されて色んな意味で阿鼻叫喚の地獄(?)を産み出した。 


星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~

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