コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第34話 美里の過去1/2
前回までのあらすじ
ラキの過去を見た。以上。
※ここから下は美里の視点になります。なに?美里視点の物語あるだろって?わざわざ見に行かなくてもいいようにこっちに書くんだよ!それくらい分かってくれ!
これは、私が1年生の時の話。
その日は家族でキャンプに来ていた。水の音、風の揺らめき、照りつける太陽。全てが愛おしく思えるほどに楽しんでいた。
「よし。お父さん、こっち準備終わったよ」
「おう。ありがとう」
お父さんと一緒に、私はテントを立てていた。
「こっちもご飯の準備出来たよ〜」
これは私のお母さん。優しくて、美人なお母さんだ。
「はーい。ささ、早く終わらせよう」
「どうした美里。腹減ってんのか?」
「当たり前じゃん。ご飯いっぱい食べるもんね!」
そんな会話をしながら、わたし達はテントの準備をしていた。
にちのうcv.美涼
「そうだ美里。この川で少し遊んでかない?」
「いいけど、それお母さんが遊びたいだけじゃないの?」
「ギクッ…。ち、違うし?少し涼みたいなとか1ミリも思ってないけど!?」
全部言っちゃってんじゃん…。
「はぁ。わかったよ」
「よっしゃあ!」
これじゃあどっちが親かわからないな。
バシャバシャ〜
「ひゃー冷たいね〜」
「気持ちいいよ」
川の水を掛け合いながら、私たちは遊んでいた。
「お母さん先に上がるから、美里はまだ遊んでていいよ」
「はーい」
バシャバシャ
ズズズズ
「美里、もうそろそろ上がった方がいいんじゃない?」
「え?まだ入ったばっかりじゃん。もう少し居させて」
あれ?これ…水ってこんなに多かったっけ?
ツルンッ
ッ!これは、本で見たことがある!増水だ!水が突然増えることを言うらしいが…まさかここで起こるとは…。
「おい!美里!クソっ!」
ザブーン
お父さんが助けに来てくれた。
「えっと。美里!どうすれば…。使うしかない!『時を創る』」
そして、私とお父さんはお母さんの出した空間に食われた。
「…さと!美里!美里!」
ここ…は?
「お母…さん…?」
「み、美里!」
お母さん。どうして泣いてるの?お父さんはどうしたの?
「お父さんは…しn…いや、少しお出かけをしているんだよ」
「おい姉ちゃん。誰だ?その女は」
「ちょっと、リアル。その言い方はないでしょ?」
「久しぶりに姉ちゃんと会えたかと思ったのに、変な女連れてきやがって」
こいつは…誰?リアル?
「あ、美里。ごめんね。あなたには全部話さないとね」
そう言って、この時間軸に存在する家へと連れてこられた。
にちのうcv.美里(過去)
「まずは、この子の紹介ね。この子は清水リアル(しみずりある)。私の弟よ」
「弟!?そんなん話聞いたことないよ!?それに、歳は私と同じに見えるけど…」
「ここの時間軸は時間の進みが1/100なの」
なんだなんだ?突然訳分からん所に連れてこられたと思ったら訳分からん情報を叩き込まれたぞ。
「ふん。そんなやつ。さっさとどっかにやれ」
「ダメだよ。私の娘だもん。リアルも傷つけないでね。傷つけたら容赦しないから」
「はいはい。それで、そいつには『固有力』をやったのか?」
「もちろん。しっかりと植え込んだよ。これで万が一心臓が動いてなくても大丈夫だよ」
…。この人達は何を話しているんだ?
「そうか。それで。この美里とかいうやつにやった『固有力』はなんだ?」
「『時を創る』だよ」
「そうかそうか。『時を創る』か。…。『時を創る』!?」
「えぇ」
「は?それじゃあこの世界の作り方ないじゃん!」
出口?私は今出口の作り方を消したのか?
「くっ!もう許さん!俺の『身体を変える』で乗っ取ってから強制的に出してやr…」
「ダメダメダメダメダメ。美里が死んだらどうするの?」
「え、えっと、あなたは誰ですか?」
「だから、この子はリアルで…」
「違います。あなたです」
「私!?私はみすz…いや、アヤメよ」
アヤメ?やけにお母さんに似てるな。
「いやいや、姉ちゃんさっき自分で母ちゃんって…」
「リアル?それ以上言うと消すよ?」
「ウッわ、わかったよ」
意外と物騒だな。これはお母さんじゃなあないな。
「えっと、私お母さんとお父さんに会いたいから戻りたいんですけど」
「あ〜えっと…もう美里ここにすまない?」
「いや、私は帰るべき場所があるので」
「さっきアヤメって言ったの間違いだったか?(ボソッ)」
「出す時に俺もここから出よ(ボソッ)」
この人達、何コソコソ独り言言ってるんですか?
「わ、わかったよ。ここから出すんね」
ボンッ
「その穴に入れば外に出れるよ」
「分かりました。ありがとうございます」
「そこ、ちょっと失礼するよ」
ビューーン
「あ、」
「あー!リアルのやつ!逃げやがったな!『合成せる』であいつの能力を奪ってから操作してやる…って、なんか取られてる!?いつの間に!?」
「あ〜、えっと、私はどうすれば」
「まぁ、美里はそのまま行っていいよ」
「あ、はい。分かりました」
ビューーん
「あっちに人格を少し分けといて良かったな。でも、パパを置いて行くなんて出来ないからな。ここで暮らすか」