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#ねこいしの100人記念イラコン
らすく
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あんだーわいん
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そろそろこの話も終盤、
イギリスの自刃場所は4つのうち、どれから始めるか悩み中です。
朝、ホテルで目が覚める。
整頓された荷物に、流石日本と言わんばかりに整っている室内。
サイドテーブルの一角、上に置かれた淡い光のランプ。
そのふもとに、置手紙を記していく。
これ以上私は、此処に居ちゃいけない。
お父様には申し訳ないが、これ以上生きていたいと、もう思えない。
「拝啓 お父様
一緒に日本旅行ができて楽しかったです、ありがとうございました。
私は少々、国の関係でやらねばいけないことができてしまったので、
早朝に失礼します。またいつか、一緒に親子旅行でもしましょう?
お体にはお気を付けてお過ごしください。
イギリス」
お父様がずっと好いている、セピア色の封筒に、セットになっている便箋。
シーリングスタンプで封をして。
サイドテーブルに置いたそれは、淡い光を受けて優しく輝いていた。
旅行鞄を持ってホテルのドアノブに手をかける。
誰も私の姿を見ていないし、誰もきっと知らない。
これから死ぬのだから、誰かに覚えてもらう必要もない。
覚えてもらえないほうが良い。
そのまま、廊下、エントランスと…早朝で誰もいないホテルを出た。
GB「……フランス行きのチケット……取っておいてよかったです…」
昨日の夜、お父様も寝静まった後にこっそりとっておいたチケット。
2時、羽田空港発の飛行機。
現在は朝の4時、時間はまだまだある。
GB「…遺書くらい…書いたほうが良いんでしょうか」
思い返せば、フランスに嘘を吐いて、半ば強引に勝手に飛び出して。
飛行機でドイツさんに会って。
イタ王さんに助けてもらって、イタリア家の優しさに触れて。
オスロで倒れて、でもアイルランドさんが助けてくれて。
ロヴァニエミでカナダと、アメリカへプレゼントを…丁度今日私がフランスに着く時刻に合わせて送って。
カナダの誕生日にはカナダとアメリカの元へ行って、
直ぐ飛び出して、お父様に保護されて
日本まで来て、観光して。
それで今度は、お父様から逃げているのか。
GB「逃げてしかいないじゃないですか……ッ」
逃避行の為に来たのだから、逃げるのも当たり前かもしれない。
それでも私は、逃げるくらいならそもそも関わりたくなかった。
…これは後悔なのだろうか。
どんな優しさも、気遣いも受け取れなかった。
怖くて、逃げることしかできなかった。
GB「…わたしはッ」
結局何をされても逃げることしかできなかった。
GB「だめだっ…早く、しな、なきゃっ」
誰かに優しくされる前に。
その優しさで殺される前に。
電車を乗り継いで、羽田空港へと向かった。
JP「あれ!イギリスさん!」
JP☀️「イギリス、久しぶりだな」
羽田空港に着いてすぐ、ソフトクリームを手に持つ日本親子に見つかってしまった。この人らに優しさがないわけない。また罪悪感に苛まれるのか?
そう考えると、返事が自然と億劫になってしまう。
GB「…こんにちは」
JP「イギリスさんも旅行ですか?」
GB「えぇ、そんなところです」
英国紳士スマイル。完璧な作り笑いができているはず。
JP☀️「日本、そろそろ時間だ」
JP「…もうですか?まだちょっと早____」
JP☀️「英国も無理するなよ。無理に関わりたくないなら関わらなくていい」
GB「……、ど、どうも」
日帝さんの観察眼、恐るべし。関わりたくないという考えが読まれている。
まぁその分気を遣わなくていいのだが……。
JP☀️「…ただ、頼るときは頼れよ」
日帝さんが耳元で去り際に呟く。それが意味するものをなんとなく理解してしまった。
GB「……!」
この人は、きっと理解している。
私がここにいる理由も、その考えも。
アメリカに伝わらないことだけを祈ろう。
目の前に見える飛行機。
上にあるスピーカーから音声が聞こえた。
『If you are boarding flight 166, please proceed to Gate 18.』
呼び出しのアナウンスが聞こえてから、ゲートへ向かう。
GB「……ははっ、行きますか」
もうこの後、誰かに会うことはないだろう。
自嘲気味の笑みとともに、旅行鞄を持って飛行機に乗り込む。
GB「終末旅行も……もう、終わり…、ですか」
フランス行きの飛行機。
死が近づいているのに、恐怖はない。
むしろ、………むしろ。
今までの後悔も
今までの罪も
今までの悲哀も
今までの苦痛も
今までの憂鬱さも
全て消えるのだ
GB「死ねる…消えることへの…愉悦」
GB「…もう壊れてたんですね」
死に場所はどうしよう。フランスにばれないところが良いな。
飛行機の中、フランスのパンフレットを開く。
今のところ、候補は4つ。
1.プロセリアンドの森
2.ストラスブール
3.エトルタの断崖
4.イエールの海
全て一度はフランスと行った場所。
思い出がある場所。
……そこで、終末旅行を終わりにする。
すべて、誰にも追いつかれない、見つかることのないこの場所で。
私の終末旅行も、終末期。
片眼鏡がないせいで見ずらいパンフレットを閉じて、雲一つない空を眺めた。
コメント
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寺島あおいです🤍 第13話、読み終えました。お父様への置手紙、特に「またいつか」という一文に胸がぎゅっとなりました。もう戻れないと知りながら、それでも娘としての優しさを残すんだなあって。それと、日帝さんの「頼るときは頼れよ」という言葉、あの距離感が絶妙でしたね。全てを察した上で、でも踏み込みすぎない。その優しさが、イギリスさんの孤独を一層引き立てている気がします。終末旅行の終着点、本当に見届けたいです。