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返事待ってます!
すみません!出かけます!
リノンちゃんがどういう主人公とどういう関係になるか楽しみ!
―――“お前マジナルシストで笑えるww”
―――“どんだけ自分好き好きなんww もう高校生だぞ?w”
―――“ナルシスト痛すぎる… 私ナルシスト嫌い。”
―――“自己中だよな、お前。俺、お前とはもうやってけねーわ。残念だな、マジ最悪。うぜー。”
俺は、こんな言葉を何度口にされただろうか。
自己中、ナルシスト、エゴイスト、キモい、ウザい、痛い―――
こんなマイナスな言葉ばかり受けてきた俺は、もう体が弱ってきていた。
外に出れる気力も無く、ネットの波にさらわれる毎日…
俺は一生、引きこもりとして生活していくのだろうか。
こんな生活、嫌だ……
そんな俺を助けてくれる人は、家族でも友達でも無かった。
家族は何も気にしてくれないし、俺が透明人間になったかのような扱い方。
兄と姉がいるけど、どちらとも学校に通っていて 家には普段居ない。
俺は もうしばらく高校には行ってないけど、他の家族はごく普通に生活している。
バイトはたまに気分転換にやる。
それも地味な物で、性格が一切関係ない物を選んでいる。
俺は救われない。
助けてもらえない。 孤独で生きていく、惨めな生き物…
「(…生きるなんて、もう無理だ……)」
毎日そう思うのに、俺はどうしても旅立つ勇気が無い。
そうしてしまったら、永久に墓にいるだけ…
そんな状況を自ら作るのが、怖くて怖くて仕方無い。
かといって、学校に行って得は無い。
利益など得られない…
「生きたいのに…」
生きたいのに、生きれない。
どうして俺には生きる権利が無いんだ…
こんな家庭に生まれた自分が憎らしい。
家族、友達が全て羨ましい……
こんなもんなのか…?
俺は、これが当たり前なのか…?
他の人とは違うんだ、俺は…
生きるしか無いんだ…
そんな ありとあらゆる人を責め続ける俺に、とある救世主が訪れた。
――そう、クラスメートだ。
これまで誰も俺を相手にしてこなかったクラスメートから、ラインが来たのだ。
たった一人だけど。
それでも俺は、十分嬉しかった。
だけど送り主を見た途端、思わず絶句した。
『天河 李音【アマカワ リノン】(委員長)』
と書いてあったのだ。
委員長と言えば、いつも皆を引っ張るリーダー的存在だ。
成績も優秀で、大人しいのに いざという時に凄く頼りになる人だ。
俺の知ってる限りでは、このイメージしか無い。
委員長、俺なんかに何の用だろう?
俺は、ラインの内容を見てみた。
―――「花田龍雅くん、こんにちは。ライン失礼するね!」
―――「今龍雅くんが学校に来ていない理由、私にだけ教えてくれないかな…?
私に出来る事なら何でもしたいから…!返信お願いします。」
「委員長……」
こんな最低な俺に、一生懸命話をしてくれている。
それだけでも、俺は何より嬉しかった。
俺の元に、しかもクラスメートからラインが来たのは… 確か1年ぶりだ。
しかも、委員長から来るとは…
俺は、舞い上がって 返信をした。
「委員長、ラインありがとう。その話、学校行ってするわ!明日、頑張って学校行くからさぁ。
体育館裏で話すから、明日の放課後よろ。」
こんな返信をした後、俺はやっとこのラインの悲惨さに気付いた。
―――そう、あまりにも上から目線過ぎる事。
こんな馴れ馴れしいラインを、しかも不登校の俺がするなんて…
そりゃあ嫌われても仕方ないか、と自分で思えるほどだ。
だけど、もう既読が付いてしまった。
委員長、ラインを読むスピードが有り得ない程早い。
もちろんと言って良い程、返信も早かった。
「分かった!体育館裏で待ってます!」
――いや待てよ、俺のラインを普通に受け入れた!?
こんな上から目線なのに、嫌味一つ言わないだと…??
良いな、委員長。
思ったことを口にせず、誰にでも別け隔てなく接せられる所。
羨ましい…
俺だって自覚はしてるけど、そう簡単に性格は直らないだろうが…
俺はいつも、そんなネガティブ思考ばかりしてしまう。
常に自分の事を褒めちぎっているくせに、と思うかも知れないが、俺はポジティブでは無い。
だから引きこもりに発展してしまったのだ…
―――にしても委員長、本当に何も言わない。
でも逆に、言いたいことを言ってくれないと 本心が分からない。
表裏あるに違いないから、これは本心なのかは不明だ。
本当の委員長の気持ちを知りたい……
俺は、明日の放課後にそれを率直に聞いてみることにした。