テラーノベル
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夜、千歳と二人でソファーでゆっくりしてるとき。夏だからホラー映画のセールが多いね、みたいな話を千歳に振ったら、千歳は浮かない顔をした。
『ワシ、ああいう怖いの、あんまり好きじゃない……』
「え、怨霊なのに!?」
しかも、アホほど強い怨霊なのに!?
千歳はふくれた。
『だって、心霊系以外のホラーもたくさんあるじゃないか。こないだも変な家の間取りから人殺しの話しになる動画見ちゃって、そういうのは人間が怖いやつだし、あと、いきなり怖いのがバッと出てくるやつはびっくりするから嫌だ』
あー、確かに、ヒトコワホラーは千歳も怖いのか……ジャンプスケアも苦手なのか……。
「言われてみたら、心霊系以外のホラーもたくさんあるね。じゃあ、殺人鬼がチェーンソー振り回して襲ってくるようなのも怖いのか」
『んー、それは映画の雰囲気次第かな……怖い奴でも、嫌な奴ばっかバッサバッサやるようなのだったら『いけー! やれー!』ってなるかも』
「グロ自体はいけるのか」
『グロもエロもなんとも思わないぞ。あ、そうだ』
千歳はサイドテーブルに置いてあったタブレットを手に取った。
『YouTubeキッズってやつ、見れない動画がたまにあってつまんないんだ。ワシ別にエロもグロも、見てもなんとも思わないし、これ解除してくれないか?』
「あー、そうだね……」
千歳がインターネットに触れ始めて、2年以上。なんだかんだで、SNSを使いこなしつつも適度な距離を取れてるし、生前の年齢のみで換算しても中学生くらいなわけだし。そろそろいいかもな。
「ちょっと貸して、やっちゃうよ」
俺はタブレットを借り、普通のYouTubeアプリをインストールし、アカウント設定などをして千歳に返した。
「こっちの新しいアプリなら閲覧制限なし。キッズのアプリの方でチャンネル登録してたら、それは引き継いでないから、悪いけどチャンネル登録しなおして」
『めんどくさいな』
「それはごめん、引き継ぎ機能がなかった。同じGoogleアカウントで登録してあるから、それ以外は引き継がれてると思うけど」
『まあいいや、これで見られる動画が増える』
千歳は嬉しそうにタブレットを持ち直した。
「何か見たいのあるの?」
『てんころの前のアニメ、YouTubeでも見られるって聞いて、コメント見ながら見たかったんだけど、キッズだと見れないんだ』
「え、あれ年齢制限あるの!?」
狭山さんのデビュー作、てんころのストーリー展開を思い返す。うーん、直接の濡れ場はないけど、主人公が成人女性だから、それなりにそれなりの想定をして一人語りをするシーンはあった。あと、戦闘シーンがグロといえばグロかも?
「へえー、キッズの制限厳しいんだねえ……」
『ワシもマジかと思った。おっ、見れる、コメントもたくさんついてる!』
「よかったね」
好きな作品についてるコメントとか感想、読むの楽しいよな。自分じゃ気づかなかった着眼点にも気づかせてくれるし。
千歳は、インターネットとうまく付き合えてる。それは、ずいぶんとありがたいことなんだよな。
コメント
1件
千歳の怨霊なのにホラー怖いってギャップめっちゃ可愛いですね…!人間の怖さとかジャンプスケアが苦手って、怨霊としての立場あるのにw でもグロは平気でYouTubeキッズ解除してほしいって言うところ、なんか子どもっぽくてほっこりしました。お互いに思いやりがある関係性が素敵です。千歳の成長も感じられて、良いエピソードでした🌙
#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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