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_春日丘工場跡地_
かつては武器の生産などがされていたそうだが、人に害をもたらす鉱物が使われていたと分かってからは当然のように倒産したとされる工場。
現在では廃墟と化しており、中も物が散乱していたりとかなり荒れている。本当にこんな所にハルがいるのかと疑問に思ったが、悪人というのはこういう所を選ぶものだと思い、気にせず進んで行く。
しばらく進むと、ベンデッタが立ちはだかっていた。しかし、肝心のハルが見当たらない。
「おいベンデッタ。ハルはどこだ?」
「あの小娘なら…いないぞ。ここには。」
ベンデッタの発言に「どういうことだ」と全員が寄ってたかったが、ベンデッタは言う。
「ここにはいない。そろそろ爆弾と共に転がる頃だろう。」
その言葉にクロスは絶望した。初めてできた幼なじみを、こんな形で失うことになるなんて思いもしなかった。
そしてベンデッタは、1つのスイッチを押した。これで、ハルは爆発…
しなかった。
「…っ!?どういうことだ!?」
ベンデッタは焦った様子でスイッチを何度も押している。
その時、天井から何やらモニターとスピーカーのような物が出てきて、そこから海里の声が聞こえる。少ししてからモニターに海里とハルの姿が映し出された。
『 残念だったねベンデッタ!爆弾はもえ俺が解除したよ〜!』
「…お前は騎士団の!!」
『 あんなの爪楊枝でコンピューターの修理に挑戦した時より簡単だったよ!解除されたってことは、しっかり作ってなかった証拠だね!』
「なんだよったく!心配させやがって!」
『 いや実は…ある人に娘がピンチだから助けてくれってここに案内されて…』
「……それってもしかして…」
モニターにもう1人の男性が映し出された。それは世間では大犯罪者として知られており、クロスの恩人である、熊井松高の姿だった。
「っ……なんでっ…」
「…すまなかった、クロス…あの後俺は死んだが、塵を培養液に浸かれたおかげで、何とか生きたんだ…」
「…バカ松さん…」
と、感動の再会に浸っている最中にも、ベンデッタはブツブツと何かを言っている。
「なぜだ…俺は全てをお前に奪われたというのに、お前はまだこんなにも…!こうなったら…!!」
ガシャガシャと大きな音が鳴り響き、巨大なロボットが現れた。それにベンデッタは乗り込み、完全体となった。
「俺の命が尽きてでも!お前を!貴様を!!殺してやるんだ!!!!既に貴様らの故郷にも追手が放たれている!」
ベンデッタの一言で全員が焦り始める。確かにレッテルには強いモンスターが沢山いるが、強固なロボットを相手にしていたらいつまで持つか分からない。するとクロスが
「…こいつの相手は俺がする。」
「…兄ちゃん?」
「悪ぃ!これ、俺の問題なんだわ…」
「待って!僕はまだ…」
ローランが言い終わる前に、空がローランを担いで連れて行ってしまい、その場にはベンデッタとクロスだけが残った。
「血迷ったか…」
「いや…俺は自分に正直になっただけだ…」
「なんだと…?図に乗るなよ貴様ぁ…!たった1人でこいつを相手できると思ってるのか!?」
「お前と俺の実力の差は甘く見積もっても五分五分。どちらも無事には済まないだろうな…だから、1つ言わせてくれ…すまなかった。」
「……その、程度で…その程度の言葉で、貴様の罪が許されるとでも思ってるのか!!イブキィィィィ!!!!」
イブキ。イブキ・トライトン。これがクロスの本当の名前。両親から適当に名付けられたこの名前は、クロスの足枷となっていた。
「思ってない。これはケジメだ。1人のスケルトンの人生を狂わせちまったからな…お前が怒るのも当然だ。だから俺が全部受け止める。」
「やはり貴様は…!!俺がこの手で殺してやるのだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
2人は戦う。
血を流したり、鈍い音が鳴っても、動きを止めることはない。
そして
決着は着いた。