『ツナ缶1ヶ月分くらい貯めてた気がするんだけど、もう食べちゃったの?』
グリムは私の言葉に不意を突かれたかのように尻尾をピクリと動かした。
「子分がほとんど食っちまったんだぞ!」
終いにはなすりつけが始まった。監督生はそれを聞いてこれでもかというのに頭を横に振った。
『っはぁ…私もそんなにお金使えないんだから。ま、使う道ないから別にいいんだけどね』
アイリスが財布からマドルを取り出そうとすれば、慌てて監督生が止めに入った。
「ちょっ…この前も私達借金してるから!!もう大丈夫だよ…!」
私がしたくてやってるんだからいいじゃん。と呑気に話すアイリスに呆れたような視線を向ける監督生。
「こっちが良くないのに…。」
と監督生が不貞腐れる一方、グリムは目を輝かせ、いいのか!?と尻尾を揺らしていた。
『いいよ。ほれ、』
20枚ほどの札束をグリムに預けた。グリムの手に渡った瞬間、はぁと監督生はため息をついた。
「ダメ人間になりそう…。」
『学生のうちは私に甘えとけ。』
にこっりも満足したような笑みをする彼女にまた緩んでしまう。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!