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私の学校にはとある都市伝説があった
夜の学校で鏡の前に立つと鏡の中の自分が話しかけてくると
「よし」
私は親がいないことを見計らって家を出る
時刻は9時をすぎていた
本当は丑三つ時が良かったな
なんて思ってしまった
だけど流石に補導されそうだからこの時間を選んだ
「いってきます…」
そう言って家を出ていく
私の行先はもちろん学校
私は今から人生を変える
「頑張ろう」
そう意気込んで私は足を急がせる
学校についてそうそう1番近くにあるトイレの鏡の前に立つ
このあと何をするかは私も正直よく分からない
呪文とか唱えた方がいいのかな
けど魔法の言葉なんて都市伝説にはなかった
細かいこと書いとけよ!都市伝説
とりあえず鏡の前で目を瞑って祈るようなポーズをしてみる
しかし何分やっても何もおきない
やっぱり嘘だったのかな
こんなの信じちゃった私が馬鹿だったなぁ…
そんな夢みたいなことあるはずないのに
「ずっと目を閉じて何してんの?」
どこからか声がした
思わず目を開く
鏡に映ってるのは間違いなく私だけどその表情や仕草は私じゃない
「え」
「なんでそんな驚いてる顔するのさ!貴方が呼んだんでしょ?」
彼女は笑いながらそういった
呼んだ?
ってことはやっぱり都市伝説は本当だった?
けどこんなに人格が違うのか?
まるで私じゃないみたいだ
「本当だったんだ…」
「何それひっどーい。アタシを信じないの?!」
「いや、そうじゃなくて…」
「ふーん」
と彼女は怪しそうに私を見つめる
彼女も私なんだけど
「あなたはなんでアタシを呼んだの?興味本位って感じじゃないけど」
「えっと、」
なんで、か
「なんか、話す人いなくて、お母さんもお父さんも、夜とかに帰ってきて話せなくて、学校も、なんか色々あって」
「ごにょごにょしない!」
「はい!」
彼女は怒ったように人差し指を立てて私に言った
「友達が欲しかったってことでOK?」
「つまりそう言うことです…」
「なるほどねぇ…」
どうしよっかと言って彼女は腕を組んで考える
「貴方が友達になってくれると、いいなぁ、って」
「はぁ?!」
「自分と友達とか悲しすぎるでしょ!」
「いや、けどぉ、」
趣味とか合わなかったら嫌だし
喧嘩とかしたくないし
私のこと知ってるの私だけだし
「都市伝説は魔法じゃないの!」
そんなことは知っている
だけど、これに縋る以外に方法がなかったんだ
「知ってます、だけど、私なんかがどれだけ頑張ってもどうせ、みんな見てないですよ。どうせ友達なんてできないんです」
「根本的な話無理なんですよ、」
「無理とか言わない!」
「なんでそんなにプラス思考になれるんですか…」
本人はこんなにネガティブなのに…
なんでこんなに違うんだろ
私もこんな感じになりたかったな
コレだけ明るければみんなも仲良くしてくれるだろう
こんな小さな悩みなんて抱えることもないだろうなぁ
あーぁ、私もこうなりたい
「アタシにできることが貴方ができないわけない!だってアタシは貴方なんだから!」
なんて意味のわからないことを言っている
「無理だよ」
「まずそのマイナス思考を治そうよ!」
「無理無理」
「そんなこと言うから友達出来ないんだよ!」
そう言われ思わず言い返す
「関係ないよ!私がこうなったのは環境のせいだ!環境が全てを変える!みんな、みんな私と話してくれなかった!家族ですら!私は悪くない!仕方ないんだよ!」
こう怒鳴ったのは何年ぶりだろう
興奮して息を整える暇すらない
「違うよ、人は変わろうと思えば変われる!あなたに勇気がないだけだ」
やめてよ
そんな透き通った目で私を見ないで
私の顔で私を知ったように言わないで
知りたくない
そんな事実知りたくないから
「勝手にアタシを呼んで何を言ってるの」
「私が呼んだのは、」
「私が呼んだのは私みたいな子と友達になりたかったから!あなたじゃない!あなたなんて呼んでない!」
「違うよ心に嘘をつかないで、あなたは」
「知らない!黙って!私の偽物なら私の言うことを聞いてよ!」
「れい!」
私の名前を呼ばれて思わずはっとなる
「あ、ごめん」
「大丈夫、アタシこそ言いすぎたね」
「今すぐ治してなんて言わないからちょっとずつ治していこう、友達ができるまでアタシと一緒に頑張ろうよ!」
とガッツポーズをしてくれる
「友達ができるまで?」
「うん!」
「友達ができるまで一緒にいてくれる?」
「もちろんだよ!」
彼女はイマジナリーフレンドみたいなものなんだ…
けど彼女の言うとおり私はマイナス思考でネガティブだ
だから
そこから少しづつ治していこう
そしたらちょっとは友達ができるようになるはず
「よろしくね」
名前なんて言えばいいのかな
同じれいだし
「貴方名前なんて呼べばいいの?」
「アタシ?うーんそうだなぁ」
と鏡の中でぐるぐると回る
「れみとかは?」
「私もそんな感じの名前が良かったなぁ」
「その羨むようなくせやめよう!」
「わかった、」
ダメなところは治していい所は伸ばしていこう
これを子供にやってる親はすごいなぁなんて思ってしまう
「もう帰った方が良くない?」
「え」
時間はもう10時になっていた
「うわ!補導かかる!」
「またね!!れい」
と手を振ってくれる
「またね」
急いで荷物を持って学校を出る
なんか
なんか友達みたいだ!
この日から私変えよう作戦が始まった