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今日もいつも通り誰とも話さず学校行って家に帰って勉強して寝る
そんな生活を送るつもりだった
「なんで、れみがいるの?!」
気づいたのは今さっき
歯ブラシをしている的に鏡の私とリアルの私の動きがリンクしてなかったからだ
「だってれいが心配なんだよ!あと暇だしねぇ」
絶対後者でしょ…
「鏡の中って何があるの?」
「何も無いんだなーこれが」
「れいがアタシを呼ぶまでは自我すらなかったから暇とか思わなかったんだけどね!」
「そうなんだ」
「うんうん」
そして相変わらず私の見た目で私じゃない動きをする
鏡の中で動き回ったりウィンクしたり
私の顔だからやめて欲しい
「私準備するからしばらく見ないでよ!」
「えー?アタシはれいだよー?」
「さっさと出ていけ!」
そう言って鏡かられみを追い出す
しばらくすると登校する時間になった
「いってきまーす」
誰も返してくれないけどそう言って私は家を出た
そういえばスマホでもれみは出てくるのかな
そう思ってスマホを覗き込む
暗い画面に私が写ったと思ったら急に笑いだした
あぁ、いる
「れい!学校に行くんだね!」
「静かにして…」
あまりに大声で言うものだから周りの人に不振な目で見られる
「あ!ごめんごめん」
そう言いながら彼女は笑っている
全く呑気なもんだ…
「今日は誰かに話しかけてみようよ!待ってるだけじゃダメだよ!」
「けど私話しかけたことないし、話題が、」
「趣味が合いそうな子頑張って探そ!絶対見つかるよ!」
そう言って胸を張る彼女は私の姿とは思えないほど堂々としていた
「わかった…」
自分から話しかけるなんて絶対しない事の1つだと思っていた
趣味が合いそうな子か…
そんな子いるかなぁ
そうこう考えているうちに学校についていた
れみの言う通り待ってるだけじゃ一生友達なんてできない
話しかけてみることも大切だよね!
とりあえず頑張ってみよう!
と意気込んだのはいいけど結果はことごとく失敗
私が話しかけようとするとみんな離れていくし嫌われてたのかなぁ…
避けられているとは思ってなかったので少しショックを受けてしまった
確かに全く喋らない子が話しかけてきたら怖いけどそんなにあからさまに避けなくても…
放課後誰もいない教室でうんうん唸っているとれみがスマホから飛び出してくる
「出来なかったんだ…」
と、とびだした瞬間あからさまに肩を下げてそう言ってしまう始末だ
「私嫌われてるのかな…」
「なんでだろうね。清潔感あるし勉強とかも出来そうなのに」
「やっぱり根暗なのがダメなんじゃない?」
指を鳴らしてそう言われてまたいっそう落ち込んでしまう
「今日頑張ったのになぁ…」
「そうだ!」
と手をぽんと叩く
「アタシと一緒にプラス思考になる練習しよう!」
ネガティブなのを直そうってことかな
けどそんな簡単に治るなら今頃こんな事で悩んでない
私も治そうと頑張ったことはある
もう少し自分の意見を言ったりプラスに考えようと
だけど最早癖になっているんだマイナスに考えるのが
だから治すのはもう諦めていた
「まず!今日のこと!」
「話しかけても避けられる!さぁどうしよう!」
「諦める、どうせ私なんて嫌われてるんだよ私なんか話しかけたら輪のバランスも崩れるだろうし私は大人しくしてるのが1番」
「ぶっぶー」
そう言って彼女は手でバツ印を作る
「正解はアタシが話しかけてびっくりしちゃったもしくはアタシのことが好きすぎて思わず避けちゃった」
何だこのナルシストみたいな発言は
私の体なんだからやめて欲しい
「私もれみみたいになりたい」
ボソッとそう呟いてしまった
しまった
そう思ってれみの顔色をうかがう
「れーいー?」
「前も言ったよね?!羨む癖やめなって!」
だってぇ…
と言ってもそれ以上の言葉が出てこない
「私も元が明るかったら良かったのかなって…」
「今はそれの練習!」
「もう少し頑張ってみようよ」
やめて、
「うん、頑張るね」
口でそう言っても私は上手く笑えない
やめて欲しいな
貴方になりたいと強く憧れて
私のことに必死になるあなたが大好きで
そして、そんなあなたといると強い劣等感に襲われる
そんなことを知らずに彼女はプラス思考の練習を必死に行う
人と喋らない私はいとも簡単に彼女に堕ちていく
「ちょっと聞いてる?!」
頬をふくらませて彼女は聞いてくる
「聞いてるよ」
「んじゃ次の場合ね」
彼女はどんな状況でもプラスに考えられるように色々なマイナス状況を作っていく
教室に夕日が差し込む
茜色とはこうゆうことなんだろうな
教室に映り出される影は一つだけ
それでもれみはここに存在している
もしかしたらこれは私が生み出した幻想かもしれない
そんな状況だったとしても私はこの場所が酷く居心地が良かった