渚ちゃんの発言で、僕は一気に押し黙る。店内は静けさを取り戻し、キッチンの水滴が一滴落ちる音がその場に妙に響いた。
目を逸らすことをしない僕に、居心地が悪くなったのか、渚ちゃんは俯く。スカートを握りしめる指先は、バイト中とは違う、パステルピンクのネイルが輝いていた。
(女の子だなぁ…)
僕は渚ちゃんのように、好きな人のために辛い思いをしてまでダイエットをしようとは思えないし、もしそうしなければ今後の付き合いを続けられないと言われたら、迷わず別れを選んでしまうだろう。
それは僕がまだ諦めきれない程、誰かを好きになったことがないからそう思えるのかもしれない。
でも、自分の恋愛経験を差し置いても、渚ちゃんにこれ以上苦しい思いはして欲しくはなかったし、毎朝コーヒーを手渡しながら見せてくれる彼女の笑顔は、どうしても僕の心を掴んで離してはくれない。今まで通り、いや、それ以上に笑っていてほしい。********************
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