コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
余はあまりアジトには顔を出さない。顔を出すときも必ず連絡してから行っていた。今日は仕方ない。スマホを壊してしまったから連絡のしようがなかったのだ。
武装したヤクザと戦ったときも、味方の十倍以上の人数のヤンキーと戦ったときも、余はたいてい笑っていたと思う。その余が殺意に満ちた怒りの表情をしているのを見て、アジトに集合した幹部の誰もが言葉を失っていた。
「連れてこい」
「誰を?」
と聞き返した西冬馬はいきなり猪狩徹也に殴られた。
「あの二人に決まってるだろ。空気読まずにとぼけたこと言って総長をこれ以上怒らせたら、おまえ殺されるぞ」
「おれが連れてきます」
と手を挙げた者が何人がいたが、
「しくじったら死人が出る」
と言って、徹也が自ら五十人ほど連れてアジトから出ていった。その二人以外にも連れてきてほしい人たちがいたから、それは慎司に頼んだ。慎司も五十人ほど引き連れてすぐに出発した。