テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
596
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
桜の花びらが舞い散る、希望に満ちた春の始まり。佐久間大介は、全寮制の私立男子校、聖桜学園の門をくぐった。
新学期しかも3年生
なぜそんな時期に編入してきたのかというと、
「はぁ〜会社が倒産した!?」
「父さんが倒産したなんちゃって」
「ふふふっあなたったら〜」
「おい!もっと危機感持てよ!!」
他の兄弟も危機感ないのか、
慌てる様子もなくスマホいじってるし
「そうだお前には、親戚の経営している聖桜学園に、転入してもらうから」
「パパね、親戚に頭下げて卒業してから学費お支払いしますからって」
「はぁ〜奨学金制度じゃねぇかよ」
「正解」
「あなたは折角ママが可愛く産んだんだから、お金持ちが集まる学園なんだから、いい人掴まえちゃえばいいのよ〜」
「アッシー、メッシー、ミツグくんを作るのよ」
「はぁ何それ」
※バブル時代用語
残念ながらテレビでしか知らない世代なので、調べました。
アッシー(運転してくれる男)足代わり
メッシー(ご飯を奢ってくれる男)
ミツグくん(プレゼントを貢いでくれる男)
「古っ」
「てな訳で頑張れ!」
こうしてダルい生活が始まるはずだった。
始業式全校集会で生徒会長の挨拶中ー
「凛とした姿の生徒会長って素敵だよな」
「今年の姫って、やっぱり生徒会長なのかな」
「だよなぁ」
小声だから薄ら薄らしか聞こえてこないが、
付近に居る生徒たちの会話を小耳に挟んだ。
(何それ)
この時はそう思い聞き流し、こんな役に立たない会話なんて覚えては居なかった。
寮の前ー
全寮制の学園イメージよりも、
建物内が広大でやっと学園を出て地図通り、
寮に到着した時点でどっと疲れ果てていた。
玄関先からホテル並、部屋を探すのに一苦労しそうであった。
ドンッとぶつかり喧嘩を売った男が、生徒会長との出会い。
現在、前を歩いて先導してくれるが、面倒くさそうに部屋まで案内はしてくれるらしい。
そういや〜さっき
「お前『姫』になれ」
生徒会長から命令されたけど…姫ってなんなんだよ。
「姫ってなんなんだよ」
「説明いるか?この学園には特殊な伝統があって」
「この学園の伝統で、毎年生徒会長が『姫』を一人選ぶんです。姫は生徒代表のような存在……時には、学園のアイドル的な役割で」
「アイドル?くだらねーよな」
「この学園の『姫』はアイドル的役割とも言ったものの単なる飾りじゃない」
「できる訳ねえよ?冗談だろ」
転校生は自嘲気味に笑う。
沈黙が流れる
「そういえば名前聞いてませんでしたね」
「オレは佐久間、3年な」
「えっ!?」生徒会長は思わず声を上げた。
小柄な体格と幼い顔立ちから、てっきり1年生かと思っていたのだ。
「先輩なんだそれで」
「こっち、見るじゃねぇ〜」
佐久間は歩きながら、窓の外を見つめながら静かに言った。
「父親の会社が倒産し、親戚が経営してる学園に強制的に、ここに来させられたって訳」
それまで黙って聞いていたが、
強制的って所に多少共感が湧いた。
そうこうしている内に、扉の前で止まった。
「ここか?」
佐久間は尋ねた。
「はいこれ鍵ね」
鍵を手渡してくれるものかと、軽くではあるが思えば放り投げて来た。
放物線を描く落下した所で慌てて両手で、キャッチをした。
「投げるんじゃねぇーよ」
ギロリと睨見つける。
キャッチした鍵を、見るとキラキラまるで、宝石のように銀色に光り輝いていた。
ふと疑問に思う。何故こいつが【この部屋の鍵】を持っているのか、気になってしまったらソッコーで聞かないと気が済まない。
「おい、お前さなんでこの鍵持ってんの?」
「さっき言ったろ『姫』になれって」
ドアに、指を指す。
「ここ姫の部屋な」
「それだけじゃわかんねーつーの」
はぁ〜 少し溜息をついてから説明を始める。
この聖桜学園には、独特の伝統があって毎年4月、学園の象徴として『姫』を選ばないといけない訳、んで
その決定権は生徒会長にあり、一度選ばれた者は拒否することさえ許されないって制度、それで俺はこの鍵だけ特別に持っていたって訳
「まぢかよ」
「あっ!?」
始業式全校集会で生徒会長の挨拶中、生徒たちの何気ない会話を突然思い出した。
「凛とした姿の生徒会長って素敵だよな」
「今年の姫って、やっぱり生徒会長なのかな」
それに良く見ると、ダルかった全校集会で何だか見たような顔である。
「まさか…お前生徒会長かよー!」
「生徒会長です」
オレに気色悪い笑顔を向けた。