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教科書20ページ分に載っている漢字をひたすら書いて覚えた。自分が喋っている言葉が文字だとどんなふうに書くのかが分かると楽しくて、勉強は面白いことだと感じた。その後は実際にその漢字や言葉を使って短い文章も書いてみた。


『わたしのなまえは命です。』


「そうだ。お前の名前だ。この漢字は本来『いのち』と読むことが多い。他の読み方が『みこと』だ。」


『いのち』と『みこと』。だからお父さんもお母さんも命ある限り頑張れって言ってくれたんだ。『いのち』ある限り頑張れ。『みこと』ある限り頑張れ。私が生きている限り諦めるなってことだったんだね。


「何を笑ってる?」

「文字を見たことはあったけど、ちゃんと自分の名前のことを考えたことはなかったから、書けるようになって嬉しいなって思う…です。お父さんとお母さんがよく私に『命ある限り頑張れ』って言ってくれたです。それって私が生きている限り頑張れって応援してくれてるって思うから、幸せだなって。」


「そういやお前、この間言っていたな。キスなんてしない、命ある限りって。」


そういえばそうだった。あの時は怒りと必死でとっさに口に出しちゃったんだっけ。


「今もキスはしてくれないのか?」

「しない…です。それに、『忠誠』の意味が分からないから。知らないことは簡単に受け入れちゃいけないってお母さん言っていたから。」


「そうか……お前の親は良い人だったんだな。生活が苦しくても大切なことをお前に教えてやってくれてる。あそこでお前にキスさせたかった。でも、キスをしないお前を見て余計にもっと欲しくなった。お前の全てを。」


「如月さんのお父さんやお母さんはどんなことを教えてくれたですか?やっぱりお金持ちだと知ってることも多いですか?」


「僕は……僕の親は……。」


コンコン


如月さんが途中まで言いかけたとき、ドアを叩く音が聞こえた。


「朝食の準備が整いました。」

「分かった。少ししたら命と降りる。」


「かしこまりました。」


「命、この話は終わりだ。だけど、1つ思うのはお前が羨ましいことだよ。」

人間オークション~100億の絆~

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