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第4話文化祭
あれから翌朝
あの時の琉生の姿が頭から離れなくて、一睡もできなかった
もう、自分が自分じゃないみたいに、琉生のことしか考えられなかった
『やべーだろ…、』
と、部屋で嘆く
俺はどうしちまったんだ、と頭を抱える
それでも、琉生の笑顔やあの表情、言葉が離れてくれない
『っ……//』
ループされる映像に自分自身も赤くなる
『あっ!』
『やべ、学校…!』
ぼーっとしすぎた
すぐさま部屋を飛び出て、朝食のパンを頬張る
俺は一人暮らしだ
親は兄の上京に付いていった
別に淋しくない
悲しくもない
_ただこの家がやけに大きく感じるだけだ
そう、たったそれだけのこと
陸上部の経験を活かし、猛スピードで玄関を開ける
『行ってきますっ!』
行ってらっしゃい、という都合のいい返事は来ない
誰もいないリビングに響くだけ
それでも、俺は言い続ける
誰もいなくても
返事がなくとも
皆で一緒に過ごした家だから
俺の耳だけには、確かに聞こえる
【行ってらっしゃい!】
俺はさらにスピードを上げ、校門へと走り出した
校門近くで琉生が見えた
『あ、おーi』
声をかけようとした時、琉生の友達らしき人が琉生に声をかけていた
遠くからでも聞こえる楽しそうな声
少しだけ、心がもやっとした
いつもはあまり見ない笑顔を俺の知らないやつに向けていて、先程までポジティブだった気持ちが一気に沈むのを感じ取れた
琉生に友達ができたのはよかったじゃないか
そう思う反面、どうしても嫉妬の気持ちが消えない
『俺以外見んなよ…』
誰にも聞こえないくらい小声で言う
一人、とぼとぼと足取り重く校舎に向かった
[ここは__で、こことの関わりが……]
授業が耳に届かない
何を言ってるのか分からないほどに、俺の頭はぼーっとしていた
ずっとずっと朝のことが頭から離れない
あれは誰だったのか、どんな関係なのか
知りたくて知りたくて、でも知るのが怖い
なんとも矛盾している
自分の気持ちがわからない
〚お〜い、涼?〛
ぼーっとしすぎていたらしい
黒板を見て次の授業が移動教室だと気づく
『あ、やべっ』
『サンキュー、今行く!』
扉付近に立っている友人にお礼を言い、後を追った
4組の前を通る時、琉生の顔が見えた
「〜ー!」
〔〜〜w〕
楽しそうに話している
もやっと、心に黒い雲がかかったみたいだ
もう耐えられない
お前は、俺だけ見てればいいのに
俺以外しらなくていいのに
自分の束縛具合が異常なものくらいしってる
でも、それでも俺のこの思いは変わらない
なんて頑固なのだろうと、自分でも思う
でもこれは譲れない
譲りたくない
我慢して、我慢して、4組に凸ることはしなかった
昼休みの西階段
我慢していたものが弾き飛びそうになる
「あ、清水」
「ごめん待った?」
と、俺の目を見て聞いてくる
『いや、いま来たとこ』
俺は作り笑いの笑みを浮かべた
「__で〜、__」
琉生の言葉も聞こえない
ずっとずっと、考え事ばかり
こんなに楽しみにしていた時間すら、朝のことで埋め尽くされる
「__でね、s」
『ねえ、ちょっと聞きたいんだけど』
恐らく俺に向けて質問してくれようとしていたであろう言葉を遮る
「え、なに?そんなに改まって」
琉生は俺のいつになく真剣な顔に驚いた様子だ
『…朝の、琉生と話てた奴誰?』
「…え?」
『…ぁ、』
聞いてしまった
ずっと我慢していた言葉が、出てしまった
『ぁいや、ごめん、なんでもn』
「朝の奴…、ぁあ廉くんのこと?」
『え、れんくん、?』
『ごめん、知らないや…』
まさかすんなりと名前が出てくると思わなかったから、驚く
そして、知らない名前に不安がよぎる
「最近うちのクラスに転校してきた子なんだ、知らないよね、w」
『あ、ああ…ごめん、』
「いや、なんで清水が謝ってんのw」
『だって、琉生の友達知らないから…』
「そんなの僕もあるでしょ、僕清水の友達全くわかんないし」
案外優しく教えてくれる琉生にホッとする
「それに、廉くんはまあ友達、なのかな」
「なんか、4組の学級委員が明日の文化祭で忙しいから、風紀委員の僕が廉くんの案内人ってわけ」
そう、だったんだ、と心の中で歯切れ悪く言う
『…そういえば、もう明日は文化祭か…』
『早ぇな…』
「ね、1年ってほんとはやい」
続きの話題が見つからなくて、転換する
俺の悪い癖だ
これまで1週間忙しなく準備してきたが、それが明日で終わりとか、あんまり実感がない
昼休み5分前に琉生と別れて、クラスに戻る
最後の準備に取りかかるために
朝の奴が誰なのかわかってスッキリした反面、まだ少しもやもやとした感情が残る
琉生は友達と言っていたけど、その廉ってやつはどうなんだ?
…なんて、考えすぎだろうか
第5話当日
{おーい、涼!}
{さっさとそっち運んで〜!}
『やってるよっ!💢』
周りから笑いの渦が巻き起こる
『俺は真剣なんだけどな…、w』
届きもしない気持ちを抱えて、セットの準備をする
俺達のクラスは喫茶店だ
なんか、知らないうちに決まってた
そして、何故か執事服を着せられる
{お〜、似合ってんじゃん!w}
『笑ってんじゃねーよ!w』
お決まりの黒白の服にネクタイ
それに自慢のふわふわの髪もガチガチにセットされてしまった
俗に言う、ホストみたいだ
『はっ、笑えねぇよ(小声)』
自分の思ったことに対し、突っ込みを入れる
ちなみに琉生のクラスはわからない
昨日帰りに聞いた所、「内緒!」だそうだ
[只今から、第59回星嵐学園文化祭を開催します!]
各所に配置されたスピーカーから、開始の合図を送る放送委員の声が聞こえた
〔よし、もりあがっていくぞ〜!!!〕
と、口々に声を上げる
俺は残念ながらそんな気にはなれない
楽しめないと言えば嘘にはなるが、思いっきり楽しむことは難しそうだ
{おーい!涼!}
{さっさと仕事するぞー!!}
友人が声をかけてくる
『はいはい…』
やる気なさげに返事をする
〘すみませーん〙
お客が声をかけてくる
『はい、お決まりでしょうか』
面倒だが丁寧に返事
〘はい、これと__〙
《っと、それよりお兄さんかっこいいですね!》
お連れの女性がナンパしてくる
正直だりぃ
『はぁ、ありがとうございます』
本当にどうでもいい
《え〜つめたーいw》
これをどう切り抜けるか考えていた
「あの、すみません」
「清水借りてってもいいですか?」
「用があるので」
どこからともなく琉生が現れる
「いこ」
と、ぐいっとひっぱってくる
『ぉわっ、』
『おい、琉生どっから来たんだよ、』
『お前のクラスのやつは?』
と、いつになくつんっと拗ねてみる
「僕は午後担当なの、だから清水のクラス覗きにきたら大変そうだったから、」
少しむすっとしている気がする
変な聞き方したからかな…
『…ありがと、』
前で手を引く琉生
そんな後ろ姿に目を向けることなんてできず、俺は窓の外を見ていた
心無しか、赤くなっていたかもしれない
だから願う
どうか、この思いが気づかれませんように_
ほんと久しぶりの投稿だね…w
ごめんね💦
がんばって書きます!w
次回⇒第6話ライバル
コメント
3件
嫉妬っすか、? いいね〜笑笑