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「ロマが悪いんでス。」

「ロナがいけないんでス。」

「悪いノ、ロア…でス。」

何故こんな大騒ぎになったんだろう。答え、不明。真偽、不明。

「こ、ここでなにが…」

「「悪いのは@#*&#でス。」」

ごめん。何言ったか全然聞き取れんかった。てか、何?何かロアが二人増えとる。何故に?それから何やかんやで話はまとまり三人は冷静を取り戻し4者面談が始まった。

「まズ、娘様はこの二人をご存知無いと思われますので消化致しまス。ご存知の通り私は主様の契約ドールのロア・リーと申しまス。そしてこのハーフトップのドールがロナ・シーでス。最後にこのツインテールの無口なドールがロマ・キーです。」

ほうほう?ん、まあ、お母さんだから。こう考えるとお母さんって、本当はかなり強かったりして…?てか、まだロアレベルのドールが居ると思ってなかったわ。ドール、それはこの世に存在する言わば地縛霊。その地縛霊をドールと呼ばれる核に入れて封印して悪さを出来ないようにする。ちなみにその封印する人の事を封印師と言う。そんまんまな名前だね。で、その地縛霊ドールが何でこんなところに居るのか、それはお母さんが名付けをして、主として認められたからです!本で読んだけど、たまに居るんだよね。仲間として契約する人が。しかもお母さんに限っては3人も。で、それは百歩譲っていいんだけど、問題は、その3人の座っている丁度真下ら辺に何か妙に赤い液体が溢れていることなんだよね。え、君ら何してんねん。まさかと思うけど…、ロア、ロマ、ロナ、君らはいい奴らだったよ。ロマとロナは知らんけど。

「じしゅする?」

「「しなイ。(でス。)」」

断固拒否された。どうしよう。お母さんも暫くは起きないって言うし……よし。

「じ…」

「「しなイ。(でス。)」」

さっきと同じ様な感じになってしまった。何故だ。何故こんな…ん?私は床に転がった何かに目が行く。そして次の瞬間息を呑んだ。

「ひっ。」

そこに転がっていたのは得体のしれない何か。よくよく見れば熊の頭みたいだけど毛は白いし。しかも何だ?この立派な犬歯は!何?君は白熊とサーベルタイガーを合体させたキメラなわけ?

「あア、これハ、ヘルベルペトスですネ。危険度B。その長い犬歯が一番の攻撃方法デ、普通の冒険者パーティでは返り討ちに遭うでしょウ……どうしたのですカ?戻ってきてくださイ。」

ごめん、無理。あれに気づいたらそっち向くのもつらいッス。くそう、何で気づかなかったんだ。あんな至近距離にあったのに。何か毛玉があるなーぐらいに思ってた。いや、普通部屋にでっかい毛玉何て、ねーよ!

「ごめん、もういいからそのへやかたづけてくれない?ほんとうはてつだいたいんだけど、ごめん。それがおわったら、わたしのへやにきて。」

私はそれだけを言い残し自室に戻った。あれはきついでしょ。自室に入って思ったのがそれだった。いやさ。多分ロアが化け物なのは知ってたけどさ、あれは無いわ。てか、解体…?なの、かな?を、しようとしたんだよね。やばっ、あの子達に片付けられるかすっごい不安になってきた。うむむー、早くお母さん起きてよ、もー!私は心の中で訴える。が、このときの私はまだ知らない。お母さんが十数年もの間目を開かないなんて。


__開章、ある王様は激怒する

クソっクソっクソっ!何故だ!?何故私が自ら精霊族に頼み刺客を用意したというのに!何故あの女の娘が殺せんのだ!しかも、アリシアナ・ローアンゼルクという駒も無くなってしまった!クソっ!あの女は一体何をした!?全てが上手くいかない。何故だ?まあ、ミルフォルドとウィルカルファは誤魔化せたがいいものの…ローアンゼルクはそうもいかん!それに加え何だ?あの態度は!たかが勇者の弟子ってだけのくせに。魔族に手を出すなだとぉ?笑わせる!いつか!いつか絶対にあの女と娘を殺してやる!だが、今殺すのは得策ではない。あの女も居るし、あの厄介なドールもいる。我々の兵で叩きにいってもコテンパンに返り討ちにあうだけだ。…ん?手を出せない?

「そうか…ふっ。」

セレスツィアナの娘よ。存分に楽しむがいい。王立学園での上っ面の青春をな。この私が守護者も何も居ないところで必ず殺してやる!

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