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#狂愛
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「この三人のうち」
「一人だけを残す」
画面に映った文字。
俺は。
何度も読み返した。
「……どういう意味だよ」
母さんは。
俯いたままだった。
「悠真」
「話して」
「全部」
俺は。
母さんを見る。
「どうして」
「俺たち三人を」
「選ばなきゃいけなかった?」
母さんの目から。
涙が落ちる。
「私たちは」
「選びたくなかった」
「じゃあ誰が?」
「Rよ」
俺は。
拳を握る。
「Rは誰なんだ」
母さんは。
答えなかった。
代わりに。
父さんが。
204号室へ入ってきた。
「……俺だ」
俺は。
振り返る。
「父さん?」
父さんは。
ゆっくり歩いてくる。
「最初のRは」
「俺だった」
俺は。
言葉を失う。
「俺が」
「お前たち三人を」
「選んだ」
「何で……」
「選ばなければ」
「三人とも」
「消されていた」
「……」
「Rには」
「ルールがあった」
父さんは。
静かに続ける。
「三人の子供を」
「そのまま育てることは許されなかった」
「だから」
「一人を残す」
「一人を守る」
「残りは」
「別の場所へ送る」
俺は。
蓮を見る。
蓮は。
何も言わない。
「じゃあ」
「俺が選ばれたのか?」
父さんは。
頷く。
「そうだ」
「なんで俺?」
父さんは。
苦しそうに答える。
「お前が」
「一番普通だったからだ」
「……普通?」
「Rのことを何も知らない」
「何も背負っていない」
「だから」
「お前だけは」
「普通の人生を生きられると思った」
俺は。
唇を噛む。
「じゃあ」
「蓮は?」
父さんは。
蓮を見る。
「蓮は」
「お前を守る役割を選んだ」
「自分から?」
蓮が。
頷く。
「俺が選んだ」
「悠真を」
「普通に生きさせるために」
俺は。
何も言えなかった。
「じゃあ」
「凛は?」
沈黙。
誰も。
答えない。
俺は。
もう一度聞く。
「凛はどうしたんだよ」
母さんが。
震える声で言った。
「凛は」
「消されることになった」
「……」
「でも」
「私が」
「それを止めた」
俺は。
息を止める。
「どうやって?」
「美咲のお母さんに」
「頼んだの」
俺は。
美咲を見る。
美咲も。
驚いている。
「私の母?」
「そう」
母さんは。
頷く。
「凛を」
「別の場所へ逃がしてもらった」
「だから」
「凛は生きてる」
俺は。
少しだけ。
安心した。
でも。
まだ。
疑問が残る。
「じゃあ」
「今」
「凛はどこにいる?」
母さんは。
答えない。
その時。
スピーカーから。
声が流れた。
『近くにいる』
俺たちは。
一斉に画面を見る。
『ずっと』
『君の近くにいた』
俺は。
周囲を見る。
「……誰だよ」
『君は』
『もう一度』
『最初から考えてみるといい』
画面に。
今までの出来事が。
次々と映し出される。
闇バイトの応募。
最初のメッセージ。
海斗。
消えた参加者。
美咲。
R。
204号室。
蓮。
そして。
俺。
映像が。
一つの場面で止まる。
俺が。
最初に闇バイトへ応募した日。
スマホの画面。
応募ボタン。
俺は。
その映像を見つめる。
「……」
Rが。
静かに言う。
『君は』
『自分から応募したと思っている』
俺は。
顔を上げる。
『でも』
『違う』
「……何?」
『君が応募する前から』
『君は選ばれていた』
俺の背筋が。
凍る。
「じゃあ」
「最初のメッセージは?」
『私が送った』
「なんで俺に?」
『君が』
『神谷悠真だから』
「答えになってない」
『なら』
『最後の答えを』
画面に。
一つの名前が表示される。
**神谷凛**
俺は。
息を止める。
『凛は』
『君を守るために』
『Rになった』
「……」
『君が応募した時』
『最初に連絡したのも』
『君を監視していたのも』
『海斗を組織から切り離したのも』
『全部』
『凛だ』
俺は。
画面を見つめる。
「……凛が」
『そう』
蓮が。
静かに言った。
「だから」
「俺たちを」
「ここまで導いたのか」
『違う』
声が。
少しだけ震えた。
『ここまで来たのは』
『悠真自身だ』
画面が。
真っ暗になる。
そして。
最後に。
一行だけ。
**『Rを終わらせるには、選ばないこと』**
俺は。
その言葉を見る。
「選ばない?」
父さんが。
ゆっくり呟く。
「……そういうことか」
俺は。
父さんを見る。
「何が?」
父さんは。
昔の自分を見るような目で。
俺を見た。
「Rは」
「ずっと」
「誰かに選ばせてきた」
「助けるか」
「見捨てるか」
「従うか」
「逃げるか」
「でも」
父さんは。
続ける。
「その選択そのものを」
「拒否すればいい」
俺は。
息を吸う。
ようやく。
この物語の始まりが。
見えた気がした。
Rは。
人を選ぶ。
だから。
俺は。
選ばない。
その時。
スマホが震えた。
最後のメッセージ。
**『明日、204号室で待ってる』**
その下。
送り主の名前が。
初めて表示されていた。
**神谷凛**
俺は。
その名前を。
静かに見つめた。
ついに。
会う時が来た。
(最終話へ続く)
コメント
1件
美月ゆめかだよ〜〜〜🌸😭💕 第59話、読み終わったんだけどマジでやばい!「選ばないこと」がRを終わらせる鍵って…そこに辿り着くまでの家族の選択と秘密が重すぎるし、凛がずっと悠真を守ってたって知って泣きそうになった😢💦次回いよいよ最終話!?凛と会うシーン、絶対エモいやつだこれ…震えるわ…🔥