朝日が昇る頃には二人は完全にお互いの事を理解した、この時二人は一心同体になっていた、定正の辛い経験を鈴子は同情し、自分も定正の立場だったら同じ行動を取っていたと彼に全肯定の意を示した
最初に鈴子が動いたのは覚えていた、定正のシャツの第四ボタンまで外したのだ、そしてその中に手を入れ、温かい彼の肌に触った
「あのぅ・・・話しておきたいことがあるんですけど・・・私、実はバージンなんです・・・」
クスクス・・・「なんと!それでは私は、7000人いるうちの女性社員で唯一のバージンに四年間も恋していたのか?」
彼の温かい胸を撫でながら続ける
「そういうの・・・嫌じゃありませんか?こんな歳になって・・・」
「光栄なことだと思っているよ」
二人は朝日が昇る中、ニッコリと笑い合った、すべては理解と思いやりと優しさの表現から始まった、優しくお互いの事を話し、それが少しづつ男女の官能的な欲望に変わっていった
―この人が欲しい・・・与えてくれなければ頭がおかしくなりそう―
鈴子の気持ちに応える様に、定正が服を脱ぎ始めた、それを鈴子が手伝った
「これも取ってしまおうね、そしてこれも・・・」
そう言いながら定正は鈴子のブラジャーをはがし、パンティも脱がせた
「これもいらない・・・」
鈴子も定正のボクサートランクスをぐいっと脱がせた、一糸まとわぬ姿になった二人はぴったりとお互いを抱きしめた、彼は中年の割には引き締まった体をしていた、定正の心臓の鼓動は鈴子の鼓動に共鳴していた、定正の腕はベルベット地の感覚の様に柔らかく鈴子の全身を撫であげていた
ああ・・・とっても気持ち良い・・・人肌ってこんなに気持ち良いんだ・・・
定正の硬くなったモノが鈴子のお腹を突いている、早く挿入ってきて欲しかった、今こんなに抱き合っているのに、こんなにぴったりくっついているのに、どうしても心の空虚を埋められない
定正の手は鈴子の感じやすい部分を求めて愛撫を続けた、鈴子は身をよじらせて定正をせがんだ
「しーっ・・・こらっ!鈴子、焦らさないでくれ、せっかく痛くないように準備をしているのに」
溶けそうな温かいキスを鈴子の体中に這わせながら定正が優しく叱る
「痛くたって平気だもん!」
彼が挿入ってくるのが待ち遠しかった、いよいよ彼の先端が鈴子の入り口に当てがわれた
―温かい・・・―
そう思った瞬間、激痛が走った、裂けたと思った、一瞬、外科手術をしている自分が脳裏に走った、鈴子が痛みに顔をしかめると、定正は驚いて腰を引きかけた、鈴子が彼の腰に両脚を巻き付けてしっかり自分に引き寄せた
大丈夫だから続けろとせがんだ、そして痛みはやがて消え、それから後は未知の体験の連続だった
気持ち良い、悪いよりも、自分がまさにリアルに愛しい人とこういう事をしていると言う興奮の方が強かった、彼に与えたかった、彼にもらいたかった、何を?と聞かれればよくわからないけど、とにかく彼の全てが欲しかった
「おおっ!鈴子!おおっ!鈴子!」
定正自身も鈴子に煽られ、もはや遠慮はなくなっていた、リズムに乗って鈴子の奥深くに挿入り、優しさと愛のこもった動作で鈴子の心も身体も揺さぶった、そして最後は荒々しく突くと、彼は彼女の中で静かになった
「ああ・・・痛かっただろうね?すまないね・・・」
定正は鈴子の股間を拭いて、破瓜の血液がついたティッシュを見つめてシュンとした、彼の背中は申し訳ない気持ちが現れていた、実際、定正ほど鈴子はダメージを受けていなかった、彼に後悔して欲しくなかった
「回数をこなすと、とっても良くなるんでしょ?早くその域まで達したいわ、手伝ってもらわなきゃ」
「逞しいな、全力を尽くすよ」
定正は大爆笑した、朝日が昇りきっても、もう一度二人は愛し合い・・・そして語り合って、笑いあった、まるでずっと昔からの恋人同士のようにうち解けていた
抱き合ったまま朝日に輝く琵琶湖の湖面が反射して、定正の髪を茶色に輝かせていた、鈴子は改めて彼の顔を見た、乱れ髪を枕に乗せた自分よりも何歳も年上の男性を可愛らしいと思ったのは初めてだった
その表情は温かみに溢れている、自分がこれほど誰かを愛するのは生まれて初めてだと思った
「またこうして・・・二人で会ってくれますか?」
鈴子は定正に聞いた、彼はニッコリ笑ってこう言った
「もう君を離すつもりはないよ」
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