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ガバッ
いつもは早く起きない私が今日は朝の5時に起きた。
朝ごはんの食パンがまともに喉を通らない。
前日に30分ぐらい悩んで選んだブルーのワンピースに袖を通し、普段はしないメイクもする。
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約束の30分前
私は指輪とネックレスを光らせながら誕生日に買ってもらった高い洒落た靴で道路を踏み締めた。
約束の場所に着くと30分前にもかかわらず先生はもう待ってくれていた。
先生はグレーのニットの上にベージュのロングコートを羽織り黒いジーンズを羽織っていた。
首には私と同じネックレスが光っている。
いつものスーツ姿とは違う先生にドキドキが止まらない。
〇〇)(私、こんな格好で釣り合うかな‥)
恐る恐る阿部先生に近づくと先生はボーッと私を眺めていた。
〇〇)大丈夫ですか?
私が話しかけると阿部先生はハッとした様子で顔をあげた。
阿部)あっ、なんでもないよ。〇〇今日雰囲気違うなって思って。
〇〇)へ、変じゃないですか…、?
阿部)ううん、めっちゃかわいい。髪型も似合ってる。
かわいい、と言ってもらえて体が熱くなる。
〇〇)先生もめちゃくちゃかっこいいです…、//
阿部)んふふ、ありがと、
先生にエスコートされて助手席に乗り込む。
〇〇)あれ?阿部先生今日香水変えました?
阿部先生はいつも爽やかな澄んだ香りがするのに今日はフローラルな香りがした。
阿部)うん、大事な時はいつもこれをつけてる。
〇〇)大事な時…
先生がこのおでかけを大事なことだと思ってくれているのが嬉しかった。
〇〇)いつものも好きだけど今日の先生の香水もめっちゃいい匂いですね。
阿部)良かったー、気に入ってもらえて。
阿部)ていうか、〇〇いつになったら俺のこと呼び捨てで呼んでくれるの?
〇〇)え?
阿部)いっつも先生じゃん…、たまには亮平って呼んでほしい、
〇〇)でっ、でも恥ずかしっ…
先生が私の唇に人差し指を当てて言葉を遮った。
阿部)今日は先生と生徒じゃなくて彼氏と彼女だから。ね?
〇〇)ん、…りょ、亮平…//
阿部)よくできました。
亮平はニコッと笑って私の頭を撫でてくれた。
阿部)〇〇何か買いたいものでもあるの?
〇〇)食べたいものはありますよ!最近おしゃれなカフェがショッピングモールにできたらしくて。美味しいガレットのお店なんですけど、
阿部)え⁉︎ガレット俺食べたことない!
〇〇)私もなんですよ、先生と食べたくて、
阿部)…〇〇、また先生に戻ってる!
〇〇)あっ!ごめんなさい、癖で…
阿部)はい、亮平!
〇〇)りょ… ちょ、やっぱ、恥ずかしいですっ…//
阿部)ふふっ、照れてる〇〇もかわいいー
〇〇)かわいいとかっ、言わないでくださいっ!//
ドタバタしながらもなんとかショッピングモールにたどり着いた。
亮平が帽子を深く被って外に出る。
阿部)生徒に会ったらやばいから。〇〇も気をつけてね。
〇〇)…はい、
先生は彼氏と彼女って言ってたけど、先生と生徒っていう関係は変えられない。
ショッピングモールに入ると亮平が私の手をぎゅっと握ってくれた。
阿部)はぐれちゃうといけないから、
先生の頬がわずかに紅潮しているように見えた。
〇〇)もう11時だし先にガレットのお店行きますか?
阿部)そうする?
昼前ということもあってかガレットの店はそこまで混んでいなかった。
案内されて店の1番奥の席に座る。
阿部)俺この卵とベーコンのにしようかなー、
〇〇)あ、これ美味しそう!
運ばれてきたガレットはとても美味しくて2人でおいしい、と言い合っていた。
阿部)〇〇のガレットもちょっと食べていい?
〇〇)いいですよ、
すると亮平が私の手首を掴んでフォークを引き寄せガレットを口に入れた。
阿部)ん〜!うまっ、
〇〇)え?え、え、え、
これって間接キスじゃん、亮平とキスしたことはあるけどいきなりされると心の準備ができてなくてびっくりする。
阿部)ん〜?どうしての?〇〇、
亮平が意地悪な笑みを浮かべた。
〇〇)なんでもないっ、//
お代は亮平が払ってくれた。私も払うとは言ったけど亮平が絶対払う!、って譲ってくれなかった。
お店を出て周辺を2人でぶらぶら歩く。
〇〇)あっ、あれ可愛い…!
私が立ち寄ったのはハンドメイド雑貨のお店だった。
〇〇)かわいい…
私が目を止めたのはフェルトで作ってあるインコの置物だった。
阿部)こっちの色もあるよ?
亮平がピンクと白の方も差し出した。
〇〇)この色可愛いかも…、でもお小遣いないからやめとこうかな、
阿部)そうなの?買ってあげるよ?
〇〇)いや、いいよ!さっきも払ってもらったし、
私は慌てて断ってその場を離れた。
その後も2人で本屋さんに寄っておすすめの本のは無しで盛り上がったり、美味しいクレープ屋さんでおやつを食べたりした。(おやつ代はさすがに私が払いました…)
亮平がトイレに行くというので近くのベンチで座っていたら私の学校と同じ制服の男の人達が近づいてきた。
ビクビクしながら見ているとその人たちが私に話しかけてきた。
男性)ねえ、お前目黒と付き合ってる〇〇って子だろ?
男性)今日も目黒と来たの?
男性)さすが目黒に告白されただけあるな。めっちゃ美人じゃん。
男性)ねえ、ねえ。俺らと一緒についてきてくれたらなんでも買ってあげるよ?
男性)ほら、行こ、
〇〇)いた…、ちょっとやめてください…!
男の人が私の腕を掴んで連れて行こうとした。
〇〇)(亮平…、助けて、)
男性)なんだよ、お前!
男の人の手が離れて行ったと思ったら私は亮平の腕の中に守られていた。
〇〇)先生…!
男性)先生…?
男性たちが亮平の顔を覗き込んだ。
男子3)あれ?阿部先生じやね?
男子4)あ、ほんとだ。阿部先生だ、
男子2)なんでここにいんの?
どうしよう…、私のせいでバレちゃう…、
阿部)…たまたま通りかかっただけ。〇〇さんが困ってそうだったから。
男子1)は?いらないとこに入ってくんなよ….先生には関係ねーじゃん。
阿部)…〇〇さん嫌がってるだろ。つまんねぇことはやめろよ…!
聞いたことないような亮平の冷たく怖い声。
男性)チッ、もういいよ。行こうぜ。
男の人たちが去ると私は先生に抱きついた。
〇〇)亮平…、怖かったよぉ、グスッ
亮平に抱きつくと安心する。
阿部)よしよし、大丈夫だよ?
亮平がなだめるように私の頭を優しく撫でた。
〇〇)亮平、がっ、来てくれて良かったっ、
私は抱きしめてる手に力を込めた。
阿部)ほら、涙拭きな?
亮平がハンカチを渡してくれた。
私はハンカチに顔を埋める。
ハンカチは亮平の匂いで溢れていてとても安心した。
私は亮平にハンカチを返した。
〇〇)なんか亮平の匂いがして安心した。
阿部)ふふっ、良かった。
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〇〇)楽しかったですねー、
阿部)うん、この後の星も楽しみだね、
〇〇)ですね、今日は晴れるみたいだし
ワクワクしながら車に乗り込む。
〇〇)これから見に行く場所ってどんなところなんですか?
阿部)ここから20分ぐらいのところ。昔家族とよく行ってて、暗いからよく見えるんだ。
あたりはもうすっかり暗くなっていた。
〇〇)お腹すきませんか?
阿部)んー、確かに空いたかも。コンビニでなんか買おっか。
亮平が近くのコンビニに入っておにぎりとお茶を買ってきてくれた。
阿部)今日は俺の奢りだから、!
〇〇)ごめんなさい…買わせちゃって…
阿部)そういう時はありがとう、だよ?
〇〇)…ありがと!
阿部)どういたしまして、
もぐもぐとおにぎりを食べながら星を見る場所へと向かう。
〇〇)亮平はおにぎりの具何が1番好き?
阿部)んー、なんだろ…鳥五目かな、
〇〇)渋いですね…、鮭とかだと思ってました。
阿部)そういう〇〇は?
〇〇)ツナマヨかなぁー
阿部)子供だねー
そんなたわいのない会話をする。これだけで私は幸せだった。
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阿部)着いたよー
〇〇)ここですか?
着いたのは小高い丘の上だった。
あたりには木が生い茂りその間から街の明かりがちらほらと漏れ出ていた。
暗闇に目が慣れてくると段々と空の星が見えるようになってきた。
〇〇)わぁ、綺麗…、
空には星々がキラキラと輝き、満月が顔を覗かせていた。
あまりの美しい光景に思わずため息をつく。
阿部)どう?気に入った?
〇〇)綺麗…、こんな景色見たことないです…、
亮平が何かを呟いた。
〇〇)なんか言いました?
阿部)いや何も?
〇〇)ならいいですけど…
私は地面に腰を下ろし星をゆっくりと眺めた。
感動する瞬間ってこういう時なんだな、と思った。
阿部)〇〇、
〇〇)はい?
阿部先生に呼ばれて振り向くと先生が私に紙袋を差し出していた。
阿部)これ、今日〇〇が欲しいって言ってたやつ。受け取ってほしい。
〇〇)えっ?
中を覗くとあのインコの置物が入っていた。
〇〇)えっ、これもらってもいいんですか⁉︎
阿部)うん、〇〇の部屋に飾って欲しくて、
〇〇)すいま…あっ、あ、ありがとうございます…!
阿部)うん。どういたしまして、
亮平が満足そうに笑った。
2人で空を見上げる。
阿部)あの星、〇〇みたい。
先生は弱々しく光を放つ小さな星を指差した。
阿部)綺麗で…可憐で、でも弱々しくて、可愛くて。
〇〇)照れます…//
阿部)〇〇見てると守ってあげたくなる。
〇〇)ふふっ、守ってください。
亮平の瞳に私が写った。
阿部)これからも〇〇のことずっと見守っていくから…一生ね…?
亮平に手が私の手に触れ亮平が私の方に体を近づけてくる。
阿部)大好きだよ…、〇〇…、
月明かりの下2人のシルエットが重なった。
“今夜は月が綺麗ですね”
☽ ꙳⋆
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おわりっ!しばらく出せなくてごめんなさい🙇♀️次回は阿部sideのお話にしようと思います!
データ2回ぐらい消えてめっちゃ焦った…ს
ᵀᴴᴬᴺᴷ ᵞᴼᵁ ◡̈*