テラーノベル
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ムダ先!空から…俺!?
3話 「暗雲低迷」
#四季愛され
01
「来たぜ。親父。」
俺はまた、親父の墓に来た。ここ最近は毎日墓参りに来ている。
俺は墓の前にしゃがみいつものように喋りだした。
「聞いてくれよ親父。昨日あの後未来から来たっていう俺が来てさ、めっちゃ強いんだぜ?俺ああなるんだって。すっげぇだろ。でもあいつさ、」
「やっぱここにいた」
あいつだ。一ノ瀬四季の声が聞こえた。
「…どうしてここに?」
「まぁ、ぶっちゃけ理由なんてないぜ。でもこの時期は確かずっと墓に通ってた頃だよなぁって」
「未来から来てんならわかってるだろ、俺がここに来てる理由」
「うん知ってた。知ってたけど今はもう思い出せねぇや」
「は?」
思い出せない?この想いを?この気持ちを?
「…忘れたのかよ、この、この気持ちを!」
「いや覚えてたんだぜ?でもさ、いつからか思い出せなくなっちまった。てかそんなことよりお前いつまで墓通うんだよ。いい加減やめろ」
「は?」
02
やめろ?墓に行くのを?親父に会いに行くのを?
この苦しい気持ちは?ずっと我慢してる気持ちを、泣きそうになる心をぶつけるのを?
「お前何言ってるんだよ」
「だからいつまでもこんなことしてたら強くなれねぇって言ってんだよ」
「…じゃあ、この気持ちをどこにやればいい?誰にぶつければいい!!どうすればいいんだよ!わかるだろお前なら!俺なら!この、このどうしようもない苦しさを!親父に、親父に話すだけでまだ軽くなるんだ!まだ頑張れるのに!」
「お前なんもわかってねぇな。それが甘いんだよ。死んだやつにそんなこと言ってどうするんだよ」
「なんだよ、それ…なんなんだよお前!お前が未来の俺ならわかるだろ!未来の俺はそんなことすら忘れちまうのか?忘れちまうぐらいに俺は、俺は!…そんなになっちまうなら俺は大人になんて…カハッ」
急に痛みが来た。蹴られた。痛い。10mぐらいは吹き飛んだと思う。
息が上手くできない。咳が止まらない。
「さっさと立てよ。墓じゃ呪われちまう。森でやろう 」
「ゲホッ、やろうって、なに、を?」
「あぁ、さっき言ってなかったな、俺がここにきた理由。仕方ねぇから教えてやるよ。」
目的あるじゃねぇか。嘘つき
「目的は、
お前を殺すためだ」
03
「ころ、す?な、なんで。それじゃあお前だって…だって未来から来てるなら俺のこと殺したらお前だって、」
「あぁ、未来から来たって話は嘘。咄嗟の口実。いや、あの状況からよくあんな嘘ペラペラでたなって自分でも思うぜ?」
「嘘…?じゃあお前は一体…」
「俺さ、ループしてるんだよ。これで何回目だったかな…いや今回カウントしていいのか…?」
「ループ…?」
ループ…人生を繰り返してる…ってことか。なるほど。あの異次元の強さも納得できる。
「うーんもう500超えたとこからループの数なんて数えてねぇや」
「500!?」
「そうそう。前回はヘマして桃に捕まっちまって拷問されてさ、そのまま死んだんだよ。んで今回のループが傷治らないまま戻ったみたいでさ、」
「…し、死ぬことが怖くねぇのかよ」
「そんなものとっくに忘れちまった」
これだ。違和感は。今までずっとあった違和感は。こいつは忘れてる。大切なものを。
「でも、なんで俺のこと殺すんだよ…」
「あー、こん時の結末がまじで最悪でさ、しかもその原因は俺。なら殺した方がこの世界の為になるかなぁって。」
「はっ…そうかよ!でも殺されろって言われて黙って殺される訳にもいかねぇんだわ!全力で抗わさせてもらう!」
「おう。それでこそ俺だからな。」
04
俺たちは森に移動した。抗うと言ったもの俺は100%負けると思う。それほど、こいつは強い。だから、ムダ先達が来るまで粘る。つまり持久戦だ。
「ほら、お前かかってきていいよ」
「そっ、じゃあ遠慮なくいかせてもらう!」
「その頑張りも無駄になるけどな」
「いちいちうるせぇんだよ!」
俺は炎鬼状態になり、銃を空に向かって撃った。弾はでずに音だけが鳴り響く。普通の銃よりどデカい音が。そうこれは空砲なのだ。音でみんなに知らせた。これだけデカイ音がなればムダ先達も異変に気づくだろう。
「…あぁ、ムダ先に助けてもらおうっていう…でも来る前に殺せばいいからなぁ」
「舐めやがって…」
実際ムダ先が間に合うかは賭けだ。
「お前が俺に勝てるかな…血蝕解放。銃葬神器」
あいつは折りたたみナイフを取り出すと指先を切る。あぁ、やっぱりそうだ。
「お前、指を噛み切ることすら出来ねぇんだろ」
「ご明察。そんなことできないぐらいには弱ってるんだ。弱ってると言ってもお前ならこれぐらいで十分な実力だけどな。」
そう言ってあいつは弾を撃ってる。当たったら即死級の威力だ。けど
「燃やせば関係ねぇよな」
「あれ、そんなことできたっけこの時期」
身体を纏わせている炎で弾を溶かす。これくらいなら今の俺だって余裕でできるのだ。
「まぁ、1発溶かせたぐらいで調子乗ってるようなお前は甘いけどな」
また攻撃が来た
05
やばい。死ぬ。
あれからあっという間だった。やっぱり強い。一つも傷を与えられない。体中のあちこちが痛い。
炎鬼状態も、もう持たない。
「ほら、そんなんだから誰も守れない。せいぜいさっさと死んでくれよ。」
「い、やだね、てか俺が、このままだったら、どうなってたんだよ、」
「まぁ簡単に言えばお前のせいでみんな死んだ。お前の心が弱いから。お前がいつまでも亡者に縋り付いてるから。」
「おやじ、のことかよ」
「それ以外誰がいるんだよ。…そう思ったら親父のせいでもあるのか」
「は?おま、え、親父を、侮辱すんのか、」
「そうだよ」
「おまえ、殺す!!!」
こいつは生かしちゃいけない。全部忘れてやがる。馬鹿だ。馬鹿すぎる。
「殺す?その前に俺が殺すよ。これで最後だ。じゃあな」
「あ」
やばいほんとに死
06
「お前なにをやっている」
「…あーあ。タイムアップかぁ」
「おい一ノ瀬、なんで殺そうとした」
ムダ先が助けてくれた。真澄隊長もアイツを捕らえた。
「むだ、先、ますみ、隊長も、」
「喋るな四季。今すぐに京夜がくる」
「まっ、て。まだ」
「お?殺させてくれるのか?そーだよな!お前が生きてるからみんな死ぬんだ!」
「てめぇ…一ノ瀬挑発に乗るなよ」
「真澄隊長、ごめん。」
「おい四季。」
「大丈夫、頭は冷えてる」
どうしても言わなければならない。
「なぁ、お前。確か拷問受けたんだっけ?」
「は、急になに?そうだけど」
「そのせいで記憶飛んだんじゃねぇの。お前ほんと忘れすぎ。親父への思いも、皆の想いも、過去の思い出を!!全部そのせいで忘れてるんじゃねぇか?」
「…忘れてるのかもな。全部。」
意外な回答が帰ってきた
「俺が拷問受けたのもう片手で数え切れないぐらいだぜ?そりゃちょっとやそっとは忘れるわな。分からねぇだろお前には。俺の気持ちが、俺の苦しさが!あと何回死ねばいい!?繰り返せばいい!?何回、何十回、何百回やってもダメだった!なんで!なんで!おまえが!お前がいなければ!お前を殺せば俺も終われるのか!?そうなら俺は何回でも殺してやる!!」
「何言って…まずい、無陀野!」
「わかってる」
真澄隊長の拘束を抜け出し俺に向かって攻撃を仕掛けてきた。ムダ先が血蝕解放で守ろうとする。けど俺は前に出た。
「四季!!」「一ノ瀬!!」
銃弾は俺の頭に当たった。はずだった。
「は、なんで、だってそれは」
「だって俺だもん。お前ができることなら俺が出来ないはずがねぇ。」
「だとしても!炎鬼にはもう!」
「やっぱ忘れてんな。俺5回目だぜ?」
「は、…はっ。ははっ。そっか、そうだ、そうだった」
「てめぇなんだ急に…」
「四季くん!!」
一ノ瀬は笑いだした。それと同時に馨さんとチャラ先が着いた。
「酷い怪我…まずいな、」
「あー。まじで忘れてたわ。うん、ごめん。今度はちゃんと話そう」
「おう…」
初めてあいつの心からの笑顔を見れた気がする。
そして俺は目を瞑った。
あとがき
はいめっちゃ急展開ですね。すみません。
まぁ未来と言えば未来ですが正体はループ四季くんでした。彼は何回繰り返して、何を見てきたのでしょうか。それはまた次回。
次回は視点が四季くんじゃないかもです。
コメント
2件
今の四季くんとループしてた四季くんが気持ちをぶつけたりしてるのとか、2人ともどうしようもない気持ちとかいろんな苦しい気持ちを言ってるので涙出てきました…