課外授業だの、特別補習だののせいで、高校生の夏休みは意外と短い。

その貴重な夏休みに、美化委員会はわざわざ呼び出されて「校内特別清掃活動」を行う決まりになっていた。それゆえ皆に忌避されている美化委員になってしまったロメは、担当区域である校舎裏の草むしりを黙々と進めていた。

部活も休止期間なので、あたりにほとんど人気はない。

そして暑い。ひたすらに、暑い。

（なんか、腐敗（リミット）早まりそうで怖い……カビとか生えたらどうしよう）

　少しでも安全な場所で作業すべく木陰に踏み込んだロメの足が、何かを踏んづけた。

「いてっ」

「えっ！？　す、すいませ……って、巻くん？」

　慌てて足を引っ込めたロメは瞬いた。

　木陰で身を起こしたのは巻だ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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