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姿を消した天才

12 - 10.近づく一歩(第二審査)

♥

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2025年04月01日

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『では、これから第二審査を始めます。ダンス又は歌、もしくはその両方、自分が選曲したものを披露して下さい。』






第二審査が始まった


昨日とは打って変わって、審査員の目付きが変わり、穏やかな空気などひとつも無い。


これからを共に歩んでいくメンバーを見つけるのだから、厳しい眼差しで見るのは当然だろう



会場内には



歌だけを披露する者


ダンスだけを披露する者


そして両方を披露する者がいる。





応募した者のこのオーディションにかけてる思いが、審査を通して痛いほどに感じた。






『では続いて6番の吉田くん、お願いします』





はい。





「仁人選曲どーすんの?」



「迷ってる…別にM!LKだけじゃなくてもいいらしいから」



「そうらしいよね。仁人らしさが出る曲何かねぇの?」



「俺らしさ?」



「うん。まぁ、お前らしさっていっても、踊った曲大体全部お前らしさになるんだけど笑」



「俺らしさって…なに」



「ん〜なんて言うんだろ…歌詞から出る感情がそのまま乗る?みたいな。まぁ悪い癖じゃないし、仁人のいい所だから」



「ん〜…まぁ、とりあえず1回聴きながら探すわ」



「決まったら教えて」







俺らしさ…


そこまで気にしたことがなかった





自分らしさ,,,自分の癖,,






でも、1曲だけ、、踊りたい曲がある。





「永遠〜、決まった」



「何?」




BUDDiiSさんの"Lack"




「あーよく歌ってたやつだな笑」



「好きなんだよね歌詞が…あとピアノの音が」




あとは



M!LKさんの"topaz"



「おぉ、これは?」



「なんか曲聴いた時に、得意かもって思ったから。」



「あ〜あ、確かに笑得意そうだな、いいじゃん。そんで最後はどうすんの?」



最後は、、







僕が選曲したものは、


M!LKさんで"topaz"です




『おー、僕たちの曲なんだね。吉田くんはダンスだけ…かな?』




はい…。




『それでは、お願いします。』





会場にいるみんなが注目する





曲がかかるとともに体内のスイッチが入れ替わった



緊張なんてものはなくなって、



ただこの曲を、この歌詞を感じて



それを音に乗せるだけ



たった数十秒の中に最大限俺の良さを入れて



この曲を審査員に届けた







毅「仁人ってさ、本気になったとき途端にスイッチが変わるよな」



仁「は?」



毅「いや、直前まで不安そーな雰囲気全面に出てるのに、いざ始まれば不安なんてひとつも無いような顔になるじゃん」



仁「そう?まぁでも確かに不安は無くなってるかも…?」



毅「なんか、"あ、こいつ今マジだわ"ってわかんだよね。なんて言うんだろうな、、なんか…一瞬にして惹き込まれる。歌ってる時の表情っていうか表現」



仁「ん〜、まぁよくわかんないけど。俺はただ、この曲を聴いてる人に届けたいっていう一心で歌ってる」









塩﨑太智side



吉田仁人…くん、ねぇ。


誰とも会話せず一人でいる感じか…


変に独特な雰囲気を纏って、凄く不安を感じてそうというのが第一印象。



アイドルである以上、ファンの人を幸せにするのは当たり前で


自分の不安が全面に出ているようじゃ、アイドルにはなれない。



第二審査でも、それは相変わらずで第一審査よりも緊張が伝わった






「選曲したものはM!LKさんで"topaz"です」




へぇ…


今回のこのオーディションは、EBiDANの曲であれば、別にM!LKの曲じゃなくてもいい。


それでもM!LKを選んでくるということはなかなかに勇気があると思った。





『それでは、お願いします』





曲がかかった瞬間


彼の顔つきが変わった



今まで不安そうな顔をしていたのが


まるで嘘だったかのように



そんな彼の踊りはどこか他とは違った



この曲の歌詞がそのままダンスに乗っているかのような…




そう感じたのは俺だけではなかったらしい


みんながこんなにも彼を真剣にみている






それは、






「審査」と言うよりも


「鑑賞」に近しかった








気づけば曲が終わり、いつもの彼へと戻った







へぇ笑











俺が思ったことはただ1つ














彼は"天才"だ____.

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