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「アルフレッド、今頃食事かい?こんな遅い時間に?」
カフェテリアでサラダとヌードルのセットを食べているときにいつものように飄々とした感じでギルベルトが声をかけてきた。彼が持つトレーの上にはチキンステーキが載っている。サラダはなしか。
「ギル、君がそれを言えるのか?俺は博士論文の執筆をしていて遅くなった。軍で出世するには博士号がいるだろ?民間に移ることがあっても博士号は使えるし。君の場合は、おそらくガールフレンド達への返信、あるいは雑誌を眺めて時間を無駄にしたんだろうけどね。」
俺は自分のトレーを見ながらそう口にする。
「お見事。アルフレッド・クルーズに隠し事は不可能か。」
ギルベルトはそう呟く。結局のところ、彼は嘘をうまくつけない人間だ。
「だからアカデミーにおける首席卒業生になれた。ルドルフも少しは人の内面を覗き見ることができるんだろうけど、俺と比べると得意じゃないよな。ミゲルや君のような人間は、俺やルドルフと違って善良だからそんなことしないだろうけど。時々君たちの善良さが羨ましくなる。まあ、ここにいたのがルドルフじゃなくて俺で良かったね。ルドルフなら君のトレーの上にサラダが載っていないことを叱りつけただろう。」