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レド(破壊神)
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第7話ミューズ・プロト群を完全に沈黙させ、静寂を取り戻した『菊池』の跡地。
真理とハルが安堵の息を漏らした直後――ドサリと、重い音が響いた。
「海堂……!?」
変身が解けた海堂直也が、膝から崩れ落ちていた。その右腕は肘のあたりまで完全に白灰色へと変わり、砂となってサラサラと夜風に流れていく。極限状態での変身と、先ほどの劇薬の代償が、彼の命を急速に削り取っていた。
「……けっ、格好がつかねえなぁ。せっかく巧が帰ってきたってのによ……」
海堂は自嘲気味に笑うが、その顔色もまた死人のように蒼白だった。
巧は無言のまま歩み寄り、海堂の肩をしっかりと支えて引き起こすと、壊れかけた店のベンチへと彼を座らせた。
「おい、巧……見ろよ。俺のこの手……もうギターのコードすら押さえられねえや」
消えゆく指先を見つめながら、海堂が寂しげに呟く。
「……無理すんなって言ったろ、バカ野郎」
巧は低く重い声でそう吐き捨てると、ポケットから缶コーヒーを取り出し、海堂の残された左手に押し付けた。かつて何度も繰り返した、何の変哲もない日常のひとコマ。
「お前っ……猫舌だからなっ、冷めてるコーヒー渡しやがって」
海堂は苦笑しながら、一口煽った。
「なあ、巧。木場が死んで、お前がいなくなって……俺はさ、ずっと考えてたんだ。なんで俺だけが生き残っちまったんだろうってな」
「……」
「音楽も奪われて、人間にもなれなくて、怪物としても半端で……。だけどよ、今日ハルってガキを守った時、ちょっとだけ分かった気がしたんだ」
海堂は砂になりかける右手を掲げ、遠くの月を見上げた。
「俺たちがボロボロになりながら守ってきたのは、こういうガキどもが『夢』を見るための明日だったんだろ? ……だったらよ、俺の最期も、少しは意味があったのかなってさ」
巧は溢れそうになる感情を殺すように、固く拳を握りしめた。
「終わったみたいな口叩いてんじゃねえ。……俺がお前を死なせるかよ」
「ハン、強がり言っちまって。お前だって自分の体が限界なの、分かってんだろうが」
海堂は巧の胸を左手で軽く叩いた。
「巧……真理と、あのガキを頼んだぜ。スマートブレインの連中……ハルを狙って、またすぐ来る。王の復活なんてバカげた夢、お前がぶち壊してくれ」
「海堂……」
「俺はもう少しだけ、ここで曲の続きを考えるわ。……だから、行ってこいよ、ヒーロー」
海堂の身体から、再び灰色の砂がパラパラとこぼれ落ちる。その目はまっ振りに、友の背中を押していた。巧は深く息を吐き、一度だけ強く頷くと、ファイズドライバーを固く握り直した。
コメント
1件
この展開、めちゃくちゃグッときたわ……。海堂の最期、覚悟決めて仲間を背中で押すところがもうね、泣ける。ギターのコードすら押さえられないって台詞が、音楽に人生を懸けてきた男の覚悟を物語ってて、心臓掴まれた気分になった。缶コーヒーのやり取りも、普段の何気ない日常の再現だからこそ、余計に胸に来る。巧が「俺がお前を死なせるかよ」って絞り出す感じ、本当に熱い友情だわ…。次、どうなるかマジで気になる🔥