広大な未知の地に放り込まれてから、ついに一ヶ月が経過した。初めての恐竜との遭遇、仲間たちとの衝突、そして神様という謎の存在。思い返すと、目まぐるしい日々だった。
「いやー、一ヶ月でここまでやれるなんて思わなかったな。」
いさなが笑いながら言う。彼の腕には自作の防具が光り、手には改良した槍が握られている。
「そうね。最初は生き延びるだけで精一杯だったけど、今じゃこんな立派な拠点まで作っちゃった。」
みりんは自慢げに、木材と石で作り上げた新しい拠点を見回した。かつてトラに壊された第二拠点よりも頑丈で、狩猟や調理の設備も充実している。
「それにしても、リオとサニーのペア、すごく頼りになるよね。」
ゆうなが笑顔で、小型肉食獣たちがじゃれ合う様子を眺める。
リオとサニーは、すでにこのチームの一員として完全に馴染んでおり、敵対生物の警戒や狩猟で大活躍している。
「でも、まだアーティファクトは一つだけなんだよね…」
萌香が地面に広げた地図を見つめながら呟く。彼女はこの一ヶ月でたくましくなり、弓の腕前もかなり上達していた。
「焦るなって。こういうのは一歩ずつだ。」
いさなが肩を叩く。
「でも、私たちにあと8つも集める時間があるのかな。」
不安そうな萌香に、みりんが優しく微笑む。
「大丈夫。あの神様の手紙には時間制限は書いてなかったし、私たちは確実に強くなってる。それに…一緒なら、どんな困難だって乗り越えられるよ。」
一行はこれまでに以下のものを得た:
恐竜チーム
トラ:敵対者を追い払う頼れる存在。
小型肉食獣5匹:偵察や狩猟で活躍。
サニー:気配察知能力が抜群。
リオ:子作りする
拠点
木材と石を使った堅固な構造。
水の確保と食料保存が可能。
周囲に罠を設置し、防衛力を強化。
道具と技術
改良型槍、弓矢、石の斧。
初歩的な鍛冶技術と加工能力。
簡易的な照明や医療キット。
「次はどこに行くの?」
ゆうなが地図を見ながら尋ねる。
「山のほうに向かうべきだろうな。」
いさなが指を指したのは、遠くに見える険しい山脈だった。「あそこにきっと次のアーティファクトがあるはずだ。」
「でも、山は危険が多そうだよ…」
萌香が不安そうに顔を曇らせる。
「そのために準備してきたんだろ?それに、俺たちにはリオもいる。」
いさながリオの頭を撫でると、リオは低く唸りながら彼に答えた。
「行こう。もう後戻りはできないからね。」
みりんが決意を固め、一同は次なる冒険に向けて荷物をまとめ始めた。
その夜、静かな星空の下でキャンプを囲む彼らは、明日から始まる新たな旅路に胸を高鳴らせていた。
「こうしてると…ちょっとだけ、この世界が好きになってきたかも。」
萌香が焚き火を見つめながら呟く。
「俺は最初から気に入ってたぜ。」
いさなが笑って答えた。
「気に入ってた割には文句ばっかり言ってたよね。」
ゆうながツッコむと、みんなの笑い声が夜空に響いた。
未知の地でのサバイバルは続く。しかし、彼らの絆も確実に強くなっていた。
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