唇が離れ、俺は涼ちゃんの胸を押しのけ、怒鳴った。
「きゅ、急になんだよ!!こんな強引に…。 」
酸欠気味の状態で、大きい声を出したため咳込んでしまう。涼ちゃんが背中をさすろうとしてくれるが、俺はその手を払い除ける。
「っ…。ごめん若井。ごめんっ。」
ハッとして涼ちゃんをみると泣いていた。
顔を覆って地べたに顔をつける様にして。
先程までの反射的な怒りの感情は消え失せ、怒鳴り手を払って拒否した事に対して猛烈な罪悪感が産まれた。
俺が元貴に同じことをされたら、きっと耐えられないだろう。
「涼ちゃん大きい声だしてごめん。顔上げなよ。」
顔を覆ってうずくまっていた涼ちゃんは何やら小さな声で呟いていた。
「…じゃん。」
「ん?涼ちゃん何?」
背中をさすりながら、問いかけると。
「だってしょうがないじゃん!!」
と普段の温厚な涼ちゃんの姿からは想像もつかない叫びのような大声を聞いた。
「だって、好きなんだよ。どうしようも無いんだよ。男同士、メンバー同士なのも分かってる。でも好きになっちゃったんだよ。」
「元貴に勝ち目が無いことくらい痛いほど分かるよ!!若井の元貴を見る目が、他の人とは違うのもずっと知ってた。」
「この間もわざと2人がお似合いってLINEを若井にした。このまま若井が元貴の事を諦めてくれたらもしかしたら僕とって思っちゃった。」
「でも、若井の憔悴してる様子をみてなんとかしてあげたいって楽にしてあげたいって思った。元貴は○○さんが好きで、若井は元貴が好き。お互い叶わない恋してる同士身体だけでも慰めあいたいってのもダメなの?」
涼ちゃんは堰を切ったように、言葉を吐き出した。
俺は黙って聞いていることしか出来なかった。
涼ちゃんの手が伸びてきて俺の耳をなぞる。
「ねぇ、若井…。俺の事元貴だと思っていいよ。だから…。」
涼ちゃんの縋る様な、救いを求めるような眼差しに、俺はまぁいいやと半分自暴自棄の様な気持ちになっていった。
そして涼ちゃんの手を取った。
💙さんも💛さんも絶賛情緒不安定〜!!
気圧のせいか?(違う)
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