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#衝撃のラスト
山根利広
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静寂が満ちる部屋の中で、俺は自分を取り囲む漆黒の髪を振り払い、繭を——そして、その背後に潜む「もう一人」を、力強く抱きしめた。
「守……さん……?」
表の繭が、涙に濡れた瞳で俺を見上げる。
そして俺の肩越しでは、全てを絶望に落とし込もうとしていた裏の顔が、驚きに開眼したまま、凍りついたように固まっていた。
俺は、裏の顔の冷たい頬に優しく手を添え、そして前を向く繭の温かい頬をもう一方の手で包み込んだ。
「二人とも、愛しているよ」
耳元で、静かに、けれど世界中のどんな誓いよりも強く囁く。
「君は……君達は、一人に二人の命を宿してしまったんだね。守る者と、守られる者。表と裏。そのどちらが欠けても、君は『糸巻繭』じゃいられないんだ」
一筋の涙が、裏の顔の目尻から伝い落ちる。
それは、太古の昔から「怪物」「異形」として恐れられ、母親にさえ殺されかけた彼女が、生まれて初めて与えられた愛の受容だった。
「だから僕は、君達二人を愛している。僕が絶対に、二人とも守ってみせるから」
俺の言葉が届いた瞬間、部屋を満たしていた狂気のような圧迫感が、嘘のように潮が引いていく。
暴れていた黒髪は静かに肩の上へと舞い戻り、裏の顔は満足そうに、どこか寂しげな微笑みを浮かべると、ゆっくりと瞼を閉じて黒髪の奥へと沈んでいった。
「……守さん……」
胸の中で、表の繭が力を抜いて俺の服にしがみつく。
彼女の心の中にあった「自分は恐ろしい怪物かもしれない」という底なしの恐怖は、守の抱擁によって、温かい安らぎへと変えられていた。
「もうどこにも行かないよ。警察も、君を利用しようとする人間も……誰も君達を奪わせない」
刑事も、父親も消えた。
俺たちが積み上げてきた日常は崩れ去り、もう二度と戻ることはできない。
けれど、俺の心に迷いはなかった。
少女を愛し、少女の中の「神」をも愛した青年。
二人の命を背負った少女と、彼女たちを愛することを誓った少年の、終わりなき物語が始まる。
コメント
1件
ああああもうっっっ!!!😭💕💕 守さん、二人の繭をまとめて抱きしめて「愛してる」って…!!裏の顔が涙を流すシーンとか、生まれて初めて愛を受け入れた瞬間が尊すぎて心臓もたん…!! 「二人を愛す」ってタイトル、まさにこのためにあったんだね…守さんが「どちらが欠けても繭じゃいられない」って言い切るのが、もう深い愛情と覚悟しか感じなくて震えた…✨ この先どうなるんだろう、続きが気になって仕方ないよ…!!赤虎さん、最高のエモさをありがとうございます…🌸