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僕はミニチュア・ダックスフンドの玄米!げんまいって読むよ!僕は人が大好き!甘えん坊って言われるよ!僕は椎間板ヘルニアって言う足腰の病気があって、今は治ったけど後遺症で、足を引きずっちゃうことがあるんだ。でも、お散歩は大好き!時々おしゃべりになるよ。他の子とも喧嘩はしないし、仲良くできる。ある動物保護団体で暮らしているんだ。でもね、寂しいんだ。団体の人は僕を、「かわいいね」「いいこだね」って声をかけてくれる。でも、ずっといてくれるわけじゃない。それに、前の飼い主さんが毎日一回は頭をよぎる。僕の過去をいくつかに分けてお話するね。
僕は6月4日、カニヘン・ダックスフントのブリス母さんと、ミニチュア・ダックスフンドの陽(はる)父さんの間に産まれたんだ。僕は毛色と毛の長さはブリス母さんの血を引いたけど、大きさは陽父さんの血を引いてるんだ。僕らの兄妹は僕を含めて5匹。長男の僕。次男のマロは、毛の長さは陽父さん、毛色はブリス母さんの血を引いている。三男のあゆむは毛色も長さもブリス母さんの血を引いている。ただ、僕とブリス母さんはとても濃い、レッドと言われる赤茶色だ。次男のマロとあゆむはブリス母さんの両親と、陽父さんの両親の血を引いているんだ。長女のココアは毛色も長さも大きさも、陽父さんの血を引いている。次女のキキは毛色と長さは陽父さん、大きさはブリス母さんの血を引いている。
これが僕の兄妹!マロもあゆむもココアもキキもみんなかわいい!あ、話しを戻すよ。
そうして僕は生まれた。そして乳離れがすむまでブリス母さんの側についていた。でも、乳離れがすむと同時は僕達はブリス母さんと引き離された。ブリス母さんは自分を押さえつける男の人の手を噛んだり、暴れたり、するどい犬歯を見せて唸ったりしている。でも小型犬だ。男の人は「いてっ」て声をあげるも、押さえつけるのをやめない。僕達は悲しい匂いのする段ボールに入れられてどこかへ運ばれた。段ボールに開けられた空気穴から、僕はブリス母さんを見た。でたくてみんなでカリカリと段ボールを引っかいた。でもびくともしなかった。「母さん!母さん!ブリス母さん!」僕は鳴いた。鳴いて泣いた。弟、妹もずっと泣いた。でも、僕達の夢は叶わなかった。それから僕達は車でどこかへ運ばれた。末妹のキキが体調不良になったがなんとか治った。
「どこ?」知らない場所、知らない匂いが漂ってきた。同時に、他の子犬の、悲しい匂い、不安な匂い、緊張する匂いも来た。怖がって泣いている声も聞こえる。僕達は怖くなってきた。と、上から光が振ってきた。「ん?」僕達は上を見上げた。段ボールの扉が開かれていた。と、大きな男の人の手が降ってきた。僕達は逃げた。なぜなら、あの手は僕達を捕まえて段ボールに入れ、僕らをブリス母さんから引き離した人の手だったのだ。