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朝が来て僕達はゆっくり朝ご飯を食べていた。
「皐月ー。醤油とってー。」
「結月はちょっと馴染みすぎだろw」
そんな事を言いつつ僕は醤油を渡す。
「てか今日なにする?皐月の行きたいところがあったらそこ行こうよ!」
「そうだね、明日と明後日はアルバイトだし今のうちに行こっか。」
そう、これから二人で暮らすなら金も必要になってくる。だから僕は引越し業のバイトについた。
「とりあえず今日は、ショッピングセンターで服でも買いに行こうよ!」
「あり!私は水着でも買おうかな!」
「ほんと!?それはぜひとも見てみたいなあ。」
「皐月も男の子だね、w」
そんな事を言いつつ、ご飯を二人で食べ進めた。
「そろそろでる?」
今はまだ8時だからお店は空いてないか、
「もう少しゆっくりしてからにしない?」
「そいだね!」
そうして僕達はゲームを始めた。
「もお、皐月強いい、」
むむむっ、っと顔をしかめて言ってきた。
「まあ、僕のほうが長いこと、このゲームやってるからね!w」
「うわあ、その言い方腹立つう!もう一回!」
そんな事を言いつつゲームをしていたら時間が来たので、僕達は電車の駅に向かった。その向かう途中、急に結月が指を絡めてきた。
「ちょ!結月!」
顔を赤くして、結月に必死に訴えると、
「皐月おもしろ!」
そう言って悪戯っぽく笑ってきた。
「全くもう、」
結局僕達は手を繋いだまま、ショッピングセンターに向かった。
「まずは何見る?」
結月がキラキラした目で言ってきた。
「そうだなあ、結月、水着買うんだっけ?」
「うん。」
「だったら一旦結月の水着を見に行こうよ!」
「いいの!?」
「もちろん!」
「やったあ!」
僕達はそのまま水着を見に行った。見に行ったところまではいいのだが、女物の水着コーナーに男がいるのがキモかったのか、女子たちからの目線はとても痛かった。
「結月、僕はちょっとここにはいづらいから、外で待っとくね?」
ここにいるのは流石に限界が来る。そうして出ようとすると、
「ちょっとまって、私、皐月に見て選んでもらいたいんだよ、」
「いや、僕の意見なんか聞かなくても、自分の好きなの選びなよ。どんな結月でも可愛いからさ。」
「やだ。もっと皐月に私のことを見て、考えてほしいの、だからお願い。」
僕はため息を吐いて、
「分かったよお、」
そんなことを言われて断れるはずがない。
そうして僕らは水着を買って、フードコートに行った。
「結月は何食べる?」
「私はてりやきハンバーガーのセットでいいかな。」
「じゃあ僕は、ビッグマッ◯のせっとでいいや。」
僕はこのとき昼間から食べるジャンクフードに背徳感を得ていた。
「そういえば皐月さ、ショッピングモールに来たのはいいけど、私だけ買って皐月は何も買ってないよね?」
「うん。僕は結月の楽しむ顔が見られたらそれでいいからさ。」
ちょっと格好をつけていってみた。相変わらず口説き文句が昭和だなとは自覚している。
「でもさあ、やっぱり私だけしてもらってるのって納得できないよ!」
「そんなもんかなあ、」
「そんなもんだよ!」
「なにかしてほしいことないの?行きたいところとかでもいいよ!」
う〜ん、全く思いつかない。でもこのままだと結月がもやもやしたままだ。
「あ、じゃあさ、僕ゲーセン行きたいかも。」
「よし!いこう!」
「ゲーセンなんて久々に来るなあ、」
「ん?どしたの?」
「いや、こっちの話。」
「あ!そうだ!プリ一緒に撮ろうよ!」
え!?あの陽キャ丸出しのところにいくのか!?
「いや、プリクラなんて行ったら僕みたいな陰キャは絶対浮くよ?」
そういうと、
「あっれれ〜?結月の楽しむかをが見られたらそれでいいからさっ!なんて格好つけて言ってきた人はだれだったかなあ〜?」
反論できないし、恥ずかしいしで、気持ちがいっぱいいっぱいな僕は顔を赤くして、
「格好つけてごめんなさい、行かさせていただきます。」
そう言うしかなかった。
プリに行くと、ギャル女子がたくさんいて、こっちを見て大笑いしてくる。けど結月はそんなことお構いなしだ。
「さ、中にはいって!」
そう言われた僕は恐る恐るプリクラ機の中に入っていった。その瞬間、
「いらっしゃいませー!」
と大音量で機械音声が流れてきた。その音にびっくりした僕は、
「ひぎい!」
と情けない声を出してしまった。その声に結月は、
「ひぎいって!あははは!だっさあー!」
「もお、結月ひどい!」
「じょーだんだって!」
今日は恥ずかしすぎることばっかりじゃん。
「ポーズを取って、可愛く笑ってください!あと5秒です!」
「あ!やばいじゃん!早くポーズ取ろ!」
そういうと、結月が一気に近づいてきた。その瞬間、甘い匂いが漂ってきて僕は倒れそうだった。
「ちょ!まっ!結月!?」
パシャ!
「ああー!!!皐月い!ちゃんとポーズ取ってよお!」
「ごめん!びっくりしてさあ!」
「もお、しょーがないなあ、まあいいや!とりあえず編集しよ!」
「てか、この編集にも時間制限があるんだね、」
画面には残り30秒という文字が表示されていた。
「早く編集しよ!」
そうして出てきたプリクラは、急いでいたためか字の形は歪だった。それでもそんなところが可愛くて、一生の思い出になるんだなと思った。
その帰り道、僕達は二人で話しながらゆっくりと帰っていた。僕は正直、今までの人生の中で一番楽しいんじゃないかと思っていた。
信号待ちをしていると、結月が、これからも一緒に入られたらいいね!と言ってきた。僕はその時当たり前じゃないかと思いつつゆっくり頷こうとした。けれど気づくと、結月が吹っ飛んでいた。僕の顔に散った血は結月が何かを訴えるようにして体中に散っていた。結月の体に車をぶつけて来た人もそのまま電柱に衝突して死んでいた。
「死ななきゃ。早く死ななきゃ。今すぐ死んでまた結月を助けなきゃ。」
すると僕の気持ちがわかったかのように、もう一台の車が僕に突っ込んできた。